ウォーキングで痩せられるのは事実。日々の運動量が増え、新鮮な空気と日光を浴びることができ(ビタミンD欠乏症による症状を治すのにも効果的)、メンタルヘルスへの利点はもはやいうまでもない。毎日歩くなら、体重を落とすことだってできる。もし、健康的に痩せることがあなたの目標の一つなのだとしたら、あなたは今、適切な選択肢をとろうとしている。
毎月約2,400人もの人が、体重を落とすためのウォーキングのコツについてGoogle検索しているとか。このことからも、体重を落とすためのウォーキングに関する疑問は一般的であることと、多くの人が、効果を最大に発揮するために、専門家によるサポートや指導を必要としていることが読み取れる。
そこで今回は、減量するためのウォーキングについて知っておくべきことを、パーソナルトレーナーのサム・マッゴーワンが詳しく解説してくれる。初心者向けに考案された減量するための4週間のウォーキングプランと、ウォーキングに関する疑問は、この記事を読めばすべて理解できるはず。さっそくイギリス版ウィメンズヘルスから読み進めていこう!
ウォーキングは、ダイエットに効果がある?
HIITホームワークアウトなど、激しい運動をあまりしたくない人にとっては朗報。このようなハードなトレーニングだけが、体脂肪を減らす唯一の選択肢じゃない。ウォーキングこそ、体重を健康的に減らすために相応しい選択肢なのだそう。
「ウォーキングは、減量するために体を動かす素晴らしい手段です。すべては、エネルギーのバランスがカギとなります。つまり、摂取するエネルギー(カロリー)より多く消費する必要があるということです」と、マッゴーワン。
「ここで、かなりシンプルな考え方を紹介します」 と、マッゴーワンは続ける。「体重を減らしたければ、カロリーを不足させる必要があります。これは、食べているカロリーよりも多くのカロリーを消費することを意味しています」
ウォーキングのように、継続して行える身体活動を通して1日の運動量を増やすことは、1日の消費カロリーを増やすための素晴らしい手段になる。
どんな運動であれ1日の消費カロリーを増やすのに役立つけれど(なかには、より短時間で増やせるものもある)、ウォーキングは、多くの人にとって気軽に始められる最適な出発点。標準以上の運動能力や体力が要求されるわけでもなく、体への負担も少ない。特定の器具を準備する必要もない。強いていうなら、よいウォーキングシューズくらい。
体重を落とすためにウォーキングを始める8つのメリット
・無料でできる
・体への負担が少ない
・どこででもできる
・集団でも一人でもできる
・ニューメキシコ・ハイランズ大学の研究によると、脳機能が向上する
・アメリカ心臓協会によると、ランニングと同様に、心臓の健康を改善する(高血圧や高コレステロール、糖尿病のリスクが下がると考えよう)
・精神的健康にもよい。ミシガン大学ヘルスシステムは、自然の中を歩くことと、メンタルヘルスの向上を紐づけている
・イースト・アングリア大学の研究によると、さまざまな病気(脳卒中、冠動脈疾患、うつ病、そのほかの命を脅かす疾患)のリスクが低下する
ウォーキングで体重を減らす6つのコツ
ウォーキングで体重は減らせる。ただし、ウォーキングで怪我するリスクを回避するために、ウォーキングを開始する前に知っておくべきことがいくつかある。身体へ負担が少ない運動ではあるものの、正しく行う必要があることだけは、知っておこう。
1. 胸を張って歩く
腰から胴体を持ち上げ、身体がピンっと伸びていることを確認する。これにより、前屈みになって重々しい足取りで歩くのを防ぐことができる。このような歩き方は、ダイエットの妨げにもなるので注意しておこう。
「よい姿勢でいると深く息を吸うことができるので、体幹の筋肉だけでなく、脚や大臀筋も同時に鍛えられ、より強力なウォーキングを実現することができます」と話すのは、フィットネスアプリ「Freeletics」のトレーニングスペシャリストであるデビッド・ウィーン。
2. 視線は上に向ける
頭の重さは大体4.5kgくらい。体重を落とすために歩くなら、地面を見つめて身体を引きずることのないように。視線を前方に向け、首と背骨で頭をしっかりと支え、全体のバランスがとれた状態をキープしながら歩こう。
3. 歩幅は小さく歩く
体をまっすぐに伸ばした状態でいると、足が体の真下で着地できるようになり、軽快に歩くことができる。
「歩幅を大きくして歩くと関節に余計な圧力がかかり、怪我をする原因にもなります。ダイエットの進行を妨げることのないように、歩幅は大きくなりすぎないように注意してください」と、ウィーナー。
4. 腕を振る
肘を90度に曲げ、手首と手が緩んだり硬直したりしないようにし、体の横で腕を少し前後に動かしながら歩こう。
「力強く腕を動かしながら歩くと、そうでないときより5〜10%も多くのカロリーを消費することができます。また、腕を振ることにより歩くスピードが増すので、多くのカロリーを燃焼することになります」と、ウィーナー。これは、ウォーキングで体重を落とすための有力なコツの一つなのだそう。
5. コントロールする術を身に付ける
普段よりもゆっくり歩く練習をすることで、足取りが軽いか重いか、首や背骨に頭がちゃんと支えられているか、腕や肩、背中に不必要な緊張を感じていないかなどに、意識を向けやすくなる。このような身体への配慮が自然とできるようになれば、体重を減らすウォーキングの効果をさらに上げることになる。
6. フットストライク(足部接地)のテクニックを磨く
「まずは踵から着地します。そして、踵から重心をスムーズにつま先へと移動させ、つま先で地面を押し上げてから、再び踵で着地するように歩きます」と、ウィーナー。
これは、ウォーキングで体重を落とすプランを妨げる「怪我」を防ぐための正しい歩き方。
体重を落とすための4週間のウォーキングプラン
このプランは、とくに体重を落としたいウォーキング初心者のためにマッゴーワンが設計したもの。とはいえ、ウォーキングのスタミナをつけるのに非常に有効であるため、減量に関係なく、毎日の歩数を増やしたいと思っている人にも実践してみてほしい。それに、歩く歩数を増やすのが目標なのだとしたら、プランを持っていたほうが達成しやすい。
ここで、面白い事実がある。1万歩歩くには、約1時間45分のウォーキングが必要になる。でもマッゴーワンいわく、あなたがウォーキングを定期的に継続できるのであれば、30分歩くだけでも体重は落とせるという。
このプランを実践する最大の利点は、体重を減らすためにどれくらい歩けばいいのかを自分で考える必要がないことだとマッゴーワンは強調している。次のプランに従い、1カ月間のウォーキングで最高の気分で毎日を過ごせる自分に生まれ変わろう!
第1週目
月曜日 : ウォーキング10分 x 3(ゆったりとしたペースで歩く)
火曜日 : ウォーキング30分(早歩き)
水曜日 : ウォーキング30分(ゆったりとしたペースで歩く)+ 筋力トレーニング
木曜日 : ウォーキング30分(ゆったりとしたペースで歩く)+ 筋力トレーニング
金曜日 : ウォーキング30分(早歩き)+ 好きな運動
土曜日 : ウォーキング30分 x 2(ゆったりとしたペースで歩く)
日曜日 : ウォーキング60分(早歩き)
第2週目
月曜日 : ウォーキング20分 x 3(ゆったりとしたペースで歩く)
火曜日 : ウォーキング30分(早歩き)+ ウォーキング15分(ゆったりとしたペースで歩く)×1
水曜日 : ウォーキング35分(ゆったりとしたペースで歩く)+ 筋力トレーニング
木曜日 : ウォーキング35分(ゆったりとしたペースで歩く)+ 筋力トレーニング
金曜日 : ウォーキング30分(早歩き) + 好きなワークアウト
土曜日 : ウォーキング40分 x 2(ゆったりとしたペースで歩く)
日曜日 : ウォーキング75分(早歩き)
第3週目
月曜日 : ウォーキング15分 x 4(ゆったりとしたペースで歩く)
火曜日 : ウォーキング30分(早歩き) + ウォーキング30分(ゆったりとしたペースで歩く)
水曜日 : ウォーキング40分(ゆったりとしたペースで歩く) + 筋力トレーニング
木曜日 : ウォーキング40分(ゆったりとしたペースで歩く) + 筋力トレーニング
金曜日 : ウォーキング30分(早歩き) + 好きなワークアウト
土曜日 : ウォーキング45分 x 2(ゆったりとしたペースで歩く)
日曜日 : ウォーキング90分(早歩き)
第4週目
月曜日 : ウォーキング20分 x 4(ゆったりとしたペースで歩く)
火曜日 : ウォーキング40分(早歩き) + ウォーキング30分(ゆったりとしたペースで歩く)
水曜日 : ウォーキング30分 x 2(早歩き) + 筋力トレーニング
木曜日 : ウォーキング30分 x 2(早歩き) + 筋力トレーニング
金曜日 : ウォーキング30分(早歩き) + 好きなワークアウト
土曜日 : ウォーキング60分 x 2(ゆったりとしたペースで歩く)
日曜日 : ウォーキング105分(早歩き)
用語の説明
ゆったりとしたペースで歩く:そぞろ歩きから1ステップ上げたものだと考えて。息を切らすこともなく、会話を続けられるくらいのペースをイメージするといい。
早歩き:「よりワークアウト感覚で、スピードを上げて歩きましょう」と、マッゴーワン。目的を持って歩き、心拍数を上げることを目標に。
体重を減らしたければ、ウォーキング以外にも、ほかのトレーニングをする必要はある?
それは、あなたがいつまでに目標を達成したいかによる。ほんの少しの動きでも、十分効果がある。筋力トレーニングでは、筋肉量が増えたり(筋肉が増えることによって、安静時のエネルギー消費量が増加する)、骨や関節を強くするなどの別の効果が得られる。
ウォーキング以外やりたくなければ、それはそれで問題はない。その代わりに、毎日の体を動かす量を増やすように日々心がけていこう(休息をとって定期的に足を伸ばしたり、電話をしながら歩いたり、立って仕事をするなど)
ウォーキング以外でもトレーニングを盛り込みたい場合は、20分から45分ほどのセッションであればなんでもOK。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: KIRSTI BUICK AND BRIDIE WILKINS Translation : Yukie Kawabata