1.5km歩くのにかかる時間が知りたいということは、それだけ歩こうとしている証拠。ウォーキングをはじめとするLISS(一定の負荷で行う低強度の運動)は、いろいろな意味で重要。思考が明晰になり、体重管理が楽になるのは、そのメリットの一部にすぎない。

そこで今回は、1日1.5kmを歩くために知っておくべきすべてのことをまとめてみた。所要時間と定期的に歩くことのメリットと併せて、オススメのウォーキングチャレンジもチェックしよう。今回はこの内容をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。

1.5kmのウォーキングはLISS

1.5kmのウォーキングは負荷を一定にした低強度の運動(LISS)で、一定ペースで行う水泳やサイクリングと同じカテゴリーに入る。ウォーキングは関節にやさしく、器具も要らない最高のエクササイズ。お金がかかることも少ないし、かかったとしても少額で済む。

英バース大学の論文によると、LISSはHIIT(高強度インターバルトレーニング)と同じくらい脂肪燃焼に効果的。ただし、HIITよりゆっくりなので所要時間は長くなる。

定期的なウォーキングの6つのメリット

定期的に歩いていると、脳から心臓、ホルモン反応まで、心身のありとあらゆる部分によいことがある。ここでは、その代表的なメリットを6つ紹介したい。

1.インスリンに対する体の反応が良くなって、体脂肪が減りやすくなる。
2.運動量が増えるので、スタミナがつく。
3.米ニューメキシコ・ハイランズ大学の論文によれば、ウォーキングをすると、足から動脈を通って脳に送られる血液の量が増えるため、脳力が向上する。
4.高血圧、高コレステロール血症、糖尿病といった心疾患のリスクが低下する。
5.メンタルヘルスの状態が改善する。米ミシガン大学ヘルスシステムによると、自然の中を歩くと考え方がポジティブになる。
6.脳卒中、うつ病、冠動脈性心疾患といった命取りになるような疾患のリスクが低下する。

「一定ペースのウォーキングを定期的に行うと、一時的に脳を休ませてあげられます。また、ストレスが解消されて自尊心が向上し、気分も安定してきます」と説明するのは、マインドフルネスエキスパートのダニ・ビニントン。

「ウォーキングはクリエイティブな思考を促すことも証明されています」。米国心理学会が2014年に発表した研究結果は、ウォーキングで参加者の思考がより自由になって、問題解決が促進されたことを示している。

1.5kmを歩くのにかかる時間

大きな疾患のない健康的な体重の女性が1.5km歩くのにかかる時間は、平均14~21分。

でも、これには年齢が関係するので、20~28歳の女性であれば14~15分40~49歳の女性であれば15~16分が“ノーマル”と思っておこう。

加齢によって歩くペースが落ちるのは自然なこと。科学専門誌『PLOS ONE』掲載の論文によると、歩くペースは1年で平均0.0037メートル/秒ずつ落ちていく。つまり、歩くペースは20~60歳の40年間で1.2分遅くなるということ。

3kmを歩くのにかかる時間

単純に計算して1.5kmの約2倍。コーヒーを買ったり靴紐を直したりしたときや、スタミナがつくまでの間は疲れて1~2分長くなるかも。

目安は28~42分。現在のタイムを計り、そこから徐々に上げていこう。

1.5kmのウォーキングで消費されるカロリー量

ウォーキングで消費されるカロリー量は、歩くペース、現在の体重、フィットネスレベル、歩く場所(平坦な道か坂道、そのミックスか)といった要素で変わる。

でも、米ハーバードヘルスのガイドラインを参照すれば、おおまかな消費カロリーが算出できる。

・体重が54.4kgの人は1.5kmで最大65kcalを消費する
・体重が72.6kgの人は1.5kmで最大105kcalを消費する
・体重が81.6kgの人は1.5kmで最大115kcalを消費する

この数字をもとに計算すると、1週間で455~700kcalを消費することになる。

1日1.5kmのウォーキングを習慣にする方法

1日1.5kmのウォーキングを習慣にするのは、それほど大変なことじゃない。むしろ、次の4つの方法でウォーキングを続けていれば、いつの間にか歩くのが毎日の楽しみになっているかも。

1.いつもより20分早く目覚ましをかける(光目覚まし時計ならさらによし)。スポーツウェアにパパッと着替え、時間を決めて近所を歩く。ちゃんとした身支度はウォーキングを終えてから。
2.ランチタイムの一部をウォーキングに充てる。食べる前でも食べたあとでもOK。
3.ジムまでは車やバスを使わずに歩く(距離が短ければ帰りも歩く)。
4.日中が忙しいなら、夕食後に20分のウォーキングを。頭が仕事モードからプライベートモードに切り替わり、夜をリラックスした気分で過ごせるように。

ウォーキングの進捗をはかるには?

最初のうちは、以下のチャートを参考に自分の年齢の平均ペースで歩けばいい。平均では物足りないと思うかもしれないけれど、スタミナがついてくれば自然とペースも上がるはず。

ウォーキングマシンではなく平坦な外の道を歩いて、毎週進捗を確認しよう。

素晴らしい

20~29歳:<13分12秒
30~39歳:<13分42秒
40~49歳:<14分12秒
50~59歳:<14分42秒
60~69歳:<15分06秒
70歳以上:<18分18秒

良い

20~29歳:13分12秒~14分06秒
30~39歳:13分42秒~14分36秒
40~49歳:14分12秒~15分06秒
50~59歳:14分42秒~15分36秒
60~69歳:15分06秒~16分18秒
70歳以上:18分18秒~20分00秒

平均

20~29歳:14分07秒~15分06秒
30~39歳:14分37秒~15分36秒
40~49歳:15分07秒~16分06秒
50~59歳:15分37秒~17分00秒
60~69歳:16分19秒~17分30秒
70歳以上:20分01秒~21分48秒

まあまあ

20~29歳:15分07秒~16分30秒
30~39歳:15分37秒~17分00秒
40~49歳:16分07秒~17分30秒
50~59歳:17分01秒~18分06秒
60~69歳:17分31秒~19分12秒
70歳以上:21分49秒~24分06秒

いまいち

20~29歳:>16分30秒
30~39歳:>17分00秒
40~49歳:>17分30秒
50~59歳:>18分06秒
60~69歳:>19分12秒
70歳以上:>24分06秒

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Morgan Fargo and Tahmina Begum Translation: Ai Igamoto