プロテインがまずいなんていつの話?
そう言いたくなるくらいプロテインの味はこの数年で飛躍的に美味しくなり、老若男女問わず好まれるフレーバーも登場した。
定番のチョコやストロベリーだけでなく、オレンジやレモンの柑橘系、コーラやラムネの清涼飲料風味まで幅広い。
以前のプロテインであれば水で溶かすとまずい、溶けにくいのが当たり前だったが、今では水で簡単に溶けて、さらには十分に美味しいものばかり。
価格もリーズナブルになり、運動初心者でも購入しやすくなった。情報もどんどん増え、トレーニングをしない人でも、美容や健康に気を使い手軽に飲めるように。
トレーニングに励む学生時代、プロテインは鼻をつまんで必死に飲んでいたというパーソナルトレーナーの林 健太さんは、プロテイン愛飲歴も長く、どうしたら美味しく飲めるのか、試行錯誤を繰り返してきたという。
今回は、その中でもとくに美味しく飲めて、トレーニング後に相乗効果をもたらせてくれる組み合わせを紹介してくれた。
プロテインの美味しい飲み方①果汁100%ジュース
「昔のプロテインには味もなく、甘みもなかったので色々なジュースに混ぜてよく飲んでいました。その中でもやはり果汁100%ジュースは美味しい上に体にも優しく、枯渇したエネルギーをしっかりと補給でるのでよく使っています。特に生のパイナップルジュースには、ブロメラインというたんぱく質消化酵素が含まれています。消化が早くなるということは筋肉にも栄養が早く行き渡るのでおすすめです」
糖質は太りやすいといったイメージが先行し、運動前後にも糖質や炭水化物を摂らない人も多い。しかし、十分なエネルギーを蓄えていないとせっかく筋肉の栄養になるはずのプロテインがエネルギー源に。
筋肉を合成させるための筋トレのはずが、筋肉を分解するトレーニングになってしまうなんてことも。
果糖はゆっくりと吸収されるため、インシュリンの分泌も少ない。すなわち体脂肪も貯めにくいエネルギー源となるので運動後には最適だ。
時間をかけて吸収されるということは、長時間エネルギーを供給してくれる。運動後の仕事や勉強の集中力が切れやすかったという方は、トレーニング後のプロテインを果汁100%ジュースで割って飲んでみて。
プロテインの美味しい飲み方②スポーツドリンク
こちらは意外な組み合わせだが、甘みが強いためノンフレーバーのプロテインでも美味しく飲めるという。
「フルーツなどの果糖と違い、清涼飲料に含まれる砂糖は吸収も早く血糖値を素早く上げてくれます。枯渇したエネルギー源を素早く満タンにして、その後に飲むプロテインをしっかりと筋肉のための栄養にするには最適です。また、トレーニングでの筋分解も早く抑えることができるので、筋量アップを目指す方にはおすすめです」
特に激しいトレーニングや瞬発系種目で使われる速筋繊維(白筋)を多く使う場合には、より糖質の消費が多いので相乗効果も高い。
熱心にトレーニングに励んでいるのになかなか効果が出ない、筋肉が付かないという方は、そもそもエネルギーが足りていないのかもしれない。
体作りのための材料や栄養をしっかりと摂ることで、今まで以上にスムーズにボディメイクが進ことは間違いない。
ただし、吸収がいい糖質はインシュリンの分泌も促進するので、体脂肪を溜めやすい。その点は注意しながら自身のトレーニングに適した量やタイミングを見つけて色々な糖質とうまく付き合っていこう。
プロテインの美味しい飲み方③豆乳&水ミックス
女性に人気の豆乳割り。牛乳が苦手な方は既に試した方も多いかもしれない。
なかでも林さんは豆乳と水を1:1で割るのがおすすめだそう。
「豆乳は牛乳と比べると粘性があるので、どうしてもプロテインの溶け残りや溶けにくさが気になります。今でこそそんなに溶けにくいものはありませんが、水も加えることで飲み口もさらさらとして、飲みやすさも格段にアップします」
豆乳を用いるメリットとしては植物性たんぱく質も一緒に摂れる点だ。
多くの人が飲むのがホエイプロテイン。これは乳たんぱくがメインなので、大豆たんぱくとは吸収率が変わってくる。
ホエイは吸収がスムーズである一方、ソイは緩やかに吸収される。
トレーニング直後に最適なホエイをしっかりと摂り、時間差で吸収されるソイで割る。まさにタイムリリース型プロテインが手軽に作れてしまう。
また、満腹感も持続しやすいので、トレーニング後にプロテインを飲んでから食事まで時間がある、忙しくて食事が摂れない可能性のある方にはおすすめだ。
プロテインを牛乳に溶かして飲むという方も多いかもしれないが、今ではたんぱく質以外の成分をほぼ取り除き、乳糖不耐症の方でも飲めるWPI(ホエイプロテインアイソレート)も発売されている。
少しでも体に優しいものをと高品質なプロテインを選ぶ人もいるはずだが、せっかく取り除かれた乳糖を、わざわざ牛乳で割って追加で摂る必要はない。
少し前までは牛乳で割ることが多かった林さんも、遅発性フードアレルギー検査をしてからはやめたそう。
「様々な見解がある検査ですが、僕は牛乳が高い反応を示したので、それ以降牛乳で割ることはなくなりました。そもそも水で割っても十分美味しいプロテインが発売されたので、プロテインはたんぱく質だけをしっかり摂るものとして、コスト面でも栄養面でも手軽に手に入る水を一番よく利用します」
製品だけでなく、飲み方もどんどん進化していくであろうプロテイン。
お気に入りの割り方や運動や生活サイクルに合わせた飲み方で、もっと活用してみてはいかが?
幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/