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運動に栄養士おすすめの食べ物をプラスして効果倍増!プロテインばかりに頼るのはNG

「ダイエットしたいから糖質オフで運動」「プロテインを飲んでるから食事はテキトー」はNG! 有酸素運動と筋トレは必要とする栄養素が異なる!

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プロテインばかりに頼らないで!運動+この食べ物で美しくボディメイク&美肌づくり
piotr_malczyk//Getty Images

ボディメイクや健康維持のために、スポーツジムに通ったり、ヨガやピラティス、ランニングなどをしている人、必見! せっかくトレーニングをしても思うような効果が出ていないのは、もしかしたら食事やサプリのせいかもしれない。管理栄養士の篠原絵里佳さんが、運動をする人が摂るべき食事の量や内容を解説。多くの人が信じているアノ間違った説も正します。

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摂取エネルギー不足で運動を続けると、こんな悲劇が!

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kazuma seki//Getty Images

1日の消費エネルギー=1日の摂取エネルギー(カロリー)。当然のことだが、運動すると消費するエネルギー量が増えるため、必要となるエネルギーも増える。

摂取するカロリーを増やさずに運動を続けるとエネルギー不足になり、エネルギーを消費せずに溜め込むようになる。少ないエネルギーでも生きていけるよう、筋肉量を減らして、代謝を落とすことに。代謝が落ちると、ちょっと食べただけでも太りやすくなってしまう。また、疲れやすくなったり、疲れが取れにくかったり、貧血や肌荒れを起こしたりと、エネルギー不足で不調を招く結果に。女性の場合は、エネルギー不足が続くと、無月経を招く一因になる。摂るべき食事の量や栄養素は後半でチェックして。

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「ダイエットしたいから糖質オフで運動」はNG

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kuppa_rock//Getty Images

炭水化物(糖質)が無ければ、脂肪を減らすことはできません!

炭水化物(糖質)は健康的な生活を送る上でも、ダイエット中でも、運動をする人にとっても、とても重要な栄養素。なぜなら炭水化物(主食)が不足すると、たんぱく質が働くことができなくなり、筋肉量が低下したり、貧血や肌荒れ、免疫力も低下し、風邪をひきやすくなるなど、さまざまな不調を招きやすくなる。体脂肪を燃焼させるためにも炭水化物(糖質)が必要。

炭水化物オフは、どんなに運動をして、たんぱく質(プロテイン)を摂っていても、筋肉が付かず、むしろ減ってしまうことにもなる。

ちなみに、ご飯やパンなどの穀類やフルーツは、糖質だけでなく、たんぱく質やビタミン・ミネラル、食物繊維なども一緒に含んでいる食品のため、良質な糖質。甘い飲料や菓子類などは、甘いだけの食べ物のため、太りやすい。心の栄養として、少量に留めることが大切。

※炭水化物とは、糖質+食物繊維のこと。

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「プロテイン*さえ飲んでいれば大丈夫!」はNG

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Starcevic//Getty Images

なぜ運動する人は、していない人よりも多くたんぱく質を必要とするのか。運動をすることで、筋肉が分解され、分解された筋肉を修復するために、筋肉の材料となるたんぱく質を摂取する必要がある。修復するときは、筋肉のたんぱく質量が運動する前より増えるため、その分、たんぱく質も多く必要となる。また、エネルギーやたんぱく質を利用するときには、糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も必要となるため、たんぱく質だけ摂ればよいというわけではないことも覚えておいてほしい。

食事で必要なたんぱく質が不足している分をプロテインのサプリメントで補うという摂り方が正解。必要な量をすべてサプリメントで摂ろうとするのはやめたほうがよい。実は、サプリメントはどの程度、体に吸収されるかがまだよくわかっていないというのが現状。また、添加物が多いため、品質の良いものを取り入れるようにしたい。

栄養素は摂れば摂るほど良い、というものではなく、摂り過ぎによる健康障害を招くこともある。たんぱく質を摂りすぎると、体脂肪増加や、肝臓や腎臓の働きが悪化する一因となる。腎臓は機能が低下すると、良くなることはなく、悪化の一途をたどることになるため、プロテインサプリをとり入れるときは、注意が必要だ。

※プロテインとはたんぱく質の意味(英語protein)だが、たんぱく質を豊富に含んだサプリメント商品(栄養補助食品)を一般的にはよぶ。

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運動している人とそうでない人、食事の共通点と異なる点

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bit245//Getty Images

共通点は多彩な食材を取り入れて、1日3食、バランス良く食べること。

相違点は、運動をしていない人は「食べ過ぎないこと」が重視されるが、運動をしている人*は「不足しないこと」が大切になる。

※ウォーキングやランニング、ヨガ、ピラティス、トレーニング、ジョギング、水泳等の健康維持やボディメイク、ダイエットなどのために運動をとり入れている人。

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運動する人は一般人の必要量をまずは摂取すること

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yumehana//Getty Images

さまざまな栄養素が運動をしていない一般の人よりも多く必要になるが、まずは一般の人の量を知り、最低量として、その量を食べるように心がけることが大切。

①主食:ご飯・パン・麺・シリアルなど

②主菜:肉・魚・卵・大豆製品

③副菜:野菜・海藻・きのこ・芋・豆(大豆以外)

の3種類のお皿を、毎食、揃えて食べることでバランス良い食事になる。

量は、1食の目安が、主食は、両手のひらに乗る位(例:おにぎり2個分)、主菜は片手のひらに1つ分以上(例:焼き魚、豚生姜焼き、ステーキなど、100~120g程度)、副菜は片手のひらに乗る小鉢を2皿位(例:お浸し+具だくさんの汁物)。それに加えて、毎日、果物と牛乳・乳製品を1日2回程度、食べることで、栄養のバランスが整う。

たとえば、ご飯+焼き鮭+ほうれん草のお浸し、や、トースト+目玉焼き+ミネストローネ、といった組み合わせ。お皿が分かれていなくてもOK。カレーライスだと、ご飯+豚肉+人参・玉ねぎ・じゃがいもと3種類すべて揃っている。牛丼の場合は、ご飯+牛肉のため、けんちん汁をプラスすることで3種類そろえることができる。

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1日3食! 朝食は抜かない

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毎食、バランス良く、量も適量を食べていたとしても、1日2食では、エネルギーをはじめ、さまざまな栄養素が不足してしまう。また、食べ溜めができない栄養素もあるため、1日3食、食べることが大切。特に、朝食は大切。運動をして、食事もしっかり食べていても、朝食を食べていないと筋肉量が減るという報告もある。

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たんぱく質の効果的な摂取方法

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Alexander Spatari//Getty Images

たんぱく質は、毎食、手のひら大の主菜1皿~1.5皿を目安に、毎日、乳製品を1日2回程度、毎食主食(穀類にもたんぱく質が含まれる)をとり入れることで、必要量を摂ることが出来る。たんぱく質は、食べ溜めができない栄養素。朝食でたんぱく質を摂っていないと、昼や夕食でたんぱく質も適量摂っていても、筋肉は増えにくく、減りやすいという報告も多数あるため、3食、同じくらいの量のたんぱく質を食べることも大切。間食に豆乳やソイラテ、カフェラテを飲んだり、ヨーグルトを食べるなどして、こまめにとり入れるのもおすすめ。

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有酸素運動と筋トレは必要とする栄養素も違う

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South_agency//Getty Images

運動にはウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクス、水泳など、長時間継続して行う、主に体脂肪の燃焼効果が期待できる有酸素運動と、筋肉に負荷をかける動きを繰り返す、主に筋肉量増加、筋力向上の効果が期待されているレジスタンス運動(筋トレ)がある。

有酸素運動は消費エネルギー量が多くなるため、エネルギーを確保したい。ご飯やパン、麺などの主食や果物など、炭水化物を不足しないように食べることが大切。運動前後に捕食としてこれらのものを食べるのもお勧め。

レジスタントトレーニング(筋トレ)は、筋肉の材料となるたんぱく質を不足しないように食べることが大切。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品等。ビタミンCは筋繊維と筋繊維の接着剤のような役割になるため、怪我をしにくい質の良い筋肉づくりに欠かせない。

また、どちらの運動にも、ビタミンB群や鉄、亜鉛等のビタミン・ミネラルが必要。

有酸素運動は、特に鉄・亜鉛・ビタミンB1・B2を、レジスタントトレーニングは、ビタミンB6・鉄・亜鉛を意識してとり入れたい。

ビタミンB1:赤身肉(特にレバー、豚ヒレ肉)、うなぎ、豆類、胚芽米

ビタミンB2:青魚、納豆、牛乳・乳製品、(肉や魚に多い)

ビタミンB6:鮭、カツオ、マグロなどの魚類、鶏肉、緑黄色野菜

鉄:赤身魚(牛ヒレや豚ヒレなど)、赤身魚(カツオ、マグロ、サバ、アジ等)、貝類

大豆製品、海藻類、青菜、卵

亜鉛:魚介類、肉類(特に牛肉)、チーズ

※上記の栄養素は、主菜や緑黄色野菜に豊富に含まれる。

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骨のために、運動+カルシウムやビタミンDを意識して摂る

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運動により骨に負荷がかかることで、骨密度を高めることに繋がる。そのためには、運動+カルシウムやビタミンDなどの栄養素も意識してとり入れる。

ビタミンC:果物、緑黄色野菜

カルシウム:牛乳・乳製品、骨ごと食べられる魚、海藻、大豆製品、青菜類

ビタミンD…カルシウムの吸収・利用に必要不可欠のため、とても重要:鮭、イワシ、サバ、アジ、しらす干し等、魚に豊富。しいたけや舞茸などのきのこ類。

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美肌のためにアウターケアのUVケアとインナーケアの食事を

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紫外線は1年中降り注いでいるため、日焼け止めでUVケアをすることが大切。特に屋外で運動をするときは、しっかりケアを。

インナーケアは、紫外線や運動量が増えると、活性酸素がたくさん発生するため、抗酸化成分を含む食品を意識してとり入れたい。緑黄色野菜・果物に豊富に含まれている。

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運動する人におすすめのメニュー

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運動する人が摂り入れたい栄養素や食品を組み合わせたおすすめの料理をご紹介。

●豚の生姜焼き:筋肉アップ、疲労回復

 豚肉…たんぱく質、鉄、ビタミンB1/玉ねぎ…アリシンがビタミンB1の吸収をアップ

●親子丼筋肉量アップ、貧血予防

 鶏肉…たんぱく質、ビタミンB6/卵…たんぱく質、鉄/ご飯…糖質

●牛ヒレステーキ:貧血予防、筋肉アップ、持久力アップ

 牛ヒレ…たんぱく質、鉄、亜鉛

●鮭ときのこのホイル焼き:筋肉アップ、骨粗鬆症予防、美肌

 鮭…たんぱく質、ビタミンD、ビタミンB6、アスタキサンチン(抗酸化成分)/きのこ…ビタミンD

●クラムチャウダー:貧血予防、持久力アップ、筋力アップ、骨粗鬆症予防

 あさり…たんぱく質、鉄、亜鉛/牛乳…たんぱく質、ビタミンB2、カルシウム

●マグロ納豆丼:筋肉アップ、貧血予防、疲労回復

 マグロ…たんぱく質、鉄、ビタミンB6/納豆…たんぱく質、鉄、カルシウム、ビタミンB2/ご飯…糖質

●サンマの塩焼き+大根おろし:骨粗鬆症、筋肉アップ、疲労回復

 サンマ…たんぱく質、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンD、鉄、亜鉛/大根…ビタミンC

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運動+この食べ物で美しくボディメイク&美肌づくり

運動+この食べ物で美しくボディメイク&美肌づくり

日本抗加齢医学会認定指導士、睡眠改善インストラクター、上級睡眠健康指導士、野菜ソムリエプロ。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験から、体の中から健康に美しくなる生活習慣を見出し、わかりやすく発信することを得意とする。また、働く女性の健康支援に注力し、フィーカレディースクリニックにて、栄養相談・睡眠相談を担当。

マラソンランナーとして、また日本アスリートフード協会認定講師として、運動をする方の心と体をサポートするための食事や睡眠の提案や、婦人科の女性アスリート外来ではスポーツドクターと共に女性アスリートのサポートも行っている。ericashinohara.com

Headshot of Noriko Saeki
Noriko Saeki
Content Hub General Manager

 男女雇用機会均等法施行の年に新卒で、婦人画報社に入社。婦人画報編集部ではカルチャー担当、わら半紙の原稿用紙に鉛筆で記事を書く時代を経て、アシェット婦人画報社となりエル・オンラインに異動。ビューティ&ウエルネスやグルメを担当、日中はカメラ片手に取材・撮影し、帰社後PCで記事を書きつつHTML言語を打ち込みWEBページを制作。ハースト婦人画報社では、婦人画報デジタルを担当しながら、当社メディアに配信するWEBやビデオコンテンツのチームマネージャーとなる。エディター歴37年、そういえば仕事が趣味かも。
 

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