いまや世界的な人気を獲得したピラティス。SNSでは人々がその魅力を語り、トップセレブたちも実践していることを公にしているが、ピラティスにはやはり、それだけ多くのメリット――姿勢や呼吸の改善、柔軟性の向上、体幹の強化など――があるのだ。

だが、「ピラティスで体重を減らせるのか?」ということを気にしている人も多いはず。実際のところ、ピラティスはダイエットに効果的なのだろうか?

もちろん、カロリーを消費できるため結果的には体重を落とすことにつながりうるが、ピラティスの魅力は減量に利点があることだけではない。

ピラティスインストラクターで登録栄養士のジャクリーン・ブレナンさんは、「ピラティスはセルフケアの一環と考えるべきです」「私たちはもっと背骨を動かし、関節の可動域を広げ、呼吸を改善する必要があります」と語る。

痩せるのに最適なピラティスはある?

専門家によると、減量に特化している特定のフォームはないという。「減量において、特定のピラティスがベストになるとは思いません」と説明するのは、登録栄養士でピラティストレーナーのギャビー・バーカウさん。

バーカウさんによると、「ピラティス」といえば、創始者であるジョセフ・H・ピラティス氏が生み出したエクササイズを受け継ぐ「ロマーナのピラティス(ピラティス氏の弟子であったロマーナ・クリザノウスカ氏が生み出したメソッド)」を指すことが多いという。

ピラティス氏が考案した「クラシカルピラティス」や、バーカウさんが習得した「ロマーナのピラティス」に特化しているスタジオもあるが、ピラティスからインスピレーションを得た動きを取り入れてはいるものの、正確な「クラシカルピラティス」を行っていないところもあるそう。また、マットの上で行うクラスもあれば、リフォーマー(ピラティス用のマシン)を使うクラスもあるとのこと。

side view of woman in gym using pilates reformer
Ashley Corbin-Teich//Getty Images

減量を見据えたレッスンを受けるにあたり、バーカウさんはピラティスのことを理解し、安全性を約束した上で挑戦させてくれるインストラクターを見つけてほしいと語る。「ダイエット目的でピラティスのクラスを受けるのであれば、ワークアウトにしたいですよね。ただゆっくりとストレッチをするだけではいけないはずです。消費カロリーを増やせなければ、減量で結果を出すことができませんから」

ピラティスで体を鍛えることはできる?

またバーカウさんによると、ピラティスでHIIT(高強度インターバルトレーニング)のように汗だくになることはないが、毎回のセッションで全身のワークアウトを行うという。

「ピラティスは体のコアをターゲットにしていますが、どのエクササイズも全身の筋肉を使います。すべての動きで、筋力や柔軟性、そして自分の体をコントロールするメンタルを鍛えるのです」とバーカウさんは言う。つまり、ピラティスで体を鍛えることは可能なのだ(ちなみに、汗を多くかいても消費カロリーが多いとは限らない)。

さらに、ピラティスをワークアウトとしてルーティンに取り入れ体を鍛え続ければ、怪我のリスクを減らすことができる、とブレナンさんは補足する。姿勢や柔軟性、可動域を改善することは、他の活動やワークアウトで成果を出すための基盤として機能させることにもつながる。

前述のとおりセレブにもピラティス信者は多く、ジェニファー・アニストンやケイト・ハドソン、コートニー・カーダシアンといった面々も、定期的に実践していることで知られる。

ブレナンさんは、「10年以上教えてきましたが、ピラティスをしっかり練習している生徒さんは、他のワークアウトをより効果的に行えるようになり、より早く結果を出せるということを学びました」と指摘。よりよい結果を得るためには、週に2〜4回ピラティスを行うことを推奨している。

pilate class
1001slide//Getty Images

ピラティスでお腹の脂肪を落とすことはできる?

ピラティスのレッスンを受けたことがある人なら、コアを鍛えるつらさを身をもって感じたはず(特に「ハンドレッド」の動きなどは、初心者にはかなりきついもの)。

狙った部分の脂肪を落とすことは難しいが、コアの筋肉を正しく動かす方法を学ぶことができる、とブレナンさんは説明する。「ピラティスでは、筋肉を正しく動かす方法を学ぶことで、体幹トレーニングを効果的にし、“引き締まったお腹”を手に入れることはできますよ」

しかし、お腹を引き締めるためには、筋肉を動かすだけでなく筋肉の上にある脂肪を落とさなければならない。そのためには、適切に栄養を摂ることが必要だとバーカウさんはアドバイス。フレッシュな食材を使って料理をし、加工食品やスナック菓子は控えめにしたほうがいいそう。

ピラティスでどのくらい体重を落とせる?

痩せるには、睡眠や生活習慣、食習慣など、さまざまな要素を考慮する必要があり、ピラティスで落とせる体重に正確な数字はない。大切なのは、体重計の数字を下げる以外に多くのメリットを得ることができるということ。

sporty young women with exercising rings in fitness studio
Bojan89//Getty Images

ストレス解消もそのひとつ。ブレナンさんが説明するように、多くの人は日常的に浅い呼吸をしがちだが、ピラティスは呼吸を整えることでより深い腹式呼吸を促すそう。「浅い呼吸は、“ストレスホルモン”と呼ばれるコルチゾール値の上昇を招き、体重増加の一因となります。ピラティスで呼吸法を身につけることで、コルチゾール値を下げ、結果的に減量につながるかもしれません」とブレナンさんは述べている。

バーカウさんも、「体と心の両方が元気になれば、自分の体を大切にする気持ちも芽生えるでしょう」とコメントしている。

ピラティスだけで体重を落とすことは決して簡単ではないしれないが、減量の目標を達成するための、重要なひとつのツールになることは間違いない。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

From Women's Health US

Headshot of Jessica Migala
Jessica Migala

Jessica Migala is a health writer specializing in general wellness, fitness, nutrition, and skincare, with work published in Women’s Health, Glamour, Health, Men’s Health, and more. She is based in the Chicago suburbs and is a mom to two little boys and rambunctious rescue pup.

Headshot of Ai Ono

 高校生時代にアメリカンカルチャーの影響を受け、大学在学時にアメリカ・シアトルにてホームステイを経験。海外ドラマに関するWEBメディアでライターを務める。海外エンタメ・セレブ、ロイヤルファミリー、ヘルス・ウェルネス記事をメインに、翻訳を担当。手話技能検定3級、世界遺産検定2級、アロマテラピー検定1級を持つ。