喉の痛みに熱、止まらない咳や鼻水。アーユルヴェーダで原因を読み解く。【アーユルヴェーダの健康法 第156回】
喉の痛みに熱、止まらない咳や鼻水。風邪といっても症状は人それぞれ。「人はみな体質が違う」と考えるアーユルヴェーダなら、その原因がすんなり分かるはず。そして薬に頼らないケア法で、セルフメンテナンスをしていきましょう。
アーユルヴェーダでは、ドーシャ別に、風邪には3つのタイプがあると考えます。
1.ヴァータ(風のエネルギー)タイプ
疲れや緊張が溜まり、体力と神経がすり減ったことが原因。乾いた咳が止まらず、関節が痛むタイプ。疲れからくる風邪です。
2. ピッタ(火のエネルギー)タイプ
目の使いすぎ、いつも以上に自分に仕事などを課して頑張りすぎたとき、また怒りが溜まって免疫が下がったことが原因。発熱・下痢・喉や鼻のなかが熱くなり、くしゃみなどが出るタイプ。
3. カパ(水のエネルギー)タイプ
主に食べすぎから体内に消化しきれない不純物が溜まることが原因。精神的な溜まり(我慢しすぎ、人を許せず恨み続ける)なども一因となります。鼻水、鼻詰まり、体や頭が重くなるタイプ。
風邪のセルフケア法
頑張りすぎ、疲れすぎ、溜め込み過ぎなどが原因の3種類の風邪タイプをご紹介しましたが、大切なのはこの「すぎ」が起きないようにすること。しっかりと体力を高め、本来持っているデトックス機能を回復させましょう。
栄養のあるものをたっぷり食べて……というアドバイスもありますが、風邪と闘う体力を消化に使ってしまうことになります。風邪は消化力や代謝力が下がって罹るもの。スープなど胃腸に負担のかからないものにしましょう。
風邪を引くと体が冷えて強ばってしまします。ホットタオルで顔や首を温め、鼻水の通りを良くして。入浴は湯冷めするリスクもあるので、足湯やホッカイロ、湯たんぽなどを使って身体を隅々まで温めましょう。首などもしっかりと保護をして。
太白ごま油などの無臭無色なごま油を、耳や足の裏に塗布しましょう。ごま油は身体を温める力があるだけでなく、ほぐして老廃物を出しやすくする効果も。できれば胸や頭などにも塗りたいのですが、風邪をひいている時に服を脱いだり、髪のケアは負担がかかるので、脱ぐ必要のない耳と足の裏だけでも塗り込んで。足の裏がしっとりと潤うと、眠りに入りやすくなりますよ。
休息は風邪を早く治すのに何よりも必要。胃腸をなるべく空っぽにし、身体を温め、ほぐしたらあとはぐっすりと眠りましょう。ラベンダー、ティーツリー、ゼラニウムなどのアロマの力を借りて、頭と鼻をすっきり&リラックスして。ホットタオルに数滴しみこませたり、ピローミストを活用してみて。
浄化効果のあるターメリックと、岩塩をひとつまみ。喉がヒリヒリと痛む時も沁みにくくなり、まろやかに感じます。こまめにうがいをして、喉の炎症を鎮めて。風邪はいろいろと頑張りすぎてきた体からのサイン。本来持っている治癒力とデトックス効果を高めるケアは、特別なものは必要ありません。お疲れさま、と自分に声をかけながらケアして、しっかりと休んでくださいね。
元コピーライター。南インドやスリランカを数度訪れた後アーユルヴェーダ・ライフスタイルアドバイザーの資格を取得。コスメブランド「ARYURIVST」やレシピとスパイスがセットになった「整えごはん」を立ち上げる。ARYURVISTから、毎日のクレンジングで角質ケアまで叶う“オイルピール クレンズ”新発売!
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