「気分が上がらないけど何が原因かわからない」「不安が頭から離れなくてストレスが溜まる」。心配しても仕方ないことを心配し過ぎてしまったり、過ぎたことをずっと引きずってしまうなんてことはない? 

なんとなく頭にある不安が原因で、今この瞬間を楽しめない無意識状態のことを「マインドレスネス」という。マインドレスネスが続くと、ストレスが溜まって大事なことに集中出来なくなってしまう危険があると言われている。

その逆の状態を「マインドフルネス」といい、今この瞬間を常に意識して、自分の感情や思考を冷静に観察している理想の心の状態である。

そこで近年注目されているのが、認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy; CBT)。日常生活上で起きている様々な困りごとを整理して自分の問題がどのような悪循環によって続いているのかをデータをもとに理解し、思考パターンや行動パターンを変えて実践し、ストレスに負けないマインドフルネスな状態を目指す取り組みだ。

今回は認知行動療法をもとに自分の思考や行動について手軽に記録できるアプリAwarefy(アウェイファイ)」をご紹介。実際にエディターYUMIもユーザーとしてアプリを3カ月使用してわかったことを記述する。

認知行動療法に基づいて感情を記録するアプリAwarefy

AwarefyはGooglePlayBestOf2022の大賞に選ばれた、認知行動療法をもとに分の今日のコンディションや感情の動きを記録して見える化するセルフモニタリング」のアプリである。朝晩のコンディションチェックや思考を記録する感情メモなどを使い、「調子の波を把握しながら自分らしく過ごしたい」「日常のさまざまなストレスに上手に対処したい」「もやもやした感情を吐き出して整理する場が欲しい」そんなときに使えるアプリだ。

認知行動療法をベースに早稲田大学人間科学学術院熊野宏昭研究室と共同研究を行い、メンタルケアに関する手法の検討や実証実験などを行っているという。アプリ内で搭載している各種機能には、カウンセリングを始めとする心理的支援の現場で活用されている認知行動療法(CBT)やアクセプタンス & コミットメント・セラピー(ACT)の手法が取り入れられており専門的だ。

また、アプリ内では「マインドフルネス瞑想」に取り組める音声ガイドや専門家が作成した心理学の知識を学ぶことができるワークなどコンテンツや機能が盛りだくさん。

エディターが3カ月使ってみて気づいた3つのこと

Awarefyの数多くの機能の中でYUMIが積極的に使用したのは、考えと感情パターンを見つけることができるという感情メモ」。この機能の使い方は、モヤモヤしたり不安になって、感情が動いたときに「できごと」「感じたこと」「考えたこと」を書き出していく。記録することで自分の考えや感情を整理することができるという。もちろんうれしかった出来事も記録して、日記のように出来事の振り返りが可能。

アウェイファイ

「できごと」「感情」「考え」に細分化して記録していく。感情は1~100までの数値の中から記録したい感情メモがどれくらいの数字になるかをデータとして記録できるため、一目でみてわかるのもうれしい。

感情メモ

一週間のうちそれぞれの「感情」がどれくらいあったかを、データ分析しグラフで可視化できる。

①文字化することで「不安な感情」からひとまず離れることができる

使いはじめは感情の記録を習慣化することが難しかったが1週間も続けると、不安なことがあるとすぐに書き出したくなるようになった。不安なことを文字化して吐き出すことで一度負の感情から離れることができ、良い状態で仕事に向かうことができるようになった。例えば始業前に心の中にあったモヤモヤした気持ちを仕事に持ち込まず集中できるようになった。

②自分を客観視するクセがついて、落ち込みにくくなった

記録し始めて1ヵ月経つ頃には、自分がどんなことに対して落ち込みやすいかわかってくるように。週間記録で過去のデータから感情の起伏が確認できるので、「仕事中タスクが重なってくると焦って感情的になりやすいな」「身体が疲れていると思考もマイナスになっているな」と心身のバランスを見ながら落ち込んでいる原因を発見することができる。「しっかり疲れを取るためにマッサージにいこう」などセルフメンタルケアをするための対策案も立てやすくなった。

③喜怒哀楽の感情を愛せるようになった

今まで喜怒哀楽をあまり人には見せるほうではなく、自分でもどんなことに対して怒ったりうれしくなったりするのか正直わからなかった。3カ月通して使ってみて、自分が思っていた以上に一日の中だけでも喜怒哀楽の感情があり、何気ないことでもエピソードになると感じた。

そして自分の嬉しい感情は誰かに共有したくなるもの。一緒に暮らしているシェアメイトに今まで「特になんもなかった一日だよ」と言っていた日でも「お昼のランチが美味しかった」「こんな面白い動画を見つけた」とうれしかった出来事を伝える日が増えた。

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Natalia Lebedinskaia//Getty Images

Awarefyで3カ月間記録したことで、自分の思考や行動について気づくことができた。今までと変わらない日常のなかでも、感情が動く出来事はいくつもあって些細な感情に気づくことができるようになった。それに、なんとなく心の中にあった不安に対して原因を紐解いてしっかり向き合ってみると、意外とすぐ解決できるようなことだったりする。そんな発見が楽しくて、続けていきたいと思った。

自分の感情がうまくコントロールできなかったり、心にもやもやした何かがなんとなくある人は一度ぜひ「感情メモ」を試してみてほしい。きっと心が少し軽くなるような発見があるはずだから。

awarefy公式サイト

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Yumi Kobayashi
エディター

 生活雑貨やコスメなどの記事編集の経験を積み、2023年5月から「ウィメンズヘルス」に参加。コスメやアロマテラピーの資格を持ち、正しい知識を伝えることを目標に日々勉強中。フードやサスティナブルな分野に興味があり、週2日のノーミートデーを実践するなど日常生活でのアウトプットを心掛けている。学生時代はラクロスとソフトテニスに没頭、今は漫画に影響されバスケにハマり中。休日はキャンプやフェス、山登りなどアウトドア派。