マインドフルネスという言葉を聞かない日はないほど、私たちの生活に「いまここに生きる」精神が浸透してきました。マインドフルネスを日本語で表すと「気づき」になります。これは、ティクナットハン師が仏教の「念」の概念を英語に訳したものです。念という漢字は今の下に心があります。「今ここ」に完全に心がある状態、いまここに完全に気づいている状態を意味します。

マインドフルネス瞑想は、「今ここ」に心を置き、呼吸に気づいた状態から始まります。そして、「今ここ」に心を静め、自分自身に気づく瞑想なのです。ティクナットハン師は、マインドフルネスつまり気づきは、自分の内側で眠っている種と表現しています。種に触れ、育んでいくことで気づきの力が養われていきます。

「知恵も洞察も人に授けることはできません。すでにその人の中に、その種子があるからです。よき師はその種に触れます。種は目覚め、芽吹き、育っていきます」
(ティクナットハン)



マインドフルネス瞑想のやり方

おすすめの場所:どこで行っても構いません

所用時間:5〜20分 

実践方法:リラックスした状態で座ります。あぐらや、正座、椅子に座ってもOKです。

手を膝にのせ、目は軽く閉じるか、伏し目で1mくらい先の床をぼんやり眺めます。

  1. まず呼吸を整えます
  2. そしてマインドフルネスの種に触れましょう
    まずは呼吸に気づきます
    入ってくる呼吸に気づきます
    出ていく呼吸に気づきます
  3. 他のことに考えが巡ってしまった時も悲観せず
    思いやりを持った意識で集中が途切れている自分に気づきましょう
  4. そしてもう一度マインドフルネスの種に触れます
    入ってくる呼吸に気づきます
    出ていく呼吸に気づきます
    しばらく呼吸に気づく実践を行います
  5. マインドフルネスな呼吸を続け自分自身に気づきます
  6. ゆっくりと目を開けます

気づきは、どこか特別な場所でしか体験できないわけではありません。自分の部屋、電車の中、コーヒーを入れている時間、食事中やお風呂の中、いつもと変わらない何気ない日常の中で、「今ここ」に意識を向ければ気づきが起こるのです。マインドフルネスの種は自分の内側にあります。

例えば星空を見ても、あなたの心が今ここになければ、何光年も先から届く美しい星の瞬きに心を震わせ、奇跡のような瞬間に気づくことができません。気づきがなければ、あなたは明日の心配や、過去のことにかき乱されて、今を味わうことができません。

気づきはあなたを完全にここに存在させてくれます。気づきのエネルギーは、人生を豊かにしてくれます。

マインドフルネスの祖と呼ばれた、ベトナムの僧侶であり平和・人権活動家のティクナットハン師が1月22日に逝去されました。深く哀悼の意を表すとともに、これからもマインドフルネス瞑想を実践していきたいと思います。

大地に触れる瞑想―マインドフルネスを生きるための46のメソッド

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Headshot of 佐々木依里
佐々木依里
瞑想家、マインドフルネス指導者、環境活動家、モデル

 瞑想家、マインドフルネス指導者、環境活動家、モデル
11歳から瞑想と環境活動に興味をもち独学やお寺で瞑想を始める。現在は瞑想会の開催やマインドフルネスの指導者として活動。
また環境省森里川海アンバサダーとして環境活動家としてプラスチック問題に取り組む。
心の平和=地球の平和を目指しインスタグラムで精力的に瞑想配信中。
インスタグラム:www.instagram.com/erisasakimeditationjourney/