春はすぐそこ。新緑の木々に囲まれて暖かい日差しを浴びながら、鼻水をすする日々がやってくる。

日が長くなって気温が上がると、なんとも惨めな花粉症の症状が現れる。そして、何年も花粉症に悩まされている人は市販の薬を片っ端から試してきたはず。

でも、もう少しナチュラルな治療法があったらいいと思わない? 例えばハチミツ。「花粉症の症状は、その地域のハチミツで和らぐ」というウワサも聞かない? その地域の花粉(あなたにとってのアレルゲン)に少しずつ体を慣らせば、最後には免疫がつくと言うけれど? これが事実なら、ドラッグストアで大金を使うよりずっといい。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳細を見ていこう。

花粉症の症状は、本当にハチミツで和らぐの?

残念ながら、答えはNO。アレルギー専門医で免疫学者のデイヴィッド・エルスタイン医学博士いわく、味は素晴らしいけれど、その地域の花粉を含むハチミツで花粉症の症状が改善するというのは都市伝説。

ハチミツには確かに花粉が含まれているけれど、その花粉がアレルギー症状を引き起こすタイプの花粉(空気によって拡散される草木や雑草の花粉)とは限らない。エルスタイン博士の話では、地元のハチミツでアレルギー症状が和らぐことを裏付ける確実な証拠もない。

さらに、米アレルギー・ぜんそくネットワークのスポークスパーソンを務めるアレルギー専門医で免疫学者のプルヴィ・パーリック医学博士によると、ハチミツに花粉症の症状を引き起こすタイプの花粉が含まれていたとしても、それが地元産の純粋なハチミツなのか、偽物のハチミツなのかは分からない。要するに、ハチミツで花粉症が治ることを期待しても無駄なだけ。

じゃあ、実際に効くものは?

まずは、あなたの症状と病歴をよく知る医師に相談し、あなたに合った治療法を紹介してもらうこと。

その上で、花粉飛散数が多いときは外で過ごす時間を減らし、帰宅後はすぐに着替えて、寝る前にシャワーを浴びれば、症状が緩和して生活の質が高くなる。

眠くならないタイプの抗ヒスタミン薬(ジルテックやアレグラ)とステロイド点鼻薬(フルナーゼやリノコート)などを使えば、症状がさらに和らぐ(大多数の医師によると、このような薬は花粉シーズンの数週間前から使い始めたほうがいい)。

エルスタイン博士によると、より持続性の高い治療法を探しているなら、アレルギー免疫療法でアレルゲンに対する体の反応を変えることも可能。この療法では、体がさらされるアレルゲンの量を段階的に増やすことで免疫をつけていく。

「環境アレルゲンに対する体の反応を変えたい人には、アレルギー免疫療法が一番です。この治療を受けた人の8割は効果を実感しています」とエルスタイン博士。「ただ、その効果が出るまでには長い時間がかかるので、大きな覚悟が要りますね」。一般的なアレルギー免疫療法では、最初の数カ月間は週1回、そのあとの3~5年は月1回のペースで注射を受ける。

結論

地元のハチミツで花粉症の症状が改善することはない。でも、市販の薬やアレルギー療法は本当に効果的。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Emilia Benton Translation: Ai Igamoto