オーストラリアでは、毎年アレルギー性鼻炎(花粉症)を経験している人の数が460万人を超える。春の訪れと共に現れるくしゃみや鼻水、目のかゆみといった刺激的な症状は、非常に厄介。花粉症に悩まされる人の多くは、症状から少しでも逃れるために抗ヒスタミン薬に頼り切っている。でも場合によっては、食事をほんのちょっと変えるだけで、症状を抑えることができるのだとか。オーストラリア版ウィメンズヘルスから見ていこう。

花粉症と腸の関係性を理解しよう!

多くの人は、花粉症と腸の関連性を理解してはいないし、免疫系の約70%が腸に存在していることも知らないでいる。

私たちの消化器系は免疫を支える重要な役割を果たしており、呼吸器系と協力して花粉やその他のアレルゲンといった外的刺激物を払い除ける働きをしている。このようなアレルゲンは、体内で炎症を起こし、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみ、涙目など、誰もが知っている花粉症の症状を引き起こす。

腸内細菌叢は、免疫系の調節と密接に関わっているため、腸の健康を維持していくことが不可欠になる。腸内環境が乱れていたり、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れていると、多くの場合免疫反応が損なわれてしまう。腸内の善玉菌には免疫反応を調整する働きがあるため、善玉菌が十分に存在していなければ、環境アレルゲンに対する過敏症や食物不耐性につながる恐れもある。

食事が花粉症に与える影響とは?

自然に発生する抗ヒスタミン物質が豊富な腸にやさしい食材を十分に取り入れた食事をすると、アレルギー症状を鎮めるのに役立つことが研究で示されている。これらの食品は、腸内の善玉菌の増殖を助ける食物繊維が多く含まれている傾向にあるため、アレルギーの発症リスクを軽減する効果も得られるという。このように、少しでも食生活を変えてみることで、免疫系を支え、体内の炎症を減少することもでき、この春の厄介な花粉症の症状を少なからず緩和できる可能性がある。

毎年花粉症に悩まされている人にオススメのトップ食材5選!

毎年花粉症でつらい思いをしているなら、この5つの食材をぜひ試してみて。これらの食品は、花粉症の医学的な治療法や対策に取って代われるものではないけれど、炎症やアレルギー反応を軽減するために食事に取り入れてみると、思いの外うれしい効果が得られるかもしれない。

赤いリンゴ

赤いリンゴには、花粉症と戦ってくれるケルセチンが含まれているので、花粉症時期に食べるといい食材のひとつ。ケルセチンには、ヒスタミンなどのアレルギー物質や炎症物質の生成と放出を抑える働きがある。おまけに赤いリンゴには、免疫系をサポートするのに必須栄養素であるビタミンCも含まれている。

パイナップル

pineapple is the best
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この甘酸っぱい果物には、抗炎症作用を持つタンパク質分解酵素「ブロメライン」が豊富に含まれているため、アレルギー対策に役立つ。動物のアレルギー性気道疾患の研究では、この特定の酵素がアレルギー反応とその感受性を低下させる性質を持っている可能性があると示されている。

食物繊維が多い食品

食物繊維には、アレルギー反応やアレルギーの発症リスクを減少させることを示す科学的根拠がある。豆類や野菜など食物繊維が多く含まれている食品や、小麦ふすま、サイリウムハスクなどの穀物には、善玉菌の繁殖を助け、食物繊維を発酵させて短鎖脂肪酸を産生するうえで有益だとか。短鎖脂肪酸は免疫応答調節に関わっており、花粉症を発症するリスクを減らしてくれるそう。

生姜

ginger root and powder
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生姜は、天然の優秀な抗ヒスタミン薬と考えられており、花粉症に伴う炎症を鎮める作用を持っている。使用用途が広い生姜なので、炒めものや焼き菓子、お茶など、さまざまな方法で気軽に食事に取り入れやすいのもメリットのひとつ。

サーモン

オメガ3脂肪酸を多く含むサーモンを食べると、免疫力が強化される。オメガ3脂肪酸には非常に高い抗炎症作用があるため、アレルギーによって引き起こる喘息が改善されたり、花粉症を発症する全体的なリスクを減らすのにも役立つという研究結果がある。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: WH STAFF Translation : Yukie Kawabata