ニュースでは国の分断や痛ましい事件、コロナの猛威が続いています。世界がバラバラになってしまうような分断の感覚に襲われ、多くの人の心が傷ついているのではないでしょうか。心が傷つきバラバラになりそうな時、私が行っている瞑想はチベット仏教に伝わるトングレン瞑想です。

日本語ではトングレンと呼びますが、チベット語でgtong len(トンレン)。意味は、「与えること」と「受け取ること」を指します。

この瞑想は、他者の痛みを受け取り、その痛みを愛や癒しに変えて与えることを目的として行います。他者以外にも、自分の心の内に痛みを抱えた時は自分に向けて行います。

社会や、地域、国の分断で傷ついた心に寄り添い、自分の内にある癒しの力を使って傷ついた心を癒していきます。この瞑想は利他心、自分のことはもちろん、相手の事をも思いやる気持ちを育む瞑想でもあります。

また病気による痛みや、治療によって生じる苦しみ、過酷な状況の辛さにも寄り添うことができます。

トングレン瞑想のやり方

おすすめの場所:落ちついて行う場合はリラックスできる場所。または必要であればどこで行っても構いません

所用時間:5〜20分 

実践方法:

1.まず呼吸を整えます

2.リラックスした姿勢で呼吸を続け、目を軽く閉じ深呼吸をします

3.今、癒しのエネルギーが必要な対象に意識を向けます

(傷ついた心や、苦しみ、分断が生まれている場所、争いの渦中の人、病床など)

4.吸う息と共に誰かの痛みや苦しみを自分のハートに受け取ります

5.その受け取った痛みや苦しみが自分の心の中で溶け出し、光に包まれ癒されていくイメージを繰り返します。

6.吐く息と共に、幸福や喜びに転化して自分のハートから出ていくことを想像します。

7.引き受けては送り出す。これで充分だと思えるまで続けてください。

8.ゆっくりと目を開けます

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息を吸いながら苦しみや痛みを引き受け、自分の中に取り込みます。そして自分の内にある癒しを使い、吐く息と共に喜びや愛に変えていく。自分の中で苦しみや痛みが溶け出すイメージを膨らませる時、イメージし想像を膨らませるヴィジュアライゼーションの力を使います。

このトングレンの瞑想は、チベットの最高指導者であるダライラマ法王14世も毎日行なっている瞑想だそうです。

あまりにも酷いニュースが多く世界が分断して見える時に、まずできるのは自分の内にも同じような分断が働いてないか見つめ直すこと。心の分断は、やがて差別や、搾取、争いへと繋がり大きな問題として現れていきます。

日々、心を癒し自分の内から平和をはじめましょう。

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佐々木依里
瞑想家、マインドフルネス指導者、環境活動家、モデル

 瞑想家、マインドフルネス指導者、環境活動家、モデル
11歳から瞑想と環境活動に興味をもち独学やお寺で瞑想を始める。現在は瞑想会の開催やマインドフルネスの指導者として活動。
また環境省森里川海アンバサダーとして環境活動家としてプラスチック問題に取り組む。
心の平和=地球の平和を目指しインスタグラムで精力的に瞑想配信中。
インスタグラム:www.instagram.com/erisasakimeditationjourney/