一般的な髪の洗い方は昔から変わっていない。でも、「シャンプーが先でコンディショナーがあと」の伝統に必ず従う必要はない。事実、世の中にはコンディショナーを先に使う“リバースケア”という方法もある。コンディショナーを先にしたら意味がないと思うかもしれないけれど、この方法には、それなりのメリットがあるという。
シカゴのヘアサロン『Maxine Salon』でスタイリストとして働くジェナ・スピノによると、リバースケアは、髪に潤いとボリュームを与えてくれる。なぜ? この方法なら「頭皮の油分が剥ぎ取られないからですね」と説明するのは、ニューヨークのヘアサロン『RPZL Hair Extension & Blowout Bar』に所属するマスタースタイリストのステファニー・アンジェロン。「頭皮の油分は、髪が乾いたり切れやすくなったりするのを防いでくれます」
セレブヘアスタイリストのレイシー・レドウェイによると、リバースケアがとくに有効なのは、乾燥した髪とカールや癖のある髪。また、リバースケアには、ブロー&セットした髪が崩れにくくなるというメリットもあるけれど、デメリットが1つもないわけじゃない。
ここからは、その両方をアメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。
リバースケアが向いている人
スピノいわくリバースケアは、髪が細い人や頭皮がベタついている人にとくにオススメ。アンジェロンとスピノは髪と頭皮が乾燥している人にもリバースケアを勧めるけれど、レドウェイは懐疑的で、乾燥した髪には油分が保持されやすい通常の洗い方を勧めている。
「コンディショナーを先に使えば髪に養分が行き渡り、乾燥した髪を傷めることなくシャンプーの準備が整います」とアンジェロン。「ほとんどのコンディショナーは洗い流しても残ってしまうことが多く、それが理由で髪がベタつくこともあります」。だから、シャンプーをあとにする。
でも、スピノいわく髪の乾燥がひどいときは、シャンプーのあとに再度コンディショナーを使うべき。コンディショナーの重さで髪がペッタリしてしまう、または頭皮がベタつくという人は、コンディショナーのあとにシャンプーで十分。
その一方で、カーリーヘア、クルクルヘア、絡まりやすい髪、薬品処理(カラーやパーマ)をした髪にリバースケアは向いていない。理由は明白。シャンプーで終わらせると、髪が一段と絡まりやすくなるから。
リバースケアのメリットとデメリット
リバースケアを定期的に続けていると、頭皮のベタつきが改善したり、毛先が元気になったり、頻繁に髪を洗わなくてよくなったり、セットした髪が崩れにくくなったりといった効果が見られる。アンジェロンによると、これはシャンプーをあとにすることで、コンディショナーによる不必要な油分が溜まりにくくなるから。
一方のデメリットはヘアタイプによって異なる。アンジェロンによると、もともとカーリーな髪の人はシャンプーを先にしたほうがいいかもしれない。シャンプーのあとのコンディショナーは「カールの構造を保持して、髪を絡まりにくくしてくれますからね」。リバースケアは、薬品処理を施した髪にも不適切。「最後にコンディショナーを使わないと、髪が絡まって切れやすくなってしまいます」。薬品処理をした髪でリバースケアをすると、髪と頭皮が油分不足になるかもしれない。
リバースケアのHOW-TO
レドウェイによると、リバースケアには保湿力の高いシャンプーとコンディショナーがマスト。「ビタミンE配合の商品を使えば、髪が潤い、強くなって扱いやすくなりますよ」。アンジェロンは硫酸不使用のシャンプーとコンディショナーを勧める。
そして最後に重要なことを1つ。リバースケアは毎日するべきものじゃない。2週間に1回で十分だし、月に1回でもいいくらい。アンジェロンも「髪を洗うたびにリバースケアをしていると、汚れた髪にコンディショナーが蓄積し、逆効果になってしまいます」と注意を呼びかけている。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Addison Aloian Translation: Ai Igamoto