植物性食品がますますメジャーになってきている昨今では、ベジタリアンやヴィーガンの食生活に切り替えることがかつてないほど簡単になっている。栄養士や環境保護主義者、さらには映画『キューティ・ブロンド』の主人公エル・ウッズでさえ、何年も前から野菜を多く摂取することの利点を訴えていた――しかし、植物性食品を積極的に食べるうえで難しいのは、タンパク質を十分に摂取できているかという点。
タンパク質とその構成要素であるアミノ酸は、ジムで鍛えるときだけでなく、私たちの食生活に欠かせない存在。登録栄養士で『California Vegan』の著者でもあるシャロン・パーマーさんは、「細胞や組織を作り、骨を丈夫にし、正常な免疫システムを維持するために、私たちは十分なタンパク質を摂取する必要があります」と説明する。
また、登録栄養士でブロガーでもあるジェナ・ハムショー氏は、「一般的に、体重1キロごとに1グラムのタンパク質を摂取するのが望ましいです。ヴィーガンでもベジタリアンでもフレキシタリアンでも、昔ながらの雑食主義者でも同じです」と語る。
ジェナさんは、植物性の食生活ではタンパク質が不足してしまうというのは誤解だが、ヴィーガンやベジタリアンの食生活に切り替えたたばかりの頃は、栄養面での目標を達成するのが難しい場合もあるとコメント。「私がときどき目にするのは、ヴィーガンになった人が動物性タンパク質を完全に排除し、たくさんの野菜と、多少の穀物や豆類を摂るようになるというパターンです。この場合、必ずしもそれまでと同等にタンパク質を摂取できているわけではなく、またベストな健康状態になるために必要な量も摂取できていないということです」と説明する。
タンパク質の摂取目標を達成するためには、穀物類やナッツ、野菜など、さまざまな食品を食事に取り入れる必要があるとシャロンさんは語り、ジェナさんは、すべての食事に少なくとも1種類のタンパク源を入れることを推奨している。
幸いにも、世の中には美味しいタンパク源がたくさん存在する。ここでは、食生活を変える人も、いつもの食事に変化をつけたいだけの人も取り入れられる、覚えておきたいタンパク質を豊富に含むプラントベース食品をご紹介。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Masayo Fukaya From Women's Health
豆乳
代用乳にはさまざまな種類があり、食生活により栄養面での恩恵も異なるが、なかでも豆乳は1杯にタンパク質が最も多く含まれている。
牛乳の代わりとして、さまざまな料理に活用することができる点も魅力。
1食分(1カップ):105キロカロリー、脂肪 6.34グラム(飽和脂肪 0.5グラム)、炭水化物 12グラム、糖類 8.91グラム、ナトリウム 115ミリグラム、食物繊維 0.49グラム、タンパク質 6.34グラム
枝豆
大豆を純粋に味わうなら、枝豆がオススメ。さっと茹でたり蒸したりするだけで、タンパク質が豊富でヘルシーなおかずやおやつになる。
1食分(1カップ):224キロカロリー、脂肪 7.75グラム(飽和脂肪 2.11グラム)、炭水化物 13.8グラム、糖質 3.38グラム、ナトリウム 205ミリグラム、食物繊維 8グラム、タンパク質 18.4グラム
豆腐
このリストに大豆ベースの食品が多く挙げられているのには、それなりの理由がある。大豆は体が欲している必須アミノ酸をすべて含んでおり、動物性食品に匹敵するタンパク質が含まれているとシャロンさんは説明する。
そんな大豆でできた豆腐は、タンパク質が豊富な代替食品としても人気。淡泊だけれど、漬け込んだり味付けを工夫したりすれば、さまざまな料理で活躍をしてくれる。
1食分(100グラム):76キロカロリー、脂肪 4.8グラム(飽和脂肪0.7グラム)、炭水化物 1.9グラム、糖質 0グラム、ナトリウム 7ミリグラム、食物繊維 0.3グラム、タンパク質 8グラム
アーモンド
かつて、「オバマ元大統領は運動後に軽く塩味をつけたアーモンドを7粒食べる」という情報が『ニューヨーク・タイムズ』紙で大々的に報じられた。
彼はスタッフが冗談を言っただけだと後にTV番組『トゥデイ』で語ったが、アーモンドには7粒でもタンパク質がたっぷり含まれている(実際、1カップには約30グラムも含まれている)。
1食分(1カップ、皮付き):828キロカロリー、脂肪 71.4グラム(飽和脂肪 5.43グラム)、炭水化物 30.8グラム、糖質 6.22グラム、ナトリウム 1.43ミリグラム、食物繊維 17.9グラム、タンパク質 30.3グラム
ピーナッツ
ナッツ類のなかでも、ピーナッツは1食あたりのタンパク質量が最も多い。おやつにしてもよし、サラダや麺類、オートミールなどの上にのせて食べてもよし。
1食分(1カップ):828キロカロリー、脂肪 49.3グラム(飽和脂肪 9.17グラム)、炭水化物 23.5グラム、糖質 6.89グラム、ナトリウム 26.3ミリグラム、食物繊維 12.4グラム、タンパク質 37.7グラム
えんどう豆
小さなえんどう豆だが、その中にはたくさんの栄養が含まれている。高タンパク源というイメージはないかもしれないけれど、えんどう豆(グリーンピース)は野菜のなかでも最もタンパク質量が多い部類に入る。
1食分(1カップ):117キロカロリー、脂肪 0.58グラム(飽和脂肪 0.1グラム)、炭水化物 20.9グラム、糖質 8.22グラム、ナトリウム 7.25ミリグラム、食物繊維 8.26グラム、タンパク質 7.86グラム
黒豆
高タンパク&低炭水化物の食生活を実践しているなら、一般的には豆はベストな選択肢ではないかもしれないが、ベジタリアンチリやタコスのベースを探しているのであれば、黒豆に勝るものはない。
黒豆は優れたタンパク源であり、コレステロールを下げる効果があることが研究でわかっている。
1食分(1カップ、塩茹で):227キロカロリー、脂肪 0.93グラム(飽和脂肪 0.24グラム)、炭水化物 40.8グラム、糖質 0.55グラム、ナトリウム 408ミリグラム、食物繊維 15グラム、タンパク質 15.2グラム
レンズ豆
レンズ豆は、スーパーのまとめ買いコーナーでも見かけたことがあるかもしれないが、そこが最もお得にレンズ豆を購入できる場所でもある。
もし次にスープを作ったり、自家製の野菜バーガーを食べたいと思ったりした際には、(ブラウン、グリーン、レッドなどの種類を問わず)レンズ豆を取り入れてみよう。
1食分(1カップ):230キロカロリー、脂肪 0.8グラム(飽和脂肪 0.1グラム)、炭水化物 40グラム、糖質 3.6グラム、ナトリウム 4ミリグラム、食物繊維 16グラム、タンパク質 18グラム
ひよこ豆
フムスで知られるひよこ豆は、そのほかカレーやヴィーガンブラウニーなど、どんな料理にも合う万能食材。タンパク質だけでなく、食物繊維も豊富に含まれている。
1食分(1カップ):269キロカロリー、脂肪 4.25グラム(飽和脂肪 0.44グラム)、炭水化物 44.9グラム、糖質 7.87グラム、ナトリウム 11.5ミリグラム、食物繊維 12.5グラム、タンパク質 14.5グラム
チアシード
ご存じ、スーパーフードとして名高いチアシード。チアシードブリンで一躍有名になったが、そのほかにもあらゆる方法で食事に取り入れることができる。
お茶(チアティー)を淹れたり、手作りケーキに加えたり、さらにはお菓子作りの際に水と混ぜて卵の代わりにしてもいい。
1食分(1オンス、約28グラム):138キロカロリー、脂肪 8.7グラム(飽和脂肪 0.94グラム)、炭水化物 11.9グラム、糖質 0グラム、ナトリウム 4.54ミリグラム、食物繊維 9.75グラム、タンパク質 4.68グラム
ヘンプシード
ヘンプシード、つまり麻の実は、古くから人類の暮らしにかかわってきたもの。大さじ1〜2杯を食事に取り入れると、タンパク質、食物繊維、マグネシウムをプラスすることができる。
1食分(大さじ3杯):166キロカロリー、脂肪 14.6グラム(飽和脂肪 1.38グラム)、炭水化物 2.6グラム、糖質 0.45グラム、ナトリウム 1.5ミリグラム、食物繊維 1.2グラム、タンパク質 9.48グラム
キヌア
キヌアは栄養価が高いだけでなく、体に必要な9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいる古代穀物。
お気に入りのランチメニューのベースに使ってもいいし(高級サラダショップに20ドルも払う必要はない)、白米など他の穀物を使うレシピで、代用品として使用することもできる。
1食分(調理済み1カップ):222キロカロリー、脂肪 3.55グラム(飽和脂肪 0.43グラム)、炭水化物 39.4グラム、糖質 1.61グラム、ナトリウム 13ミリグラム、食物繊維 5.18グラム、タンパク質 8.14グラム
セイタン
耳慣れない食材かもしれないが、セイタンとはグルテンミート(麩)のこと。何百年も前から食べられているものだが、最近になってようやくその価値が世界的に認められてきている。
小麦のタンパク質から作られているセイタンは、香ばしくナッツのような風味を持ち(ただし一緒に調理するものの味を吸収してしまう)、どこか肉のような食感が特徴。
1食分(2.5オンス、約70グラム):90キロカロリー、脂肪 1グラム(飽和脂肪 0グラム)、炭水化物 4グラム、糖質 2グラム、ナトリウム 340ミリグラム、食物繊維 1グラム、タンパク質 17グラム
テンペ
テンペとは、茹でた大豆にテンペ菌を植え付け発酵させて作られる、インドネシア発祥の発酵食品。豆をギュッと押し固めてブロック状にしており、噛みごたえのある食感とナッツのような風味が特徴。
1食分(1カップ):319キロカロリー、脂肪 17.9グラム(飽和脂肪 4.22グラム)、炭水化物 12.7グラム、糖質 0グラム、ナトリウム 14.9ミリグラム、繊維 7グラム、タンパク質 33.7グラム
ヴィーガンミート
「インポッシブル・フーズ」や「ビヨンド・ミート」といった植物性代替肉を提供する会社が、ヴィーガンという選択肢をよりメインストリームにしたことは間違いない。えんどう豆や玄米など、植物由来の原料から作られたこれらの製品は、動物性のものと同じように調理することができる。
ジェナさんは、植物性の食生活を送っているクライアントのために、常にヴィーガンミートの情報をキャッチしている。彼女は、「最近では、本当にクリエイティブでおいしい選択肢がたくさんあります」「もちろんタンパク質もしっかり摂取できます」と語る。
インポッシブルバーガー(ヴィーガンバーガー)1食分(約113g):224キロカロリー、脂肪 14グラム(飽和脂肪 8グラム)、炭水化物 9グラム、糖質 1グラム、ナトリウム 370ミリグラム、食物繊維 3グラム、タンパク質 19グラム
サンフラワーシードバター
高タンパク&ヴィーガン向けのおやつなら、どんなナッツバターもうってつけ。ただしスプレッドとは少し違うものを探している場合は、サンフラワーシードバター(ヒマワリの種のバター)を試してみて。
1食分(大さじ2杯、塩入り、砂糖不使用):210キロカロリー、脂肪 18グラム(飽和脂肪 2グラム)、炭水化物 4グラム、糖質 0グラム、ナトリウム 110ミリグラム、食物繊維 2グラム、タンパク質 8グラム