“瞑想”という言葉にどんなイメージを持っている? “集中力を高められそう”、“思考がクリアになりそう”というイメージの一方で、“なんだか宗教じみている”、 “よくわからない”というネガティブな印象を持っている人も多いのでは。そんな方へおすすめしたいのが、 “月曜瞑想”というスタイル。生活習慣に取り入れやすく、生み出された新感覚のメソッドを『心と頭が軽くなる週はじめの新習慣 月曜瞑想(アスコム)』よりご紹介。(以下「」内・伊藤 東凌さん)

“月曜瞑想”とは?

「世の中に“ブルーマンデー症候群”という言葉があるほど、どんよりとした気持ちで一週間をスタートする人も多いはず。先週までのたまりにたまった疲労と、積み重なったストレスを引きずったまま仕事をスタートするか、心の中のゴミを捨ててスッキリ整理してからスタートするのか。これから始まる1週間が充実したものになるかは週のはじめにかかっていると言っても過言ではありません。

この瞑想の特徴は自由でラクなこと。他の瞑想と違い、壁にもたれかかって足を投げ出して座って行います。足を組む必要はなく、脱力してよいのです。

瞑想にかける時間は5分でOK。起きてからでもいいですし、朝食の前でも、出かける前でも構いません。週はじめの朝に、瞑想の時間を5分捻出してください。あなたの1週間がガラリと変わるはずです」

“月曜瞑想”を始める前に。-瞑想は頭を空っぽにするものではない?-

「冒頭でお伝えした通り、瞑想=難しいものと捉えている人が多いのではないでしょうか。“月曜瞑想”ではその考えを捨ててください。ただ、座るだけ、で大丈夫です。座って色々なことを感じるのです。息を吸っているな、手が温かいな、鳥の鳴き声が聞こえるな、花の香りがするなetc......。自分の周りにあるものを感じて、どんどん受け入れていきます。日常生活を送る中で、ストレスなどで乱れてしまった感覚を整え、本来自分たちが持っている状態まで取り戻していきます。そうすることで自然と心の状態も整うのです。

瞑想とは、頭の中を空っぽにするのではなく、自分の感覚で受け取る情報を一つ一つ丁寧に体験すること。それが“月曜瞑想”の第一歩になります。早速始めてみましょう」

“月曜瞑想”の基本のやり方

(準備)
・カーテンを開け、朝の光を取り込む
・窓を開け、部屋の空気も入れ替える(住環境によって難しい場合はカーテンを開けるだけでもOK)
・テレビやラジオなど音のでるもののスイッチをオフに
・スマホもできれば電源オフに

①座る

部屋のどこでも構わないので、壁に寄りかかって座りましょう。足は前に投げ出して伸ばします(きついときはヒザを曲げたり、横座りしてもOK)。できるだけ背中が丸くならないようにキープしてください。床に座れないという人は、左の図のように、背もたれのある椅子に深く座りましょう。」

月曜瞑想
アスコム

②手首をぶらぶらする

両手を前に出し、腕の力を抜いて、手首から先を10~20秒くらいぶらぶらさせましょう。手首をぶらぶらさせるだけで、体の力が抜けていきます。頭と心の動きが悪くなっている時は、体もリラックスできていないもの。体の力が抜けると、感覚を取り戻しやすくなります」

ブラブラ
アスコム

③手を合わせて目を閉じる

「しばらく手首をぶらぶらさせたら、 胸の前で手を合わせ、目を閉じましょう。手を合わせたら、右手と左手の触れ合っている部分に意識を向けましょう。手のひら、小指、人差し指、親指の順に意識を向けると、あったかい、冷たいなどを感じることができると思います」

合唱
アスコム

④手を合わせたまま、呼吸に意識を向ける

「次に呼吸に意識を向けましょう。今息を吸っているのか、吐いているのかを感じるだけでかまいません。日常の中では途切れることなく呼吸していることをつい忘れがち。ここでは呼吸の存在を改めて感じることが大切です」

月曜瞑想
アスコム

⑤呼吸に合わせて、数を1~10まで数える

「次に少し深く呼吸するイメージで、ゆっくり息を吸って、吐きます。呼吸のリズムに合わせて、心の中で、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ......とうまで、大和言葉でゆっくりと数えます。とう、まで数え終えたら、“月曜瞑想”終了です」

月曜瞑想
アスコム

「実は初めて瞑想をする人で、とう、まで途切れずに数えるのは簡単ではありません。瞑想していると、5分とは言え色々なことが頭に浮かんでくるからです。途切れたときは、いったん呼吸に意識を向けるようにしましょう。ひと呼吸入れてからまた続きを数えなおせばいいのです。

何度途切れてもかまいません。とう、と数え終わるまで続けてください。続けているといずれ数えられるようになります

“月曜瞑想”のメリット

「瞑想中に頭の中に色々なことが浮かんでくるのは悪いことではなく、むしろそれを観察するのが瞑想の目的と言っていいかもしれません。問題なのは、浮かんできた思いや考えに心が支配されてしまうことです。少し時間はかかるかもしれませんが、“月曜瞑想”を続けていると次々に頭に思い浮かんでくることに支配されなくなります。頭の中を客観的に眺められるようになり、色々なことをスルーできるようになるのです。

頭に浮かんできたことにいちいち反応することなく、心を客観視できるようになること。これが“月曜瞑想”の最終の目標。週一回の心の再起動の繰り返しで得られる最高の心の状態です」

さらに感覚を研ぎ澄ませたい方は......

本書では、体の内側ではなく外側にあるものを感じる“月曜瞑想プラス”の方法や、心と頭を常に整える“生活瞑想”のやり方を詳しくご紹介。感覚を研ぎ澄ませ、幸せを感じる時間を増やし、素敵な一週間を送れるようにしよう!

この本を書いたのは......

伊藤 東凌
Ryo Kusumoto

伊藤 東凌

臨済宗建仁寺派「両足院」副住職。1980年生まれ。建仁寺派専門道場にて修行後、15年にわたり両足院での坐禅指導を担当。現代アートを中心に領域の壁を超え、伝統と繋ぐ試みを続けている。アメリカFacebook本社での禅セミナーの開催やフランス、ドイツ、デンマークでの禅指導など、インターナショナルな活動も。2020年4月グローバルメディテーションコミュニティ「雲是」、7月には禅を暮らしに取り入れるアプリ「In Trip」をリリース。海外企業のウェルビーイングメンターや国内企業のエグゼクティブコーチも複数担当する。

心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想

心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想

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Headshot of Aoi Nakashima
Aoi Nakashima
エディター

アシスタントエディターとして、主にSNS周りを担当。ウィメンズヘルスを一緒に作るコミュニティー、Fit Girlsのコミュニティリーダーも担う。セレブ・ファッション・フードなどのカテゴリーの中で、トレンドを日々リサーチし、投稿や記事へとつなげる。特技は20年続けた硬式テニス、最近はランニングとボクシングにも夢中。座右の銘は“一日一幸”♡