パレオダイエット、プロテインパウダー、グルメバーガー。私たちの文化は今、タンパク質を摂取することに取りつかれているといっても過言ではない。「最近話題に上がるダイエットのほとんどは、タンパク質に焦点を置かれたものばかりです」と話すのは、『The Flexitarian Diet』の著者である管理栄養士のドーン・ジャクソン・ブラトナー博士。

多くの人がタンパク質を摂ることに夢中になっている一方で、ブラトナー博士が言うには、タンパク質が足りていない人も一部いる。特に、ベジタリアン生活を送る人や、もともとあまりタンパク質を食べない傾向にある人に見られがち。問題は、タンパク質の推奨摂取量が、1つの具体的な数字ではなく、広範囲で示されているために、何が「不十分」とみなされるのかを自分で特定するのが難しいこと。

ここから先は、体がタンパク質を求めているときに出すサインを5つご紹介。タンパク質不足を見極めるために、今これらのサインが出ていないかどうか、まずはチェックしてみよう。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

甘いものが食べたくなる

タンパク質が不足している1つ目のサインは、ブラトナー博士いわく、甘いものが無性に食べたくなり、満腹感が得られにくくなること。タンパク質が足りていないなら、ステーキや卵が食べたくなるものだと思うはず。でも、血糖値を安定に保つことは、タンパク質が担うもっとも重要な機能の一つ。要するに、タンパク質を十分に摂取できていなければ、血中のグルコース濃度が上がったり下がったりを繰り返し、朝食を食べたのにもかかわらず、チョコレートのような甘いものをすぐに食べたくなってしまう。「朝ご飯が、一掴み分のシリアルだけであれば、素早くエネルギーを得ることはできますが、その効果はすぐに薄れていきます」と、ブラトナー博士。「血糖値が上下すると、甘い物を食べたい欲求が発動するのです」

頭にモヤがかかったようにぼんやりしている

集中力を維持するにも、血糖値の安定が不可欠。ブラトナー博士によると、タンパク質が足りず、グルコースの数値が絶えず変動している状態では、仕事中に注意力が散漫したり、頭が少しぼんやりしてくる。なぜなら、脳に一定して供給できるエネルギーがないから。食事から摂るタンパク質は、血糖値の増減を防ぎ、脳にエネルギーを持続的に放出するのを手助けをしてくれる。クラッカーやパンのような、血糖値を上昇させる食べ物だけに頼っていては、精神的に元気になれるのはほんのつかの間、その後は頭がボヤッとなるだけ。

髪の毛が抜けやすくなる

タンパク質は、髪の毛を含め、すべての細胞を構成する必須栄養素。「毛包がしっかりしていれば、髪の毛を引っ張ったり、風で髪がなびいても、抜け落ちることはありません」と、ブラトナー博士。しかし、頭皮の健康を維持する栄養素が慢性的に不足していては、髪の毛が細くなり始めたことに気づくかもしれない。(これは、甲状腺機能の問題など、他の疾患の兆候である可能性もあるので注意して)。

脱力感がある

タンパク質は筋肉を作る材料。そのタンパク質を十分に摂れていなければ、ブラトナー博士いわく、時間が経つにつれて筋肉が減り始める。結果として脱力感や疲労感を感じやすくなったり、以前と比べて運動力が落ちることも。

風邪を引きやすい

二の腕を発達させることだけが、タンパク質の役割ではない。「タンパク質は、免疫系のすべての化合物を構成するうえでも必須の栄養素です」と、ブラトナー博士。健康なのに、周りに比べて風邪や感染症にかかりやすいようであれば、タンパク質が不足している可能性がある。他にも現れやすい症状として、頻繁にささくれができることが挙げられる。「皮膚は、外部環境から私たちを守ってくれる巨大な免疫器官です」と、ブラトナー博士。タンパク質不足によって皮膚が弱っていると、さかむけやささくれなどができやすくなり、病原体にさらされて感染症にかかる恐れもあるとのこと。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: WH STAFF Translation: Yukie Kawabata