最近、輸入食品店や高級スーパーで見かける“ビーポーレン”という食材。この聞きなれない食品の正体は? その栄養効果や食べるときの注意点は? 管理栄養士の藤原朋未さんにお話を伺った。(「」内藤原朋未さん・以下同)

ビーポーレンってなに?

bee
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「ビーポーレンのビーは蜂、ポーレンは花粉を指します。ミツバチは花から蜜を摂るときに自分たちの食料として花粉も集めています。その際にミツバチは体内から酵素を分泌させ、花粉に絡めボール状にします。それをビーポーレンと呼びます。

小さな粒上で色は黄褐色が多いものの、ミツバチが集めた花の種類によって色や味わい、栄養素も多少異なると考えられています」

ビーポーレンはどうやって食べるの?

tasty vanilla ice cream with bee pollen and honey in bowl on table
Veliavik//Getty Images

「カリカリとした食感で、ほんのりと甘い香りがします。そのまま食べることもできますが、ヨーグルトやシリアル、サラダやスイーツのトッピングとして使用するのもおすすめです。

栄養価が損なわれてしまうので、基本的には加熱をせず使用するのがいいでしょう」

ビーポーレンを食べることでの健康効果は?

「ビーポーレンはたんぱく質やポリフェノール、消化酵素などのさまざまな栄養素を含むとして、ヨーロッパなどでは古来より栄養補助食品として取り入れられていました。近年ではスーパーフードとして日本でも美容、健康の観点から注目をする人が増えています。

ミツバチが集めた花の種類によって含まれる成分に違いもありますし、加工度も異なります。自然から摂れる(作られる)食品ですので原料となる花粉がどういった環境下で育った花のものなのかが大切です。環境汚染の影響を受けていない製品を選ぶためにも、各商品の栄養成分を参照し、養蜂の環境(採集地)なども確認してみるのがよいでしょう」

ビーポーレンを食べる上での注意点は?

「1歳以下のお子さまには、はちみつと同様にボツリヌス菌による食中毒の危険性があるので摂取を避けてください。また、農林水産省より、植物に含まれる天然毒素であるピロリジジンアルカロイド類の情報が発信されています。ただし国内でのピロリジジンアルカロイド類による健康被害は稀であり、農林水産省が調べた範囲では、食品の摂取によるヒトの健康被害はいまだ報告されていません。

花粉症との関連性を心配されている方も多いと思いますが、スギやヒノキなどの植物由来ではないため、症状を引き起こすものではありません。しかし初めて口にする場合は、ティースプーン1杯など少量からお試しを。商品の目安量以上を多量に摂取することは避けてくださいね」

参考記事:食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報 農林水産省
参考文献:スーパーフード辞典 BEST50 主婦の友社 監修 齋藤糧三 2016年発行
スーパーフードの教科書 マイナビ出版 監修 生活の木 小林理恵 2016年発行

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藤原朋未
管理栄養士 健康・食育ジュニアマスター

プロの管理栄養士・料理研究家による「食 」のプロデュース・レシピ開発を手掛ける(株)エミッシュ所属。健康・美容・栄養などの切り口で管理栄養士ならではのレシピ提案・コラムの執筆を行う。乳幼児食指導士の資格を持ち、離乳食や幼児食に関する情報をブログにて発信中。ブログ:ママ楽ごはん(http://tomomi-fujiwara.blog.jp/)エミッシュ(所属)(http://e-mish.com

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Aoi Nakashima
エディター

アシスタントエディターとして、主にSNS周りを担当。ウィメンズヘルスを一緒に作るコミュニティー、Fit Girlsのコミュニティリーダーも担う。セレブ・ファッション・フードなどのカテゴリーの中で、トレンドを日々リサーチし、投稿や記事へとつなげる。特技は20年続けた硬式テニス、2023年はサーフィンにも挑戦する予定。座右の銘は“一日一幸”♡