よくある10の状況でパーソナルトレーナーは何をする?
眠れない夜、テイクアウトが必要なとき、二日酔い……。
フィットネスのエキスパートは、ヘルシーかつフィットな生活を阻む問題にどう対処するのだろう。イギリス版ウィメンズヘルスが聞いた。
パーソナルトレーナーは、あなたにとって健康を象徴する人。昨夜は疲れ切って中華料理をテイクアウトし、その残りを今日の朝食にしたなんて、正直に打ち明けるのは難しい。でも、トレーナーなら、こういった状況をどのように乗り切り、今までの努力を無駄にしかねない問題にどう対処するのだろう。
Text:Alex Davies Translation:Ai Igamoto
1.二日酔いのとき
トレーナーのシ・テイトは、「まず、寝る前にコップ2杯の水を飲みましょう。アルコールは体の水分を奪うので、水分を補給すれば二日酔いが軽くなります」とアドバイスする。「翌日は、さらに水を飲みましょう。また、コーヒーにミルクを入れて飲むと、目が覚めるだけでなく、糖質への欲も抑えられます。全粒パンのトーストにバターを塗って食べるのもいいですね。口当たりが良く、GI値も低めなので、エネルギーがゆっくり放出されますし、不安定な胃を刺激することもありません」
2.体調不良のとき
「私なら体の声に耳を傾けます」と話すのは、イギリスのジム『Gold Training』トレーナーのジュリア・ゴールド。「鼻水が出ていても、ワークアウトする気になれる以上は大丈夫だと思いますが、症状が悪化した場合には、ワークアウトを中止しましょう。症状が首から上に限られる場合(喉の痛みや鼻詰まりなど)は、基本的にOKです。でも、咳、関節痛、発熱のように症状が首から下にも現れる場合は、体を休ませてください。ハードな運動は、ただでさえ弱っている免疫システムにさらなる負担をかけてしまうかもしれません。私ならウォーキングをします。新鮮な空気を吸えば、気分も改善するでしょう」
3.外食するとき
「事前にメニューをチェックして、地元の食材を使い、顧客のリクエストに応じ、料理をいちから作るレストランに行くようにしています」と話すのは、イギリスのフィットネスクラブ『Virgin Active』のパーソナルトレーニングマネージャー、クリッシ・デラペラル。「揚げ物や衣付きの食べ物は避け、“クリーン” な料理を選びます。また、メインディッシュに添えられるポテトフライは、野菜に替えてもらいます」
4.スポーツシューズを買うとき
「私は、一度気に入ったアイテムを使い続けるタイプなんです」とテイトは語る。「個人的には、ミニマルで軽量のシューズが好きですね。もちろん、もっとサポート力のあるシューズが必要な人もいますから、自分に合ったシューズを見つけ、それを履き続けるのがいいと思います」
5.雨が降っているとき
「私は、どんな天候もトレーニングのツールとして使います。環境要素で、エネルギーの消費量が10~30%も上がるんですよ」と説明するのは、セレブ専属トレーナーで『Pilatis Flow』を生み出したジェーン・ウェイク。「とてもシンプルな自宅用サーキットを考えるのもいいですね。例えば、ゆっくりとしたステップアップを6分間ウォームアップとして行い、縄跳び、スクワット、早めのステップアップ、プッシュアップ、縄跳び、ランジ、早めのステップアップ、そしてプランクを1分ずつ行う。これを2~3回繰り返してみてください」
6.ジムでの時間が20分しかないとき
「この場合は、ランニングマシンでかなりハードなインターバル・トレーニング(1分間ジョギングしてから、1分間80%の力で走る)をするか、5種類のエクササイズで作ったサーキット・トレーニングを休憩なしで20分続けるかのどちらかですね」とテイトは話す。「最大限に体を動かし、できるだけ多くのエネルギーを消費できるよう、サーキット・トレーニングでは最も大きな筋肉群を使うようにしています。例えば、バーべルスクワット(お尻をベンチにタッチ)からのショルダープレス、ダンベルを使ったチェストプレス、プルアップ(疲れているときは、ジャンプで体を持ち上げてからゆっくり下りる)、シットアップからのロシアンツイスト、ケトルベル・バーピーを12回ずつといった感じです」
7.テイクアウトをするとき
「あまり心配せずに、その機会を楽しんでください。明日のことは明日考えればいいのです」とゴールドはアドバイスする。「ソースが多くかかっている料理は避けた方がいいでしょう。ソースには大抵、クリーム、ナトリウム、砂糖がたっぷり入っていますから。中華料理なら、タンパク質が豊富な北京ダックがおすすめです。キュウリとねぎを乗せれば、野菜もたくさん摂取できます。インド料理なら、チキンティッカのようにドライな一品がいいでしょう。炭火焼のケバブに野菜とフムスを添えるのもありですが、ピザは難しいですね。(ピザしかないなら)トッピングは、脂肪分の少ないお肉と野菜だけにしてください」
8.ワークアウト前に食べるとき
「どんなワークアウトをするかにもよりますが、エネルギーをゆっくり放出する炭水化物を1人前食べて、異化作用が起こらないようにしています。また、鶏むね肉などのクリーンなタンパク源も摂取しています」とデラペラル。「食べるのは、トレーニングの1~2時間前ですね」
9.眠れないとき
「心身をリラックスするよう心掛けます」とウェイクは話す。「深呼吸をして、肋骨の上下運動に意識を傾け、肋骨の奥にある横隔膜が息を吸うたびに膨らみ、息を吐くたびに胸腔の中で収縮するのを想像します。体がリラックスしてベッドに沈んでいくのを感じられるまで、長く息を吐きましょう。もう一度息を吸い、今度は自分の足に意識を集中し、ベッドに沈むのを感じられるまで、足をリラックスさせてあげます。体の下から上にかけて同じプロセスを繰り返せば、頭に到達するまでに、たぶん眠っているでしょう」
10.体のどこかが痛いとき
「ワークアウト後の筋肉痛は、電気が走るような痛みや関節痛、ワークアウトと無関係の痛みとは感覚が異なります」と説明するのはデラペラル。「遅発性筋肉痛とは、運動で使った筋肉に運動後24~48時間で生じる痛み。ワークアウト前にストレッチをしたり、フォームローラーでトリガーポイントをほぐしたりすることで軽減されます。それ以外の痛みがあるなら、トレーニングをやめ、医師の指示を受けた方がいいでしょう」