ランナーの悩み! "お尻の外側の痛み”を和らげる4つの方法
ランナーを脅かす、梨状筋症候群を防ぐには?
ランナーにはいくつか共通の見解がある。まず、ランニングシューズが小さすぎると、つま先が黒くなること。そして週末に長距離を走ったあとは、フォームローラーが欠かせないこと。認めたくはないけれど、休養日が必要なこと。そして時々、お尻の外側が痛くなること。今回は痛みを和らげる方法をご紹介。
お尻の外側が痛いのはなぜ?
お尻の右側や左側には臀筋と脂肪がついている。そこが痛む要因はいくつもあるけれど、一番多いのは梨状筋(りじょうきん)症候群という。梨状筋は臀筋の奥深くにある小さくてパワフルな筋肉で、股関節を外に回すときに使われる。梨状筋の隣には坐骨神経があり、この神経がランニングや座りっぱなしの生活などで炎症を起こすと、深部に鈍痛が生じるそう。
「坐骨神経は神経の太い束で、腰からつま先の運動機能と感覚機能をつかさどっています」と説明するのは、理学療法士で認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストのブレイク・ディルクセン。
「よって神経が慢性的に圧迫されると、脚全体に症状が出る可能性もありますね」
健康な坐骨神経は、股関節と同じように滑るように動いて曲がる。でも、圧迫されると動きが鈍り、臀筋や太もも背面が燃えるようにヒリヒリしたり、けいれんを起こしたり、脚のしびれや脚全体を伝う痛み、硬い表面に座るときの不快感を引き起こすという。でも、この痛みは自分で和らげられるもの。
お尻の外側の痛みを和らげるには?
まずは運動量を変えよう。座ったり走ったりすると鋭い痛みを感じるときは、その反対のことをしてみて。機内では席を立って歩き回る。スピードワークアウトは当面の間、中止して。ディルクセンによると、座っている時間を減らしたり、硬い表面に座るときはクッションを敷いたり、後ろのポケットに財布を入れるのをやめたりといった小さな行動修正で症状はかなり楽になるという。
歩き方を専門家に診てもらうのもおすすめ。運動生理学者のスーザン・ポールが言うように、オーバープロネーション(着地したときに足が内側に傾く傾向)も、お尻の左右が痛くなる一因のようだ。
長期的には、梨状筋と周辺の筋肉をストレッチして強くすることが大切。
うれしいことに、梨状筋症候群に対抗する4つのテクニックをディルクセンが教えてくれた。自分のペースでトライして、お尻の痛みを和らげよう。
1.坐骨神経フロッシング
椅子かベンチの端に座り、痛みのある方のお尻を外に出し、足を床にピッタリつける。
痛みのある方のヒザを曲げ、つま先を伸ばしたら、そのつま先を後ろに引きながら首を反らして上を見る。
次に、ヒザを伸ばして脚を正面でまっすぐにしたら、つま先を立てる。
この動きを巻き戻してスタートポジションに戻り、同じ脚でリピート。
でも、今度は首をそらせずにアゴを引く。
もう一度スタートポジションに戻る。
これで1回。計12回繰り返そう。
2.4の字フォームローリング
フォームローラーの上に座る。
左腕を後ろに伸ばし、体の10cmほど後ろに左手をつく。
右ヒザの上で左足首を交差させ、4の字をつくる。
お尻の左側に体重を軽く乗せる。
フォームローラーを10cmほど前後に転がし、30~60秒続けたら反対側でリピート。
3.ダイナミック・ハムストリングストレッチ
ヨガマットをひいて、右足が前のランナーズランジのポーズ。
右足の両側に手をついて、右脚をゆっくりと伸ばしていく。
ハムストリングスが伸びているのを感じたら、スタートポジションに戻る。
これで1回。12回繰り返したら、反対側でリピート。
4.90/90エクスターナル・ローテーションストレッチ
床に座り、体の前で右ヒザを90度に曲げる。
右脚の外側が床につき、スネが肩と平行になり、太ももがまっすぐ前に伸びているのを確かめて。左脚は体の後ろ。
ヒザを90度に曲げて、左脚の内側を床につける。
右のかかとと左のヒザが一列に並んでいるはず。
右脚の内側か外側に軽く手をつき、背中を丸めず肩をやさしく前に倒して、右脚の上にかぶせる。
この状態を2秒ホールド。
背中を起こしてから後ろに倒し、お尻の後ろに軽く手をつく。
この状態を2秒ホールド。30秒間、背中を前後に倒し続ける。
Text: Emily Abbate Translation: Ai Igamoto
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