フィットな女子必見! メンテナンスに欠かせない、スポーツマッサージのメリットとアドバイス
運動後は体をしっかり回復させて大一番に備えよう。
忘れられがちではあるけれど、トレーニングにはリカバリーが欠かせない。どんなエクササイズも体を疲れさせるので、筋肉と腱をしっかり回復させてあげるべき。これが理由でアクティブな人の多くが“スポーツマッサージ”を受けている。でも、スポーツマッサージって具体的にはどんなもの? 今回はこの内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからお届け!
スポーツマッサージはスパで受けるようなマッサージではなく、ケガを防ぎ、ベストなコンディションを維持するための治療法。ここで紹介するのはスポーツマッサージのメリットと、予約する前に知っておきたいプロからのアドバイス。
まず覚えておきたいのは、いつ受けてもいいとはいえ、スポーツマッサージが一番効果を発揮するのは大きな大会やイベントの前後。スポーツマッサージで使われるテクニックはディープティッシューマッサージで使われるテクニックに一部似ているけれど、認定マッサージセラピストで『Body Mechanics Orthopedic Massage』オーナーのベレー・カーケビーいわく、この2つのマッサージにはそれぞれ違う目的があるとのこと。
「スポーツマッサージは運動を考慮に入れたマッサージで、運動の時間や内容に合わせた治療を行うことを目標とします。一方のディープティッシューマッサージは、一般的な生活習慣に合わせた圧力ベースのマッサージと言えるでしょう」
もちろん、スポーツマッサージでも圧力は感じられる。もともと痛いマッサージではないけれど、傷めている部位や凝っている部位を押された場合は特に圧痛を感じたり、不快感を覚えたりしてもおかしくない。
さあ基本はここまでにして、認定マッサージセラピストからスポーツマッサージの詳細を学んでいこう。
1.セラピストを詳しく吟味する
「素晴らしい経歴の持ち主で、スポーツに詳しく、一緒にいてくつろげる人を選びましょう」とカーケビー。口コミやレビューを読めば、期待できることとできないことが何となく分かるはず。
2.タイミングを見定める
スポーツマッサージをイベントの前後および最中に受けるのはいいけれど、イベントの直前に新しいことを試すのはNG。カーケビーが言うように、マッサージの周期は自分の体に合わせて決めればいい。でも、イベントが近づいてから新しいマッサージを試すのは、パフォーマンスに予想外の影響を与える可能性があるのでやめておこう。
3.スポーツマッサージは質疑応答で始まる
セラピストは質問に対する回答から、あなたの目標と治療法を理解する。「(マッサージの前に)しっかりしたインタビューを受けることが重要です」とカーケビー。「1時間のストレッチが必要な人もいれば、ディープティッシューに似たマッサージが必要な人もいますからね」
4.スポーツマッサージの前に水分を補給する
マッサージが始まる前に必ず用を足しておこう。「トイレのために禅な気分を断ち切るのだけは避けてください」とカーケビー。体が水分不足に陥ると筋肉が固くなってしまうので、水分補給で体を潤し、マッサージ中の筋肉を動かしやすくしておこう。
5.スポーツマッサージの前は薬の服用を避ける
カーケビーによると、鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬を飲んでいる人はスポーツマッサージが受けられないこともある。「セラピストがマッサージ前に飲んで欲しくないと思うのは、触覚を変えたり弱めたりする薬です」。触覚が正常に機能しないと、セラピストに正確なフィードバックができなくなる。また、抗凝血剤を服用中の人は体にアザができやすいとのこと。
薬の服用が必要な疾患を抱えている人は、その旨を必ずセラピストに伝えておこう。「それさえ分かっていれば、セラピストもあなたの安全と健康を考えた治療を行うことができますからね」とカーケビー。
6.スポーツマッサージにはマッサージ以外の施術も含まれる
カーケビーによると、スポーツマッサージの中で、ムーブメント(体の使い方)トレーニング、筋力エクササイズ、ストレッチ、関節モビライゼーションなどが行われるケースもある。「それぞれに独自のメリットがありますよ」。スポーツマッサージ以外の分野に精通したセラピストなら特にラッキー。カーケビーも、競技スポーツ経験のあるセラピストを雇っていたことがある。
7.スポーツマッサージは柔軟性を高めてくれる
スポーツマッサージには大抵ストレッチが含まれる。ストレッチは筋肉の可動域を広げるエクササイズなので、続けていれば筋肉の伸展性(柔軟性)が高くなる。
8.スポーツマッサージでも筋肉中に蓄積した乳酸は取り除けない
筋肉中に蓄積した乳酸はハードなワークアウト中に“燃えている”感覚を生み出すけれど、筋肉痛の原因ではない。マッサージが蓄積した乳酸を“分解する”というのもよくある誤解。運動をやめた直後に体は自然と乳酸を分解する。実のところ、筋肉痛の正確な原因は科学者たちにも分かっていない。でも、スポーツ医療・科学専門誌『Medicine & Science in Sports & Exercise Journal』に掲載された論文によると、スポーツマッサージによって筋肉が圧迫され、乳酸の分解が遅れるのは確か。HIITやウエイトリフティングといったハードなワークアウトによって蓄積する乳酸を取り除き、細胞を活性化する術を探しているなら、スポーツマッサージの代わりにアクティブ(能動的)リカバリーを取り入れて。前述の論文により、アクティブリカバリーはマッサージのようなパッシブ(受動的)リカバリーより早く乳酸を分解することが分かっている。
9.スポーツマッサージは痛みを和らげる
スポーツマッサージを受けると(幸福ホルモンのエンドルフィンの力もあって)全身のストレスレベルが下がり、血流が改善し、筋肉の緊張がほぐれるため、リカバリーが加速する。
10.ケガからの回復やケガの防止に効果的
カーケビーいわくスポーツマッサージは、イベント前のケガ予防にもリハビリの一環にもなる。
11.スポーツマッサージを受けたあとはよく眠れる
整体専門誌『The Journal of Bodywork and Movement Therapy』に掲載された論文によれば、筋肉がリラックスすると睡眠が邪魔されず、ぐっすり眠れる。また、マッサージを受けると通常はストレスが軽減するので寝つきもよくなる。
12.スポーツマッサージのあとに少し痛みがあるのは普通
「ずっと凝っていた筋肉をほぐすと、その部位に痛みが生じることもあります」とカーケビー。耐えられるマッサージの強さは人によって違うので、あなたの体のニーズを理解してくれるセラピストを探すべき。
13.スポーツマッサージは本番前の緊張をほぐしてくれる
数々のトップアスリートを診てきたカーケビーによると、スポーツマッサージは意図的に不安要素を排除してから本番に挑みたい人にもおすすめ。「古傷など、アスリートが不安を感じていることに重点を置いて治療します。セラピストの手によって組織を巧みに操れば感度が増し、知覚まで高まります」
14.スポーツマッサージを受ければホルモンの変化に対応しやすくなる
「女性アスリートの中には、ホルモン変動のせいで毎月決まった時期になると極端に疲れてしまう人がいます。本格的なアスリートなら、その時期のメンテナンスにとりわけ気を配りたいと思うかもしれません」とカーケビー。「スポーツマッサージを受ければ、いつも以上に体が休まるはずですよ」
15.スポーツマッサージを受けた日のワークアウトは可能とはいえおすすめできない
カーケビーいわくスポーツマッサージを受けた日は、できるだけ体を休ませた方がいい。「リカバリーはトレーニングと同じだけ重要ですから」。スポーツマッサージの効果を実感するには、体に自己修復する時間をあげることが大切。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Jasmine Gomez Translation: Ai Igamoto
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