外に出て30分もしないうちから肩が赤くなってきた。一番よさそうな日焼け止めをたっぷりと塗っているのに、いとも簡単に焼けてしまう。

そんな悩みを持つ人は少なくない。徹底的に日焼け対策をしていても、肌のヒリヒリや皮剥けから逃れられないときがある。

そこで今回は、あなたの肌が日に焼けやすい理由を理解して、もう二度と日焼けに泣かされないための方法を探るべく、皮膚科医のハワード・ムラード医師に話を聞いた。

外出前に日焼け止めを塗りたくるだけでは、残念ながらダメみたい。イギリス版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

あなたの肌が日に焼けやすい理由-皮膚科医の見解

1.塗るタイミングが間違っている

日焼け止めが肌に染み込み、肌を守るシールドを作るまでには30分ほどかかるので、それより早く日光を浴びてしまうと肌が完全に守られない。

しかも、塗ってすぐに着替えると、日焼け止めが衣類に付着してしまう。

そうすると服や下着に染みができるだけでなく、その部分の肌が無防備になってしまう。

2.量が少なすぎる

日焼け止めを塗っても焼けてしまう理由の1つは、塗る量をケチっていること。

ラベルに書かれている防御効果が発揮されるのは適量を塗ったときだけ。手足にシュッと吹きかける程度では肌を十分に守れない。

「ショットグラス1杯分の日焼け止めを顔と全身に塗りましょう」とムラード医師。「太陽の下に長時間いるときは、頻繁に塗り直すことが大切です」

3.汗をかいたあとに塗り直していない

水泳やシャワーのあとに塗り直す癖がある人も、発汗が日焼け止めの効果を弱めることは忘れがち。

ムラード医師によると、公園を走るときやビーチで運動するときは発汗量に気を配り、必要に応じて塗り直したほうがいい。

「大量に汗をかいたり、泳いだり水に入ったりするときは、ウォータープルーフの日焼け止めを40~80分置きに塗り直しましょう」

1日1回でOKのフォーミュラで作られた日焼け止めは持続時間が長く、オイルフリーの日焼け止めはニキビの原因になりにくい。

4.SPFが低すぎる

SPFはUVB(紫外線B波)に対する防御効果を示す指数。UVBは日焼けや皮膚がんの原因となる紫外線。

英国皮膚科財団はSPF30以上の日焼け止めを推奨している。これまでの研究から、十分な量を塗布すれば、SPF30の日焼け止めでUVBが約97%、SPF50の日焼け止めでUVBが約98%カットされることが分かっている。

5.UVAの防御レベルが低い

ムラード医師によると、SPFが示しているのはUVBに対する防御効果だけ。

日焼けのもとになるのは確かにこのUVB。でも、UVA(紫外線A波)から肌を守るのも絶対不可欠。「むしろ最も有害な紫外線はA波なので、UVAとUVBの両方をカットするブロードスペクトラムの日焼け止めを使うことが大切です」

ムラード医師いわくUVAは一年中強く、雲や窓を通り抜けるので注意が必要。「そのうえUVAは、肌の早期老化、コラーゲン分解、さらには皮膚がんの一因となります」

UVAの防御レベルはPA+~PA++++の4段階で表示される。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Roberta Lister Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。