クリーミーで自然な風味、南国を思い出させるような花の香りとキャンディのような甘みを併せ持つマヌカハニーは、朝の紅茶、スムージー、オートミールと相性抜群。でも、このハチミツを朝食でしか使わないのはもったいない。マヌカハニーを軟膏のように塗れば、肌にうれしい効果がある。「ハチミツは何千年も前から使われている自然なスキンケア成分です」と説明するのは、皮膚科専門医のグロリア・リン医学博士。「もともとはケガやヤケドの治療に用いられていたハチミツは、現在でも世界各国の伝統医学で親しまれています」

ニュージーランドの植物マヌカの花蜜を集めるミツバチによって作られたマヌカハニーの美容効果は、普通のハチミツ以上に高い。そこで今回はマヌカハニーをスキンケアの主役にするべき3つの理由とそのコツを、アメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。

1.肌によいことが科学的に証明されている

治癒・鎮静作用がある

「ほとんどの種類のハチミツには、抗菌作用のある過酸化水素が含まれています」とリン医師。「それに加えてマヌカハニーはメチルグリオキサールも含んでいるぶん他のハチミツと異なりますし、抗菌作用も高くなります」。だからマヌカハニーを肌に使うと、全体的にコンディションがよくなって治癒が早くなる。リン医師いわくマヌカハニーは抗炎症作用も有しているため、一部の皮膚疾患(アトピー性皮膚炎や湿疹など)の治療でも役に立つ。

保湿力が高い

リン医師が湿疹の患者さんにマヌカハニーを勧めているもう1つの理由は、保湿力が高いから。マヌカハニーは皮膚の水分量を増やして、水分の喪失を防いでくれます」。それゆえにマヌカハニーは乾燥肌の人にもオススメ。

抗酸化物質が豊富

「マヌカハニーはモノフローラル、つまりマヌカ以外の花蜜をほぼ含んでいない純度の高いハチミツなので、抗酸化物質とビタミンが普通のハチミツより多いと言われています」とリン医師。抗酸化物質はフリーラジカルによる肌ダメージを減らし、シワを目立ちにくくしてくれる。

2.使い勝手がいい

マヌカハニーの使い方はいろいろある。生のマヌカハニーを肌に直接塗ってもいいし、マヌカハニー配合の美容商品を使ってもいいし、食べてもいい(この詳細はのちほど)。

リン医師によると、顔に薄く塗って10分間放置すれば毎日のフェイスパックになるけれど、マヌカハニーならなんでもいいわけじゃない。「マヌカハニーの品質、有効性、真正性を評価するシステムは2つあります」。1つ目のUMF(ユニーク・マヌカ・ファクター)は、その商品が正真正銘のマヌカハニーであり、厳格な品質基準に合致することを示す数値。2つ目のMGOは、マヌカハニーの有効成分であるメチルグリオキサールの含有量を示す数値で、MGOが高ければ高いほど効果が高いということになる。「このような評価システムは、虚偽の広告やニセモノのマヌカハニーの流通を防ぐうえで重要な役割を果たしています」とリン医師。

肌に塗布する場合でも食べる場合でも、UMF認証を受けていてMGO400+のマヌカハニーであれば間違いない。このグレードのマヌカハニーは滑らかで、キャラメルのような味わい。もちろん持続可能な手段で採取され、全段階で品質と完全性を厳密に監視できる特殊な施設で加工・瓶詰めされるから安心・安全。

マヌカハニーやマヌカハニー配合の商品を顔に塗るときは、必ず事前にパッチテストを。「それで発赤、炎症、湿疹が見られる場合は、その商品が肌に合わないのかもしれません」とリン医師。ハチアレルギーがある場合もマヌカハニーは避けたほうがいい。

3.体の内側からも効く

リン医師の話では、マヌカハニーを口から摂取すると、その抗菌作用と抗炎症作用で腸の健康と機能が促進されて、結果的に肌の状態が改善することもある。このつながりは“腸皮膚相関”と呼ばれており、「腸の健康状態は肌に影響を与えるという考えに焦点を当てた新たな研究分野」になっているそう。これまでの研究で分かっているのは、腸の有害な細菌が免疫系を刺激して炎症を引き起こすと、皮膚の細菌バランスが乱れて肌バリアが弱くなり、肌の潤いやハリが失われて過敏になること。「腸の炎症を抑えれば、血流に乗って肌に悪影響を与える有害な細菌が減少します」

ニュージーランドのマヌカヘルス社はマヌカハニーが肌に与える効果を証明するため、消費者を対象とした調査を実施。参加者がMGO400+のマヌカハニーをティースプーンで1日1杯摂取したところ、28日後のアンケートで参加者の88%が「肌が元気になった」、79%が「肌が明るくなった」と答えた。参加者からは「肌が柔らかくなった/落ち着いた/滑らかになった」「赤みや過敏が治まった」「全体的に肌ツヤがよくなった」という声もあった。
 
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Sarah Ferguson Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。