真っ赤なニキビができるのは思春期だけだと思ってる? 残念ながら、ニキビは人を年齢で差別しない。米国皮膚病学会によると、とくに女性は(30~50代になっても!)ニキビができやすいというから困る。

10代をニキビ知らずで過ごした人が大人になってから顔(アゴのライン、口の周り、おでこなど)や体(背中や胸など)のニキビに悩むことも少なくない。これは俗にいう“大人ニキビ”。

大人ニキビは厄介なだけでなく、ときとして痛みを伴う。専門家によると、その原因は大抵ストレス、家族歴、ヘアケア/スキンケア商品、薬の副作用、基礎疾患、ホルモンにあるのだとか。

なかでもとくに多いのは、ホルモンに端を発する“ホルモンニキビ”。

今回は、アメリカ版ウィメンズヘルスからホルモンニキビの治し方を見ていこう。

ホルモンニキビとは?

美容皮膚科医のミシェル・グリーン医学博士によると、ホルモンニキビは、その名の通りホルモンバランスの乱れによって生じるニキビ。

ホルモンバランスが乱れると、ニキビができてしまう理由

これは毛穴が詰まるから。美容クリニック『Dr. U Hair and Skin Clinic』の創業者兼CEOで皮膚科専門医のサヌシ・ウマル医学博士によれば、ホルモンバランスが乱れると、皮脂が過剰に分泌されたり、角質や細菌が蓄積したりすることがある。

「ホルモンニキビには、思春期、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、更年期、生理周期、アンドロゲンの増加が絡んでいることもあります」とグリーン医師。「ストレスと食生活も関係しますよ」。妊娠したとき、避妊ピルを飲み始めたとき/やめたときもホルモンニキビに要注意。

ホルモンニキビの見分け方

a young woman concentrating as she squeezes a pimple
Halfdark//Getty Images

ニキビの根本的な原因が分かれば、効果的な治療法も見つけやすい。その一例として、スキンケア商品が原因になっているなら、その商品の使用をやめるだけでこと足りる。でも、原因がホルモンにあるときは、それほど単純な話じゃなくなる。

グリーン医師によると、ホルモンニキビは嚢胞(分泌液が溜まった袋)の形状を見せることが多く、成人ではアゴやアゴのライン、思春期ではTゾーンにできやすい。でも、ウマル医師いわく白ニキビや黒ニキビ、丘疹(きゅうしん)、膿疱(膿が溜まった袋)の形状を見せることも珍しくない。だからニキビは医師に見せて、種類を見極めてもらうべき。

ホルモンニキビには、“パターン”があることも少なくない。「ホルモンニキビは、同じ場所に周期的に現れることが多いです」とグリーン医師。「大人ニキビの患者さんには、毎月この週になると目立つとか、ストレスが多いと増えるという方が多いですね」

ホルモンニキビの治し方

ホルモンニキビには、多方面からアプローチがかけられる。

市販のニキビ治療薬を使う

「過酸化ベンゾイルはニキビと戦う素晴らしいスキンケア成分で、数々の洗顔料やニキビ治療薬に使われています」とグリーン医師。「皮膚表面の細菌と毛穴に詰まった余分な皮脂を取り除き、ニキビを乾燥させてくれます」。サリチル酸も抗炎症作用のあるスキンケア成分で、古い角質をやさしく取り除いてくれる。「サリチル酸は毛穴の奥深くまで浸透し、古い角質、老廃物、皮脂を除去してくれますよ」。ティーツリーオイルは、抗炎症作用と抗菌作用を併せ持つ天然の治療薬。ウマル医師の話では、緑茶が効くという人もいる。「緑茶は体内の炎症を抑えてくれます。普通に飲んでもいいですし、緑茶エキスが最低でも2%含まれたローションかジェルを患部に塗ってもいいですよ」

ストレスを管理する

グリーン医師によると、定期的なエクササイズや瞑想でストレスを減らせば、体の“戦うか逃げるか”反応(ストレス反応)でホルモンバランスが乱れてしまうことも減る。

食生活を改善する

ホルモンニキビを自然な方法で治したいなら、乳製品や高脂肪の食品は控えめに。「乳製品、トランス脂肪酸、飽和脂肪酸、GI値が高い炭水化物は、ニキビのもとになるホルモンの量を増やすことが分かっています」とグリーン医師。カラフルな野菜とフルーツを取り入れて、お肉は赤身ではなく脂肪分が少ないものを。

病院で薬をもらう

「ニキビには、塗るタイプと飲むタイプの抗生物質も有効です」とグリーン医師。「クリンダマイシンとエリスロマイシンは塗るタイプの抗生物質で、肌のニキビ菌を減らして炎症を抑えます。化膿したニキビ(赤い/ヒリヒリする/触ると痛いなどの症状を持つ)には、ドキシサイクリンのような飲むタイプの抗生物質が使われるかもしれません」。皮膚科医と話し合い、最適な治療法を見つけよう。

ホルモンニキビは、どのくらいで治るもの?

グリーン医師によると、体のホルモンバランスが安定すればホルモンニキビも自然と治る。でも、「ホルモンバランスは変動するので、ニキビが周期的に現れる可能性はありますね」

ニキビ自体は1週間で消えるかもしれないけれど、瘢痕は一生消えない。「だから皮膚科で診察と治療を受けることが大切なんです。ホルモンニキビは、放っておくと何年も治らないことがありますよ」

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Brigitt Earley Translation: Ai Igamoto