厄介なものと聞いて、まず思い浮かぶのはニキビ。顔はもちろん、どこにできても気が滅入る。水着を着ようと思ったら、お尻に嫌なブツブツが。一体なぜ? まず、この膿が詰まったブツブツは“正式なニキビ”じゃない。少なくとも、顔にできるニキビとはタイプが違う。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。
「お尻のニキビは、ホンモノのニキビというより毛包炎です」と説明するのは、米マウントサイナイ病院皮膚科の美容整形・臨床研究ディレクター、ジョシュア・ツァイヒナー医学博士。「毛包炎は、毛包(毛穴)が赤く腫れたり膿を持ったりする軽度の感染症です」
なるほど。でも、その毛包炎は、どうやって治せばいいの? 皮膚科医公認のアプローチで、赤ちゃんのように柔らかくツルツルのお尻を取り戻そう。
お尻にニキビができる理由
お尻ニキビの原因は、毛穴詰まりと細菌感染のコンビネーションであることが多い。でも、米マウント・サイナイ・アイカーン医科大学臨床皮膚科学助教授のゲイリー・ゴールデンバーグ医学博士によると、ほとんどの場合は毛穴詰まりに最大の要因があるそうなので、ここからは、お尻の毛穴が詰まってしまう6の理由を見ていこう。
1.ホルモン
皮膚科医のヘザー・ウーレリー=ロイド医学博士によると、お尻ニキビにはホルモンも関係している。毛包炎の原因となる細菌の異常増殖を引き起こしたり、悪化させたりするのはホルモンじゃないけれど、だからといってホルモンが無関係というわけじゃない。「月経周期に伴うホルモンバランスの変化で毛包の粘膜がさらにベタベタになった結果、毛穴が詰まり、ニキビができることもあります。この場合、主犯となるホルモンは大抵アンドロゲンですね」
2.汗で濡れた服を長時間脱がずにいる
毛穴の上に汗がとどまると、汚れやほこりが閉じ込められてニキビができる。ワークアウトをしたあとは、すぐにシャワーを浴びて服を着替えて。あまり時間がないときは、ウェットティッシュで細菌と汗を拭き取ろう。
3.座りすぎ
摩擦が原因で毛包炎になることも珍しくない。しかも座っている時間が長いと、圧力で毛包炎が悪化する。アメリカ版ウィメンズヘルス諮問委員会のメンバーで皮膚科医のモナ・ゴハラ医学博士も「座り仕事の人は頻繁に立つ努力をしてください」とアドバイス。
4.下着を毎日替えていない
何日も同じ下着を履いていると、ニキビの要因となる汚れ、汗、余分な皮脂が皮膚に付着してしまう。下着は必ず毎日替えて。
5.ピッタリした服を着ている
お尻ニキビの陰に、お気に入りのスキニージーンズやレギンスがあることも。ピッタリした服は皮膚に擦れるだけでなく、汗と皮脂を閉じ込めるので、毛穴が詰まりやすくなる。
6.いつも水着
夏はお尻のニキビが増える? ピッタリしていて、濡れていて、下着と同じくらい肌に近いものと言えば? そう、水着。泳いだあとは、できるだけ早く着替えよう。
お尻ニキビの治し方
1.エクササイズのあとはすぐにシャワー
「ワークアウトの直後にシャワーを浴びれば、皮膚の表面に蓄積した汗、皮脂、汚れが取り除けます」とツァイヒナー医師。
2.抗菌ボディソープを使う
ウーレリー=ロイド医師は、殺菌性のある次亜塩素酸ナトリウム配合のボディソープの使用を勧める。お尻の皮膚が敏感で、刺激の強いボディソープに耐えられないなら、抗菌せっけんを使って。
3.過酸化ベンゾイルを使う
過酸化ベンゾイルには抗菌作用があるので、ニキビにも毛包炎にも効果的。
4.毎日保湿
マイアミ・ビーチバムは、お尻ニキビのために作られた商品。ウォータースポーツの大ファンという創業者のアリッサ・ディ=ピエトロは、いつもビキニを着ているせいで、お尻ニキビに悩まされていた。そこで彼女は、植物性の成分で肌バリアを再建し、細菌叢のバランスを整える商品を生み出した。肌が好むpH値で、主要成分のアロエは皮膚の酸外套(さんがいとう)を修復し、オレガノは細菌をやっつけて、皮膚のエコシステムのバランスを整える。ディ=ピエトロ自身は1日1回シャワーのあとに使っており、そのおかげで背中もお尻もツルツルピカピカなんだとか。
5.サリチル酸で毛穴詰まりを取り除く
お尻ニキビにはサリチル酸も効果的。サリチル酸はベータヒドロキシ酪酸(BHA)の一種で、余分な皮脂と角質を取り除き、毛穴が詰まらないようにしてくれる。シャワー後の使用がオススメ。
6.グリコール酸かアゼライン酸で黒ずみを薄くする
グリコール酸は、毛穴詰まりの原因となる古い角質細胞と余分な皮脂を取り除き、アゼライン酸はニキビ菌をやっつける。「どちらの成分にも、ニキビや炎症炎が治ったあとの黒ずみを薄くする作用があります」とツァイヒナー医師。
ウーレリー=ロイド医師によると、市販の商品が効かないときは、病院でアゼライン酸15~20%配合の治療薬を出してもらえるかもしれない。
7.正しく剃る
世の中には、お尻の毛を剃る人もいる。「剃るときは、毛の流れに沿って剃りましょう」とゴハラ医師。ヒリヒリを避けるための「シェービングクリームもたっぷり使ってくださいね」
8.皮膚科医へ行く
自分でできることを全部やってもダメなときは病院へ。ウーレリー=ロイド医師によると、皮膚科では、抗生物質の塗り薬、症状がひどいときは、抗生物質の飲み薬が処方されるかもしれない。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Celia Shatzman, Maddie Aberman And Josey Murray Translation: Ai Igamoto