毎月生理前になると必ずおなかのハリや腹痛に悩まされているという人は、この記事がPMSの改善に役立つかもしれない! 最新の研究結果を見ていこう。

どんな症状であれPMSにならないためにできることは、シンプルに食生活を正すこと。特に重要なのは、鉄分を十分に摂取すること。疫学専門誌『American Journal of Epidemiology』に掲載された新たな研究によると、鉄分の摂取量を増やすことで、PMSの症状が現れるリスクを低減できることがわかった。この実験では、10年にわたって3000人以上の女性の食生活を分析したところ、鉄分の摂取量が多い女性は、鉄分の摂取量が少ない女性に比べて、PMSに悩まされる確率が30%も低いことが明らかになった。

PMSと鉄分の関連性については、体内における鉄分の役割を理解すれば筋が通る。鉄分はセロトニンの生成に深く関与しており、体内でセロトニンが不足すると、PMS関連の症状が身体的にも感情的にも現れる原因になると説明するのは、マサチューセッツ大学アマースト校の准教授を務めるエリザベス・ベルトーネ=ジョンソン博士。

皮肉にも、妊娠可能年齢である女性は、鉄不足に陥るリスクが高い。なぜなら、毎月の生理が来るたびに、多くのミネラルを失うから。とは言っても、1日の推奨摂取量さえ満たせていれば十分。「1日の推奨摂取量を少し上回るくらいだと、最も効果がみられています」と、ベルトーネ=ジョンソン博士。

鉄分は、レンズ豆や牛肉、栄養が強化されたシリアル、ほうれん草などの食品から、1日あたり10.5mg(※)を摂取することが推奨されている。また、ビタミンは体内の鉄分の吸収率を高めてくれるので、鉄分が豊富な食材を食べるときは、なるべくビタミンCの供給源と一緒に摂るように意識してみて。それでも鉄不足が改善しない場合は、サプリメントを服用すべきか医師に相談すること。鉄分のサプリメントだけではPMSを効率的に対処していくことはできないけれど、ベルトーネ=ジョンソン博士いわく、鉄分が豊富な食品と組み合わせると効果が得られやすい。

ただし、鉄分の摂りすぎには注意! 1日に45mg以上の鉄分を摂取した場合には、鉄中毒のリスクにさらされる恐れがあるほか、心臓病の発症率を増加させると示唆する研究もある。

最後に、PMSの症状を救う鉄分以外の栄養素も覚えておこう。過去の研究によると、カルシウムやビタミンD、ビタミンB群のチアミンとリボフラビンの摂取量を増やすと、PMSに対してプラスの効果を発揮することがわかっている。ただし、カリウムの摂り過ぎには要注意。カリウムを3.7g以上摂取した場合には、PMSのリスクを増加させるとベルトーネ=ジョンソン博士は論文で忠告している。

 
※厚生労働省による日本の成人女性の鉄分の推奨摂取量

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Marygrace Taylor Translation: Yukie Kawabata

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