生理痛を緩和する、覚えておきたい12の食べ物を専門家が解説
日々の食事に簡単に取り入れられるものばかり！ もちろん、生活習慣を整えることもお忘れなく。
毎月私たち女性を悩ませる、生理。生理痛には個人差があり、軽い不快感で済むときもあればすっかり弱ってしまうこともあり、月によっても症状は異なる。そんな痛みを和らげる方法のひとつが、食べ物だ。
そもそも、なぜ生理痛の有無に個人差があるのだろう？ これは、「プロスタグランジン」という生理活性脂質に起因する。アメリカの総合病院メイヨー・クリニックによると、この物質は生理時に子宮の筋肉を収縮させるきっかけになるとのこと。プロスタグランジンのレベルが高いほど、ひどい収縮を引き起こすと言われている。
とはいえ、生理痛の程度には複数の要因が関係しており、産婦人科医のウェンディ・トゥルボウさんは「（その要因には）出血量や子宮頸管の状態、体内の炎症の度合い、本人の痛みの知覚などが含まれます」と説明する。
ここで朗報は、いくつかの食品が生理痛を和らげるのに役立つということ。この記事で紹介する食べ物は痛みを直接的に消してくれるわけではないが、生理痛につながる体のプロセスやホルモンに影響を与えうるという。
なお、不快な生理の期間を少しでも穏やかに過ごすためには、加工食品を避け、十分な睡眠をとり、ストレスをコントロールし、ホルモンバランスをサポートするサプリメントを摂取するといい、とトゥルボウさんはアドバイス。大切なのは、こうした生活習慣を生理中だけでなく1カ月通して続けることだそう。
では、生理の不快感や痛みを和らげてくれる食品を以下でチェックしていこう。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
From Women's Health US
アボカド
登録栄養士のアリ・マジアーさんによると、アボカドにはオメガ3脂肪酸とマグネシウムが含まれており、どちらも生理痛の緩和をサポートするという。
「オメガ3脂肪酸は炎症を抑え、プロスタグランジンの過剰な生成を防ぐ働きがあります」と彼女は述べる。また「自然の弛緩剤」と呼ばれるマグネシウムには、平滑筋を緩やかにし、プロスタグランジンの生成を低下させる働きがあるそう。
アブラナ科の野菜
登録栄養士のモーガン・グッドスタットさん曰く、エストロゲン優位の状態や、エストロゲンが分解されず過剰になると、子宮内膜症や月経困難症の原因になることもあるのだとか。
「ブロッコリーや芽キャベツには、抗酸化物質や、肝臓での過剰なエストロゲンの無毒化を助ける栄養素が含まれています。また、食物繊維が豊富な食品はエストロゲンの吸収をサポートして腸からの排出を促します」
ケールやカリフラワーなどアブラナ科の野菜は、余分なエストロゲンを体外に排出し腸の働きをサポートすることに役に立つが、規則正しい生活を送ることも重要。
葉物野菜
マジアーさんによると、ほうれん草やスイスチャードには抗炎症成分、食物繊維、マンガン、ビタミンEが豊富に含まれているそう。
「食物繊維をしっかりとると、腸内フローラが健康に保たれ、正常なエストロゲンの代謝のサポートとなるため、PMSの軽減にもつながります」と彼女は述べる。ビタミンEはプロスタグランジンの生成を抑制し、マンガンが不足すると生理痛が強くなってしまうことになるとのこと。
発酵食品
ヨーグルト、キムチ、漬物、味噌といった発酵食品には、腸を健康に保つプロバイオティクスが含まれており、エストロゲンのバランスや生理痛には重要だとマジアーさん。
これは発酵食品に含まれる善玉菌によるもので、腸内フローラのバランスを整え、エストロゲンの代謝や排出を調整してくれる。加えて、カルシウムが不足すると筋肉の収縮や痙攣が強くなるため、発酵乳製品を積極的に取り入れたいところ。
カモミールティー
カモミールティーには抗炎症成分が含まれており、痛みの原因となる特定の酵素を抑制し、痛みを和らげてくれる、とマジアーさん。
なお、2019年に『Journal of Pharmacopuncture』に掲載された論文によると、カモミールティーは生理痛が始まる前（つまり生理の数日前）に飲むのが最も効果的だという。
ペパーミントティー
ペパーミントには、痛みを鎮める効果があるとされている有効成分メントールが含まれている。
これにより、生理痛の期間や重症度が軽減されることが、2016年の『Iranian Journal of Nursing and Midwifery Research』の研究で明らかになった。
サーモン
プロスタグランジンは主にオメガ6脂肪酸から作られるが、もともとオメガ6脂肪酸は炎症を起こしやすいとグッドスタットさんは説明する。
「健康のためには、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をいい割合でとりたいところです」とグッドスタットさん。オメガ3脂肪酸を積極的に摂りたいときには、サーモンやイワシが最適。
ショウガ
2019年に『Journal of Obstetrics & Gynecology Science』に掲載された研究で、ショウガに生理痛の痛みや強さを和らげる効果があることがわかっている。
ショウガには抗炎症作用があり、また、胃を落ち着かせPMS（月経前症候群）の主要症状のひとつである吐き気を抑えてくれる効果も。料理に使ったり、紅茶に生姜のスライスを加えて楽しんだりしてもいい。
ターメリック
ターメリックにはクルクミンという成分が含まれており、これには抗炎症作用やホルモン調整作用、鎮痛作用があるそう。
2020年の『International Journal of Molecular Medicine』の研究では、エストロゲン優位や子宮内膜症など、生理痛の根本原因のいくつかに対応することが明らかになっている。
アーモンド、カシューナッツ、クルミ
マジアーさんは、ミネラルと不飽和脂肪酸の供給源として優れているナッツ類もおすすめしている。特にクルミは、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸の宝庫であり、プロスタグランジンの生成を抑えて生理痛を和らげてくれるそう。
また、アーモンドとカシューナッツには、生理痛を緩和するとされるマグネシウムが豊富に含まれている。
パンプキンシード
「パンプキンシードは私の好きな高マグネシウム食品のひとつで、生理痛の軽減にも役立ちます」とグッドスタットさんはコメント。
フラックスシード
フラックスシードは、ホルモンの健康のためにグッドスタットさんがよく食べている食品のひとつだそう。
「食物繊維や健康的なオメガ3脂肪酸が豊富なだけでなく、リグナンという成分が含まれており、これは過剰なエストロゲンを抑えてくれます」とのこと。
Ashley Martens is a wellness writer based in Chicago. With a lifelong passion for all things health and wellness, Ashley enjoys writing about topics to help people live happier and healthier lives. With a foundation in fitness, food, and nutrition, Ashley covers it all including sexual health and travel topics. Ashley is also a NASM-certified personal trainer and group fitness instructor.
高校生時代にアメリカンカルチャーの影響を受け、大学在学時にアメリカ・シアトルにてホームステイを経験。海外ドラマに関するWEBメディアでライターを務める。海外エンタメ・セレブ、ロイヤルファミリー、ヘルス・ウェルネス記事をメインに、翻訳を担当。手話技能検定3級、世界遺産検定2級、アロマテラピー検定1級を持つ。
