透き通るような青がきれいな、ヘルシーなお茶がブームの兆し。その正体はバタフライピー・ティー。
色水のように青がきれいなお茶って知ってる? 初めて見たら思わず着色料を使っているの? とその鮮やかな青にびっくりするかもしれないこのハーブティー。実はこの色は天然のもの。
バタフライピー・ティーとは?
このお茶はバタフライピーというマメ科の植物の花の部分を乾燥させて、お湯を注いで抽出したもの。タイではアンチャンとも呼ばれ、日本名は蝶豆と呼ばれる。
バタフライピーは東南アジアでは庭や道路など、どこにでも生えていてよく見かける植物。アジアではハーブティーや料理によく使われているので、旅行先で見かけたことがある人もいるのでは。特にタイやマレーシアでは料理だけでなく石鹸やシャンプーなどにも使われることがある。
ナシクラブというマレーシアの料理は、このバタフライピーで炊いた青いご飯に魚肉、揚げせんべいとピクルスを添えたもの。タイでは、もち米にマンゴーとココナツソースを乗せたカオニャオマムアンがこの青いお米の時も。
鮮やかな青は美容効果も多いアントシアニン
そして、特徴的な青はブルベリーなどにも含まれるアントシアニン由来。アントシアニンは眼精疲労にも効果があるだけでなく、抗酸化成分が豊富なのでアンチエイジングにも。メラニンの沈着を抑えてくれるので、美肌にもよいそう。さらに頭皮の血行をよくしてくれるので髪の毛に悩む人にもよいなど、身体に嬉しい効果がたくさんあるバタフライピー。さらにタイでは、消化を促すとしてマッサージの前後に飲むことも。
嬉しいのは美容効果も期待できるだけでなく、カフェインレスなのでカフェインを控えたい人、特に妊娠中や授乳している人も安心して飲めること。ホットでもアイスでも飲めて、アレンジもできるので好きな飲み方を探して。
ホットでもアイスでも楽しめる
鮮やかな色に反して、味もなく、香りもないのがこのハーブティー。普通は煮出して飲まれることが多いけれど、ホットでもアイスでもOK。煮出す時間が長いほど青は鮮やかに。
アイスの場合は、そのままで飲むのもいいけれど、ハチミツやミント、パッションフルーツなどのフルーツを入れても。酸味のあるフルーツと一緒にカクテルに使われることも。
バタフライピーは無味無臭なので、単品だけでなく、他のハーブティーとブレンドしても。相性がよいのはさっぱりとしたレモングラスな、甘さが欲しければ甜茶などと組み合わせて。
色変わりの性質を活かして
このバタフライピー・ティーは酸によって色が変わるという面白い性質も。そのままでは青いけれど、レモン汁や酢を注ぐと紫色に変わる。この性質を使ってグラデーションのきれいなドリンクなどを作ってみても。
たとえば、オレンジジュース、氷、バタフライピー・ティーと順番にコップに注げばオレンジから紫のグラデーションを楽しめるドリンクに。ミルク、氷、バタフライピー・ティーなら下は白く、上が鮮やかなブルーに。グラデーションドリンクを作るポイントは、それぞれをゆっくりと注ぐことと、バタフライピー・ティーは少し濃い目に煮出すこと。
バタフライピー・ティーのきれいなブルーを活かした自分なりのアレンジで楽しんでみて。
Text:Noriko Yanagisawa
レシピ開発や商品開発、食品のマーケティングに携わる。野菜ソムリエの資格を活かし、旬の食材を使った季節感のあるレシピを提案。海外生活の経験から、日本だけでなく海外のトレンドも取り入れることが得意。自身の経験を活かしたママや子ども向けの提案も行っている。