ここ数年、トランポリンの人気が明らかに再燃している。飛び跳ねるのがやめられないセレブも、ミシェル・キーガン、デミ・ロヴァート、ジュリアン・ヒュー、ゴールディ・ホーン、ケイト・ベッキンセイルと、数え出したらきりがない。

現に、米テレビドラマ『ブラシック』に出演中のミシェル・キーガンは、ミニトランポリンで有酸素運動をしている自分の動画をシェアしたばかり。

下の動画を見る限り、エヴァ・ロンゴリアもミニトランポリンの大ファン。

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トランポリンブームはハリウッドから世界各地にも広がっている。イギリスのフィットネスクラブ((BOUNCE))は、2014年、創業者のキンバリー・ペリーが中古のトランポリン8台を200ポンドで購入し、エセックスの賃貸スタジオに設置したことから始まった。2022年現在、((BOUNCE))は英国だけで320カ所のスタジオを持ち、毎月47000人が通う巨大ネットワークに成長している。

みんなが夢中のトランポリンには一体どのような効果があるのか? それを探るべく、イギリス版ウィメンズヘルスのエディター、キルスティ・ビュイックは1週間のミニトランポリンワークアウトにコミットしてみた。詳しく見ていこう。

そもそも、トランポリンは効果的なワークアウト?

トランポリンには12歳以下の子供向けのアクティビティというイメージがあるけれど、健康に関する研究・教育機関The Cooper Instituteのシニア調査員で米国スポーツ医学会特別研究員のスティーブ・ファレル博士いわくトランポリンは三拍子揃った有酸素運動。

「トランポリンは、筋肉レベルで大量の酸素を消費して、大きな筋肉群を鍛えつつ、継続的に楽しめるアクティビティです」

トランポリンワークアウトはなぜ人気?

ペリーいわく人気の秘密は、その楽しさにある。トランポリンは苦しいだけのワークアウトと違って、みんなが楽しめるワークアウト。「退屈な運動は面倒な仕事のように思えてきますが、トランポリンで飛び跳ねるのは本当に楽しいですから。ワクワクするような振り付けもあって、これほど楽しいワークアウトはありません」

もちろん楽しいだけじゃない。「個人の頑張り度合いによっては、対面のクラスなら1回で700kcal以上、45分のオンラインクラスでも約520kcalのカロリーが消費されます」

とはいえ、カロリーの消費量は人によって違うので、あまり気にすることはない。それよりもベストを尽くして、トランポリンのクラスから得られるものを全部得ることが大切。

トランポリンワークアウトのメリットは?

トランポリンワークアウトは本当に低衝撃。ペリーによると、トランポリンのマットは衝撃の80%以上を吸収する。「トランポリンには、骨密度を高くして、ウイルス・毒素・細菌・老廃物・古い角質を体内から排出するリンパの流れを改善する作用もあります」

トランポリンワークアウトは以下の点でも役に立つ。

・有酸素能力を高める
・コーディネーション能力とバランス感覚を向上させる
・体組成を改善する
・血圧を下げる
・下半身を強くする
・骨密度を上げる

トランポリンワークアウトはダイエットにいい?

1日の総カロリー消費量を増やすエクササイズなら何でもダイエットの役に立つ。2018年の研究では、過体重のイタリア人女性が12週間のトランポリンプログラムに参加したところ、ウエストが細くなり、体脂肪が少なくなって筋量が増えるなど、体組成が「著しく」改善した。

トランポリンワークアウトはランニングと同等の有酸素運動になる?

トランポリンとランニングには共通点が意外と多く、どちらも同じくらい体によい。でも、米国運動協議会の論文によると、トランポリンはランニングより体にやさしい。

「硬い路面では足に衝撃が伝わりますが、トランポリンはその衝撃の大半を吸収してくれますからね」とファレル博士。

※トランポリンワークアウトでは、時速約10kmのペースで走ったときと同じくらいのカロリーが消費される。

ミニトランポリンワークアウトを実際に試した結果

自宅にミニトランポリンを置いて1週間毎日跳んだ元イギリス版ウィメンズヘルスエディター、キルスティ・ビュイックの率直な感想は?

トランポリンをするのは、12歳のとき、親友の家の裏庭のバネが錆びたトランポリンでダブルバウンスを試みて以来(ちなみに当時は上手かった)。

これでカロリーが燃えるとは思えないし、HIITより激しいなんて信じられない。でも、((Bounce))のミニトランポリンは折りたたみ式で収納しやすく、私のホームジムにピッタリだった。

1.すべてのレベルに対応している

((Bounce))のオンラインクラスには、進行役を除いてインストラクターが2人いる。1人はシンプルで難易度の低いバージョン、もう1人は小さなダンベルを使って難易度の高いバージョンのデモをする。

もっとハードにできるなら、それに越したことはない。そう思った私はダンベルを用意して、筋肉をイジメ抜く気満々でいた。でも、ウォームアップからクールダウンまで一通り終えたあとは息が切れすぎて、ダンベルを持つのはおろか水を飲むのもやっとだった。

それ以来、トランポリンと一緒にダンベルを出したことは一度もない。

2.コーディネーション能力が問われる

((Bounce))のクラスは1回40分で、複数のトラック(ウォームアップのトラック×1、ジャンプメインの有酸素運動トラック×4~5、腕を集中的に鍛えるトラック×1、体幹がメインのトラック×1、ストレッチのトラック×1)に分けられていた。それぞれのトラックでは一連の振り付けとジャンプが繰り返される。

3曲目に入る頃には汗がダラダラ。リビングで暴れている私を見ながら必死に笑いを押し殺している彼氏には、目をやらないようにした。

3.予想以上に難しかった

フィットネストラッカーによると、初めてのトランポリンクラスで私が消費したカロリーは332kcal強。正直「たったそれだけ!?」と驚いた。有酸素運動系のクラスには数え切れないほど参加してきたけれど、バウンドが加わると次元が変わる。おなかをさすりながら頭をなでるのが難易度5なら、このワークアウトは難易度9。

振り付けが反復的だったのは不幸中の幸い。1曲の中で3種類くらいのシークエンスが何度も繰り返されるので、少なくとも一度は各小節の振り付けについていけた。

その後の私は着実に上達し、4~5回目のクラスでは振り付けを間違えることもなくなった。ここは自分を褒めてあげたい。

4.うるさくはない

トランポリンをフローリングの床に置いていたので、下の階に響かないか心配だった。でも、意外と静かだったので杞憂に終わった。

これはおそらく((BOUNCE))のトランポリンの足に丈夫なゴムが付いているから。自宅用のトランポリンを買うときは、防音・衝撃吸収性もしっかり調べて。

5.幅広いオプションがある

できることはすべてしたいという思いから、私は対面&オンラインジム『LEKFit』の7日間トライアルに申し込み、ストリーミング配信のトランポリンクラスに参加した。((BOUNCE))のクラスに似ている部分もあったけれど、トランポリンを下りてするエクササイズが組み込まれていて、軽めのダンベル、レジスタンスバンド、アンクルウエイトを使うことも多かった。

そういうツールを全部持っていたわけではないので、内容を自分なりにアレンジしなければならないことが多く、自分には((BOUNCE))のサイトにある有酸素運動系トランポリンクラスのほうが合っていると思った。

((BOUNCE))のクラスの唯一の欠点はクラスの時間が決まっていること。ライブ配信ではないけれど、クラスに参加できるのは1日4回(6:30、9:30、12:00、18:30、20:00)だけだった。一方『LEKFit』の動画は好きなときに視聴可能。

((BOUNCE))は1クラスで4.95ポンド、または6クラスで25ポンド

『LEKFit』には7日間のお試し期間があり、その後は月額19.54ポンド

YouTubeにもちゃんとしたトランポリンワークアウトの動画があるので、興味がある人は調べてみよう。

結論として今後も続ける?

1週間試してみて分かったけれど、トランポリンワークアウトは間違いなく関節にやさしくて、カロリーを大量に消費できる有酸素運動。ランニングマシンで感じるズキズキするようなヒザの痛みは一切なかった。

しかも、一度リズムをつかんでしまえば、かなり楽しい。これからはトランポリンが定番の有酸素運動になるかもしれない。

ちなみに、トランポリンワークアウトのバーン感(筋肉がカッと燃える感覚)はジャンプスクワットの比じゃないので覚悟して......。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Kirsti Buick And Ashley Mateo Translation: Ai Igamoto

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Kirsti Buick

Kirsti is a health and fitness journalist, a personal trainer and tech junkie. She’s a South African journalist who followed her passion for health and fitness all the way to the UK, where she now spends her days sweating it up and perfecting her form in gyms all over London. 

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Ashley Mateo is a writer, editor, and UESCA- and RRCA-certified running coach who has contributed to Runner’s World, Bicycling, Women's Health, Health, Shape, Self, and more. She’ll go anywhere in the world once—even if it’s just for a good story. Also into: good pizza, good beer, and good photos.
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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。