とある調査によると、日本のフィットネス施設総数は約8,000。
大型ジムや24時間ジムなど様々な形態がある上に、オンラインや出張型のサービスも含めると10,000を超えると語るのは、パーソナルトレーナーの林健太さん。
「感染症流行の騒動も落ち着き、いよいよ本格的にトレーニングを始めたい人や、運動不足を解消したい人には選択肢が多すぎるくらいです。利便性は最も重要な要素ですが、まずはどんなジムで運動することが継続に繋がるのかを考えてほしいです」
一言でジムと言っても様々な特徴や営業形態、トレーニングの種類がある。まずは大きな分類から自分にどんなジムが合っているのかを選ぶことが先決だと林さん。
「通いやすさやコスト面を比較して選んだジムも、自分の性格やライフスタイルに合わなければ続けることは難しくなります。利便性よりも、楽しさや達成感、時間を作ってでも行きたいという気持ちの方が、継続に繋がることは間違いありません」
日本のフィットネス参加率はわずか3~5%とも言われている。
もちろん定期的に自主トレーニングをしている人はもっといるはずだが、人生で最も大切な健康に関わることをあまり重要視していない人が多いのは事実。
一回の飲み会費用を運動に充てるだけで、もっと元気で活発な人が増えるだろう。
ここからは、ジムのタイプ別にメリット・デメリットと向いている人をご紹介。
①24時間ジム
・主体的★---------受動的
・集中型-------★--継続型
・短時間-------★--長時間
最も通いやすく低コストな24時間ジム。
どんなライフスタイルの人も通えるのは大きなポイントだが、それ故にかなりの主体性が求められる。
「入会したものの、ほとんど通えていない、月に一度も行っていないという人も少なくないのではないでしょうか。冒頭にも述べている通り、いくら利便性やコストパフォーマンスが高くても、通いたいという気持ちがなければお金の無駄遣いになってしまいます」
月に一、二度しか通わないのであれば、ジムの選択からやり直すべきだと林さん。
特に経済的に不安のある人はジムを選び直して、まずは運動の楽しさや必要性を感じてからもう一度入会しても遅くはない。
【向いている人のタイプ】
・一人でなんでもこなしたい人
・ある程度体力に自信があり、トレーニングの機会を増やしたいと思っている人
・ひとまずジムに入会して満足度を高めたい人
②パーソナルジム
・主体的--------★-受動的
・集中型-★--------継続型
・短時間-★--------長時間
今では最もポピュラーとも言えるパーソナルジム。
コストはかかるものの、継続が苦手な人や決められた時間で集中してトレーニングしたい人には向いている。運動が大切なことは分かっているものの、誰かに管理されないと続けられないという人は、多少のコストがかかっても健康に代えられるものはない。
「仕事が忙しい人や、タスクの一つとして組み込んで行うことが好きな方もパーソナルジムが向いていると思います。トレーニングに関することはもちろん、栄養やライフスタイルに関することが気軽に聞けるのも大きなメリットです」
処方されたトレーニングを行う理由とそのメリットや効率の良い栄養補給など、やるからにはとことんこだわりたいという人にもパーソナルジムはうってつけ。
運動に前向きな人ほど知識やノウハウが習得できるので、実はコストパフォーマンスが高いことも。
「パーソナルジムはトレーニングが苦手な人やできない人が通うイメージも大きいですが、実際はその人の頑張りを最大限に引き出してくれる場所です。トレーニングは積極的に行っているものの、現状に満足できない貪欲な人こそ一度通ってみてください」
しかし、一対一のセッションの継続は、人間関係も大きな要因。
まずは知人や家族などの知り合いを通して良いトレーナーを探し、会いに行ってみると良いかもしれない。
【向いている人のタイプ】
・今よりもさらに結果を求める前向きな人
・自分からトレーニングをするのが苦手な人
・仕事と同じようにトレーニング時間をスケジュールに組み込みたい人
③グループレッスン型ジム
・主体的---★------受動的
・集中型--------★-継続型
・短時間----★-----長時間
パーソナルジムとは対極とも言える複数人でのトレーニング。自身の容姿に大きなコンプレックスを抱いている人や、周りの目が気になる人は不向きかもしれないが、実際はそうでないと林さん。
「一度体験に行くと分かるかもしれませんが、実際は周りを気にするほどの余裕もなく、自分自身の動きで精一杯になります。ジムに通うということは運動に前向きな人の集まりなので、ご自身のネガティブな感情も薄れていきます」
初めは馴染めない環境でも、時間と共に他の会員さんやトレーナーとの関係性も深くなってくる。リモートワークやweb会議が多くなり、人と直接触れ合う機会が少なくなった人も、グループレッスンでの交流は思わぬストレス解消に繋がるかもしれない。
また、グループレッスンも種類は様々。
ダンベルやマシンを使うものもあれば、自重のみで行うものやダンスのようにリズムに合わせて行うものもあるので、レベルに応じてステップアップもできる。
「グループレッスン型ジムは、トレーニングはもちろん雰囲気も様々です。選択の幅が広く悩んでしまうかもしれませんが、色々なジムを体験してから一番気になったジムに再度足を運んで相談してみると良いでしょう」
【向いている人のタイプ】
・トレーニングを通して友人や仲間がほしい人
・とにかくたくさん動いて汗をかきたい、達成感を求める人
・心身共に明るく前向きになりたい人
③総合フィットネスジム
・主体的----★-----受動的
・集中型------★---継続型
・短時間---------★長時間
ジムだけでなくスタジオレッスンやプール、トレーニング後のジャグジーなど施設の充実度は圧倒的。
使える施設が豊富な上に、オプションでパーソナルトレーナーにもセッションが依頼できたり、24時間営業の店舗もあったりと、前述のジムを網羅する店舗もある。
特別なレッスンに参加できたり、会員限定イベントに参加できたりと、ライフスタイルの一部に組み込むことができれば、生活の満足度が一気に上がることは間違いない。
「時間に余裕のある人や、休日に時間を気にせずゆっくりとトレーニングやメンテナンスを行いたい人は、通う頻度が少なくても総合型ジムがおすすめです。スタジオレッスンに参加すればその場のコミュニティにも参加できるので、前述の3つのジムのメリットを網羅したい人は総合型ジム一択でしょう」
【向いている人のタイプ】
・お風呂など癒しの空間や時間も求める人
・家族や友人と一緒に運動を楽しみたい人
・一回の満足度を求める人
⑤オンラインジム
・主体的-★--------受動的
・集中型-------★--継続型
・短時間--★-------長時間
一対複数もあれば一対一でのレッスンも可能なオンラインジム。
何よりも移動などトレーニング以外に必要な時間が無くなるのは最も大きなメリット。それ故に多くの方が様々な動画サービスでトレーニングを楽しんでいるのは事実。
「一方通行のビデオ配信型と、トレーナーとコミュニケーションを取りながら行えるライブ型に二分されます。どちらもコンテンツが豊富で安価なので、ジムに通うことも難しい人は、まずは色々なコンテンツを試してみてください」
家に十分なトレーニングスペースがある人や、自粛期間中に様々な器具を揃えてしまったという人はオンラインジムを活用しない手はない。
家でのトレーニング、自重トレーニングと聞くと不十分に感じてしまう人もいるかもしれないが、実際は十分なトレーニングが可能だと林さん。
「コンテスト選手やアスリートを目指す以外の人であれば自宅でも健康維持、増進は十分に可能です。また、方法によっては筋力アップやボディメイクもできますので期待以上の効果が得られることも少なくありません」
ただし大きなデメリットは、通う行動以上に主体性が求められること。トレーニングがいつでもやりたいタイミングで、さらに家の中でできるということは、日常への深い溶け込みが必要不可欠。
通うことによる習慣付けとは全く違うと考えておいて。
幼少期よりプロレスラーに憧れ、中学生の頃からジムに通い始め、高校・大学はアマチュアレスリング部に所属。
卒業後、一度は就職するもプロレスラーの夢を諦めきれず2011年プロレスリング・ノアに入門。練習中の怪我により
選手としてデビューすることはできなかったが、トレーニングを続けることで心身のモチベーションを維持し続けたことがきっかけでトレーナーとしての活動を始める。
インスタグラム: www.instagram.com/kenta_0327_/