海外では「女性には二頭筋、男性には三頭筋」という言葉を聞くことがある。女性は男性の二頭筋に感心して、男性は女性の三頭筋に感心するという意味。だから、上腕を360度引き締めたいなら、二頭筋だけでなく三頭筋(トライセプス)にも目を向けてみよう。今回は、アメリカ版ウィメンズヘルスから二の腕を引き締める16のトライセプス・エクササイズを紹介しよう。

三頭筋とは?

上腕の裏を走る三頭筋は、長頭、外側頭、内側頭の3つの筋肉で構成される。この3つの筋肉は、腕を伸ばすのに使われて、プッシュアップなどの胸中心のエクササイズで活躍する。

エクササイズの種類によって使われる三頭筋の部位は異なる。だから、腕を全体的に締めるには、幅広いエクササイズを取り入れることが大切。

三頭筋をハッキリ浮かび上がらせたい?

woman exercising with dumbbell
John Giustina//Getty Images

せっかくエクササイズをするのなら、腕の筋力と持久力をつけるだけでなく、腕を引き締めて筋肉がハッキリ見えるようにしたい? でも、パーソナルトレーナーのホリー・ローザーいわく、筋肉が浮かび上がるかは、あなたの身体組成次第。「体脂肪が多ければ多いほど、筋肉は見えにくくなります」

それでも、レジスタンストレーニングで三頭筋を大きくする(見えやすくする)ことは可能。「全身の筋力トレーニングに三頭筋のエクササイズを週3回加えてください」とローザー。理想は8~15回を3セット。「最後の2回がギリギリできるかできないかくらいの負荷で行いましょう」

三頭筋エクササイズのコツ

フロアプレス、クローズグリップ・プッシュアップ、オーバーヘッド・トライセプスエクステンションなど定番のエクササイズをものにしたいなら、左右の上腕を平行にして、可能な限り安定させよう。そうすれば鍛えたい筋肉が鍛えられる。

三頭筋を鍛えるワークアウト

所要時間:15分

器具:マット、ダンベル、バランスボール

下記の3つのグループから、好きなエクササイズを1つずつ選んで。

A:ダンベルフロアプレス、シングルアーム・ダンベルフロアプレス、オルタネイト・ダンベルフロアプレス

B:プッシュアップ、クローズグリップ・プッシュアップ、ハンドリリース・プッシュアップ、シングルアーム・スフィンクスプレス、1/2ターキッシュゲットアップからのプッシュアップ、ドルフィンプッシュアップ

C:ライイング・オーバーヘッド・トライセプスエクステンション、トライセプスキックバック、トライセプスディップス、オルタネイト・トライセプスキックバック、オーバーヘッド・トライセプスエクステンション、ニーリング・トライセプスエクステンション、プランク・トライセプスキックバック

それぞれのエクササイズを指定の回数x3セット。1つのエクササイズで3セット終わったら、必要に応じて休憩を挟みつつ、ABCの順番で次のエクササイズへ。例えば、Aのエクササイズを3セット終えたら、次はBのエクササイズに移ったり、自分が好きなエクササイズを普段の上半身ワークアウトに加えたりしてもいい。

それぞれのグループごとにワークアウトのやり方をご紹介。

Aグループ

1. ダンベルフロアプレス

存在しない画像

このポジションなら体が非常に安定するので、ほかのエクササイズより重ためのウエイトが使える。

HOW-TO

1.ヒザを曲げてあお向けになり、足裏を床にピッタリつける。

2.それぞれの手にダンベルを持ち、ヒジを45度に開く。腰を床に押しつけて、ダンベルを胸の上で真っ直ぐ押し上げる。

3.腕を伸ばした状態で一旦ホールド。ゆっくりとヒジを曲げ、上腕が床につくまでダンベルを下げる。

これで1回。8~10回で1セット。

2. シングルアーム・ダンベルフロアプレス

存在しない画像

片腕ずつのエクササイズは、左右の筋力の不均衡を防いでくれる。体幹も鍛えられるので、体の安定性強化にも効果的。

HOW-TO

1.ヒザを曲げてあお向けになり、足裏を床にピッタリつける。

2.左手でダンベルを持ち、左ヒジを45度に開く。右腕は床に寝かせる。

3.腰を床に押しつけて、ダンベルを胸の上で真っ直ぐ押し上げる。

4.腕を伸ばした状態で一旦ホールド。ゆっくりとヒジを曲げ、上腕が床につくまでダンベルを下げる。

片側で8~10回終えたら、反対側で8~10回。これで1セット。

3. オルタネイト・ダンベルフロアプレス

存在しない画像

左右交互のフロアプレスでは、両腕を同時に伸ばすときよりもダンベルの重量を上げやすく、体幹に負荷をかけやすい。

HOW-TO

1.ヒザを曲げてあお向けになり、足裏を床にピッタリつける。

2.それぞれの手にダンベルを持ち、ヒジを45度に開く。腰を床に押しつけて、ダンベルを胸の上で真っ直ぐ押し上げ、腕を伸ばす。

3.左ヒジを曲げ、上腕が床につくまでダンベルを下げる。左手のダンベルをもう一度押し上げたら、今度は右ヒジを曲げる。

これで1回。8〜10回で1セット。

Bグループ

1. プッシュアップ

存在しない画像

プッシュアップは、胸、背中、体幹、臀筋、二頭筋、三頭筋を同時に鍛えるパワームーブ。正しいフォームは三頭筋を引き締めるための近道。

HOW-TO

1.ハイプランクのポジションをとり、肩の真下に手首を置く。

2.体幹を締めてヒジを曲げ、ヒジが90度になるまで体を床に近づける(ヒジは終始45度に開いておく)。

3.体を押し上げてスタートポジションに戻る。これで1回。8~10回で1セット。

2. クローズグリップ・プッシュアップ

存在しない画像

三頭筋の3つの頭を全部カバーするクローズグリップ・プッシュアップは、スタンダードなプッシュアップよりも三頭筋に効果的。

HOW-TO

1.ハイプランクのポジションをとり、肩ではなく胸の真下に手を置く。

2.ヒジを開かず、足のほうに向かって曲げて、体を床に近づける。

3.体を押し上げてスタートポジションに戻る。これで1回。8~10回で1セット。

3. ハンドリリース・プッシュアップ

存在しない画像

これは三頭筋を含む主要な筋肉がすべて鍛えられるエクササイズ。体を床から押し上げる必要があるため、プッシュアップの可動域が自然と広がる。

HOW-TO

1.ハイプランクのポジションをとり、肩の真下に手首を置く。

2.体幹を締めてヒジを曲げ、体を下げて床につける(ヒジは45度に開く)。

3.手を10cmほど浮かせてからもう一度床につき、体を押し上げてスタートポジションに戻る。これで1回。8~10回で1セット。

4.シングルアーム・スフィンクスプレス

存在しない画像

バランスボールを使うと、三頭筋がピンポイントで鍛えられるだけでなく、体幹の強さも試される。

HOW-TO

1.ヒザをついたプランクのポジションをとり、右腕のヒジから下をバランスボールに乗せる。

2.左手を肩の少し先につく。左右の腰を平行にして、ボールが転がらないように気をつけながら、左の前腕を床につく。

3.左腕で体を押し上げ、スタートポジションに戻る。これで1回。8~10回で1セット。

5.1/2ターキッシュゲットアップからのプッシュアップ

存在しない画像

ターキッシュゲットアップはもっとも脂肪燃焼効果の高いエクササイズの1つ。最後にプッシュアップを入れれば、三頭筋がさらに燃える。

HOW-TO

1. あお向けに寝て、左足を真っ直ぐ伸ばす。右ヒザを曲げ、足裏を床にピッタリつける。

2.右手にダンベルを持ち、ヒジを曲げる。ダンベルを肩の上で押し上げる。

3.ダンベルから目を離さずに、背骨を上から巻き取るように床から離し、左腕の前腕だけを上体を支える。

4.腰を床から離し、右足のかかとを使って体を反転させ、ハイプランクのポジションに。プッシュアップを1回したら、動作を巻き戻してスタートポジションに戻る。これで1回。左右それぞれ5回ずつ。

6.ドルフィンプッシュアップ

存在しない画像

好き嫌いは別として、プッシュアップが筋肉に火をつけるのは紛れもない事実。この頭を下にしたバリエーションでワークアウトに変化を持たせて。

HOW-TO

1.体で逆さまの“V”を作り、手のひらをマットに押しつける。かかとを高く上げてヒジを曲げ、上腕を床につける。

2.動作を巻き戻してスタートポジションに戻る。これで1回。10回で1セット。

Cグループ

1.ライイング・オーバーヘッド・トライセプスエクステンション

存在しない画像

スカルクラッシャーとも呼ばれるライイング・エクステンションは、三頭筋の長頭を狙い撃ち。背中に負担がかからない分、腕にフォーカスできるのも◎。

HOW-TO

1.ヒザを曲げてあお向けになり、足裏を床にピッタリつける。

2.それぞれの手にダンベルを持ち、肩の真上でヒジを伸ばす。

3.上腕を固定したまま、ヒジを曲げてダンベルを顔の両側に下ろす。ここで一旦ホールドしてから、もう一度ヒジを伸ばす。

これで1回。8~10回で1セット。

2.ダンベル・トライセプスキックバック

存在しない画像

左右同時のキックバックは難易度が高く、三頭筋の外側頭と内側頭を集中的に鍛えながらも体幹をアクティベートしてくれる。

HOW-TO

1.それぞれの手にダンベルを持ち、ヒザを軽く曲げて立つ。

2.上体を股関節から45度前に倒す。ヒジを閉じ、体の後ろで曲げる。

3.上腕を固定したまま、ダンベルを後ろに押してヒジを伸ばし、三頭筋をキュッと締める。

4.スタートポジションにゆっくり戻る。これで1回。8~10回で1セット。

3.トライセプスディップス

存在しない画像

自重だけでも三頭筋の外側頭と内側頭が一瞬で熱くなる。

HOW-TO

1.ダンベルを平行に置き、その少し手前に座る。

2.脚を伸ばしてヒザを曲げ、つま先を上げる。ダンベルの先端に手をかけて、指を前に向ける。

3.ヒジを伸ばして、お尻を10cmほど浮かせる。これがスタートポジション。

4.ヒジを曲げ、お尻で床をタップしたら、ヒジを伸ばしてスタートポジションに戻る。これで1回。8~10回で1セット。

4.オルタネイト・トライセプスキックバック

存在しない画像

片腕ずつのキックバックなら、動かしていていないほうの三頭筋を休めることができるので、重ためのダンベルが使えるし、初心者にも向いている。

HOW-TO

1.それぞれの手にダンベルを持ち、ヒザを軽く曲げて立つ。

2.上体を股関節から45度前に倒す。ヒジを閉じ、体の後ろで曲げる。

3.右腕を固定したまま、左ヒジを伸ばし、ダンベルを後ろに押して三頭筋をキュッと締める。左ヒジをゆっくり曲げてスタートポジションに戻したら、今度は右腕でリピート。これで1回。8~10回で1セット。

5.オーバーヘッド・トライセップス・エクステンション

存在しない画像

これは三頭筋の長頭と体幹を同時に鍛えるエクササイズ。肋骨が丸まらないように背筋を伸ばして。

HOW-TO

1.両手でダンベルを持ち、腕を伸ばしてダンベルを頭の上に持ってくる。

2.二頭筋は耳の横。ヒジを曲げ、ダンベルをゆっくりと頭の後ろに持ってくる。

3.一旦ホールドしてからヒジを伸ばして、もう一度ダンベルを頭の上に持ってくる。これで1回。8~10回で1セット。

6.プランク・トライセプスキックバック

存在しない画像

プランクは、腹筋や肩、三頭筋といった無数の筋肉を同時に鍛える最強のエクササイズ。キックバックを加えれば、筋肉の活性レベルがマックスに。

HOW-TO

1.ハイプランクのポジションをとり、足の幅を肩より少し広くする。

2.右手にダンベルを持ち、ヒジを曲げて三頭筋を上体に沿わせる。

3.右腕を後ろに伸ばして真っ直ぐにしてから前に戻す。これで1回。左右それぞれ5回ずつ。

7.ニーリング・トライセプスエクステンション

存在しない画像

このエクササイズは、バランスボールに加える圧力次第で易しくも難しくもなる。

HOW-TO

1.正座して、バランスボールを太ももに乗せる。

2.腕を伸ばして、ヒジと前腕をバランスボールの上に置く。ボールの上でヒジを90度に曲げる。これがスタートポジション。

3.ヒジを伸ばして前腕をボールに押しつけ、三頭筋をキュッと締めてからスタートポジションに戻る。これで1回。8~10回で1セット。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Michelle Marques, CPT, Tatiana Firpo, CPT And Julia Sullivan, CPT Translation: Ai Igamoto