年末年始は明るく楽しい気分になれるけれど、なにをするにも罪悪感が付いて回る。

1日5皿分の野菜は確実に摂取したいし、ランニングの自己ベストを更新したいし、高い活力も維持したいのに、朝からスイーツを食べてしまっていいのだろうか? 結論から言うと、いい。

普段から健康的な食生活を送っている人がクリスマスや年末年始にスイーツやワインを楽しんだからといって、いつもの努力が無駄になるわけじゃない。食事から摂取するカロリー量と運動などで消費するカロリー量は、数ヶ月にわたる中期的なスパンで見るべき。たった数週間の気の緩みが長期的なダメージをもたらすことはない。

まずはスイーツの話から。欧米には12月1日からクリスマスまでの24日を1日1枚のチョコレート(ひと口サイズ)でカウントダウンするアドベントカレンダーチョコレートなるものがあるけれど、砂糖の摂取量の上限は1日30g。キャドバリー社のアドベントカレンダーチョコレート1枚に含まれる砂糖の量は2g程度なので、本当に毎朝1枚ずつ食べたとしても心配することはない。

もちろん、砂糖を含む精製糖質を摂りすぎれば、ご存じの通り血糖値が急上昇してから急降下(シュガークラッシュ)してしまう。その結果、活力がガクンと下がり、頭痛やイライラが生じるので注意が必要。

中・長期的な影響には個人差がある。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると余剰分は脂肪として蓄積されるので、それが続けば体重が増えるかも。年末年始の飲み会などでジムに行かなくなってから、どのくらいで体力が落ちるかどうかも人それぞれ。

応用生理学専門誌『Journal Of Applied Physiology』掲載の論文によると、研究チームがトレーニングを中断したマラソンランナーの心臓と血管の健康状態を観察したところ、運動をほとんど/一切しなくなってから4週間で心臓に変化が見られたものの、VO2MAX(最大酸素摂取量)は下がらなかった。でも、一般的には、心拍ゾーンのトレーニングを中断すると、2週間を過ぎた頃から有酸素運動能力が少しずつ下がり始めると言われている。

幸せの秘訣は何事も控えめに楽しむこと。体の燃料補給をしっかりと行って食べすぎさえ防いでいれば、好きなものを我慢する必要はない。

年末年始も栄養たっぷりのお弁当づくりを続け、腹持ちしないサンドイッチをランチにする日が続かないようにしよう。デスクの引き出しにはスナックになるナッツやフルーツを常備して、ビタミンとミネラルが豊富な食事で風邪の予防を。ちょっとした散歩でもいいので、できるだけ頻繁に体を動かすことも大切。

お酒に関しては、ワークアウトと同じくらい頑張って飲んでもまったく自分のためにならない。英国のガイドラインでは1週間の飲酒量の上限が14ユニット(※)とされている。その量を一気にではなく数日に分けて飲み、お酒1杯につき水を1杯飲むことも忘れずに。

確かに年末年始は楽しんでナンボ。でも、健康をないがしろにしなければ楽しめないわけじゃない。

※1ユニットは10mlあたりに8gの純粋なアルコールを含む。蒸留酒25ml、アルコール度3.6%のビールまたはラガー半パイント(約236ml)、またはアルコール度12%のワイン100mlが1ユニットに当たる。

年末年始に向けてストックしておきたいアイテム

chestnuts in the autumn wood
Apostoli Rossella//Getty Images

飽和脂肪が少ないうえに食物繊維が豊富な秋の食材。

野菜ソーセージ

豚肉のソーセージよりヘルシーな代替品でオプションも多数。

ビタミンD3のサプリメント

ビタミンD3は免疫系の強化に不可欠な栄養素。英国では冬の間、1日10mcgの摂取が推奨される。
 
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Rhiannon Lambert Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。