1月7日(日本時間8日)に開催されたゴールデングローブ賞授賞式で、オプラ・ウィンフリーは魅惑的なパープルのガウンを身にまとい、抜群のスタイルを披露した。70歳を迎えた大御所スターは最近、明らかにスリムダウンしたことで注目を浴びている。本人いわくダイエットが成功したのは、定期的な運動と健康的な食生活にプラスしてダイエットピルというホリスティックなアプローチを取ったから。

そこで今回は、これまでにオプラが明かしたダイエットの裏話をまとめて紹介。アメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。

ピルを飲んでいるのは“ヨーヨーダイエット”を防ぐため

2023年12月、『People』誌の巻頭インタビューでオプラは、ダイエットピルに対する自分の考えを明らかにした。

「いまはヨーヨーダイエットを防ぐために必要だと感じるから(ダイエットピルを)使っている」と、ピルの名前を明かさずに語ったオプラ。「自分が生きているうちに体重を管理して健康でいるための処方薬が誕生したというのは、安らぎであり、救いであり、贈り物のように感じる。そのピルを使うのは隠すことでも、笑われるようなことでもない。他人、それ以上に自分で自分を叩くのはもうやめた」

でも、オプラによると、ダイエットピルを飲むだけで体重が管理できるわけでない。むしろ体重管理には、オプラが心身のためにしていること「すべてが関係している」。「私が痩せたのはピルのおかげだと思われているけれど、私は本気で努力した。運動をして、他のことにも気を配らない限り結果は出ない」

オプラはサンクスギビングデー(感謝祭)の前にもダイエットピルを飲んだそう。「2週間ガッツリ食べることが分かっていたから」。そのおかげで今年は体重増加が0.2kgに抑えられた(去年は3.5kg増)。

昨年の夏まではダイエットピルに反対していた

2023年9月、オプラは『Oprah Daily』の中で体重管理に関する討論会を開催。その時点ではダイエットピルに関心がなく「私たちは自分が選んだ体をもっと受け入れるべきじゃない? 個人の選択として」と話していた。「ダイエットピルの話が出始めたのは、ちょうど私がヒザの手術を受けた頃だった。それでも『自分で何とかしなきゃ』と思った。薬を使うのは安易な抜け道だから」

でも、オプラ自身が言うようにダイエットのプロセスは人それぞれ。「自分の体と体重管理のためにどんな選択をするにせよ、その選択は自分自身のものであり、決して恥じるべきものじゃない。シェイミングにはもうウンザリ。この討論会をきっかけにダイエットピルの非シェイミング化が始まってほしい」

のちにオプラは、この討論会の中で「ハッと気付かされた人は観客にも多いはず」と『People』誌に語っている。

「あの討論会の中で私は、太っていることを理由にずっと自分を責めてきたことに気付いた。どんなに意志が強くても、どうにもならない体質なのに。(ダイエット)ピルのことは前から知っていたけれど、私には自力で痩せるだけの意志があることを証明しなければいけないような気がしていた。いまはもう、そんな風に思わない」

ダイエットピルを飲むことを「恥と思わなくなった」オプラはかかりつけ医に相談し、ピルを処方してもらったそう。

目標体重まであと少し

12月の『People』誌に対してオプラは、72.5kgという「目標体重」まであと少しであることを明かした。でも、彼女にとって大事なのは体重計の数字ではなく、より活気にあふれた人生を送ること。

2021年のヒザの手術がダイエットを後押しした

「ヒザの手術を受けてからは毎週ハイキングをしている。少しずつ距離を伸ばして、毎日5~8kmは歩けるようになったし、週末には上り坂が16kmも続くハイキングコースへ行くことも」と『People』誌に語ったオプラ。「これほど自分が強く健康で、生き生きしていると感じたのは久しぶり」

「ハワイでは山のほうに住んでいるけれど、そこに大きな丘があって、毎朝窓越しに眺めては『いつかあの丘を登りたい』と思っていた。そして去年のクリスマスに登ったら......救われた感じがした」

有酸素運動通のオプラが自分のフィットネス習慣について語ったのは今回が初めてのことじゃない。2017年には、起きたらすぐ自宅のジムへ行くことを『The Hollywood Reporter』誌に明かしている。「うちには『Octane』というメーカーの優秀なエリプティカルマシンがあって、電動トレーラーみたいにストライドやアームの幅が調節できる。通常は、エリプティカルを20分やってからランニングマシンで30分のウォーキング。最初は傾斜をレベル3にしておいて、1分ずつ、12~15まで上げていく。そのあとにシットアップ」

心拍数が上がったときは、10~20分のウォーキングか瞑想でクールダウンをしているそう。

体の健康には気を配っているけれど、運動は好きじゃない

『People』誌が報じたところによると、オプラは2020年の『Today』誌に対し「運動はいまでも大嫌い。それでもちゃんとしているけれど」と語った。

「運動を好きになりたいのは、みんな同じだと思う。大好きになることはなくても、自分のために必要なことはしなきゃね」

2015年からウエイト・ウォッチャーズのアンバサダーを務めている

オプラはウエイト・ウォッチャーズと何年も提携しており、いまも健康的な食生活を維持するために同プログラムを利用している。「最後の食事は午後4時で、1日3.5リットルの水を飲む」と『People』誌に語ったオプラ。「ウエイト・ウォッチャーズのシステムに従ってポイントも数えている」

ウエイト・ウォッチャーズ社が2015年に発表したところによると、オプラは同社の株式を10%保有しており、役員とアドバイザーを兼ねている。「ウエイト・ウォッチャーズのツールのおかげで、私を含め体重管理に悩む多くの人が持続性のある変化を起こせるようになった。私は、このプログラムの有効性を心から信じている。だから同社に投資して、その進化を見守っていくことにした」

ウエイト・ウォッチャーズの新プログラムでは肥満治療薬オゼンピックの購入が可能

オプラがウエイト・ウォッチャーズ社の長年のサポーターかつ最大の株主であることを考えれば当然かもしれないけれど、同社はオプラが推す商品を積極的に展開している。CNNによると、ウエイト・ウォッチャーズは肥満治療薬セマグルチドを服用中の会員を対象とした新しいプログラムの提供を開始しており、このプログラムのもとでは同薬を処方できる医師の診察や栄養指導が受けられるそう。

同社のチーフ・サイエンティフィック・オフィサーを務めるゲイリー・フォスター医師は、このプログラムを開始するにあたり次のように述べている。セマグルチドを含む「GLP-1受容体作動薬の服用者にはさまざまな行動変容が現れるため、包括的なサポートが必要です。ウエイト・ウォッチャーズのGLP-1プログラムは、GLP-1受容体作動薬によるフードノイズ(減量の最中に食べ物のことばかり考えてしまうこと)を減らしながら、健康的な習慣の構築と維持をサポートします」

ウエイト・ウォッチャーズは通常月額23ドル。でも、GLP-1プログラムは薬の費用を除いて月額99ドルとなっている。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto

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Korin Miller
Korin Miller is a freelance writer specializing in general wellness, sexual health and relationships, and lifestyle trends, with work appearing in Men’s Health, Women’s Health, Self, Glamour, and more. She has a master’s degree from American University, lives by the beach, and hopes to own a teacup pig and taco truck one day.
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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。