血糖値の管理が重要なのは周知の事実。最近では、血糖値のアップダウンが糖尿病や糖尿病予備軍の人だけでなく万人の懸念事項にもなっている。

でも、正しい方法で体の燃料を補給すれば、血糖値のジェットコースターから降りられるだけでなく、気分がよくなり、スナックや質の低い食品に手を伸ばすことも減る。さらに、満腹感が持続するので体も喜ぶ。

血糖値は、昨今のウェルネス業界どころか現代社会のホットな話題。これには正当なワケがある。まず、食事内容、運動の頻度、ストレス管理に気を配って血糖値を安定させることは、私たちの全体的な健康に欠かせない。高タンパクの食生活は血糖値を安定させて、長期的な健康管理に役立つという研究結果も増えており、朝食に卵を食べれば、糖尿病患者の血糖値が安定しやすくなることも証明されている。

こうした現状を踏まえたうえで私たちは、ベストセラー『The Fast 800』の著者でサイエンス系テレビ司会者およびジャーナリストのマイケル・モーズリー博士にコンタクト。満腹感を高め、気分を改善し、食後のシュガークラッシュを避けるための3原則を直々に教えてもらった。忙しい現代人には、こういう確かなアドバイスしか必要ない。

1.インターミッテント・ファスティングを実践する

インターミッテント・ファスティングは健康志向の人々の間で大人気のアプローチ。食事の時間を制限するインターミッテント・ファスティングが多くの点で健康にいいことを示す研究結果は日を追うごとに増えている。この食事法は、脳機能の改善、糖尿病予備軍の予防および改善、2型糖尿病の症状緩和、ストレス耐性の向上、炎症の軽減に役立つ可能性がある。

インターミッテント・ファスティングには効果の異なる複数のタイプがある。5:2™ダイエットは週に2日だけカロリーの摂取量を減らすというもの。一方の時間制限食(Time Restricted Eating/TRE)は、1日の中で食事が可能な時間を減らすというもの。例として、最後の食事を夜8時に終えて翌朝8時まで食べない場合は、夜の12時間を断食することになるので、12:12のインターミッテント・ファスティングと呼ばれている。就寝の3時間前までに食事を終えれば睡眠の質が改善すると言われているため、夜の断食を14時間に延ばした14:10も人気のあるバリエーション。

地中海式ダイエットに従う(そこに発酵食品をプラスする)

食事の中身に関しては、地中海式ダイエットに従って発酵食品を取り入れるのがベスト。地中海式ダイエットは、心疾患や脳卒中、2型糖尿病、アルツハイマー病、乳がんのリスクを下げるだけでなく、メンタルヘルスと総体的なウェルビーイングにもいいことが証明されている。

地中海式といってもピザやダイエットは含まれず、このダイエットでは新鮮なフルーツ、色とりどりの野菜、オメガ3脂肪酸が豊富な脂の多い魚、豆類、全粒穀物、オリーブオイルをふんだんに摂取する。どれも腸の状態を改善し、炎症を軽減して気分をよくする食品ばかり。

ミールプランを立てる

慌ただしくも便利な今日の社会では、超加工食品の存在が当たり前になっている。ファストフードや冷凍食品は手っ取り早い反面、あなたの動きを遅くする。なぜ? 超加工食品には、血糖値の急上昇や体重の急増を引き起こすアンヘルシーな脂質、塩や砂糖が大量に含まれていて、腸内細菌叢を混乱させる保存料や人工甘味料もたっぷりだから。週に1回、食事の計画と作り置きに充てる時間を捻出すれば、終わりなきTo-Doリストに取り組むための活力と集中力が長続き。すべての食事に良質かつ十分なタンパク質と食物繊維を取り入れれば、満腹感も持続する。

肉と魚はタンパク質の素晴らしい供給源(モーズリー博士自身も朝食で頻繁にニシンの燻製を食べている)。でも、朝食には卵、カッテージチーズかギリシャヨーグルト、デンプンが少なくて食物繊維が多い野菜やフルーツを使ったほうがいい。オムレツはモーズリー博士の定番朝食メニューの1つ。手早く簡単に作れるし、残りもののロースト野菜も投入できる。そこに発酵食品(ヨーグルト、ザワークラウト、ケフィアなど)をアドオンすれば、腸内の善玉菌も元気になる。

マイケル・モーズリー博士の究極のアドバイス

1秒でも早く気分を上げたいときは、このシンプルな3原則に従って。

  • 糖質を適度に抑え、タンパク質、食物繊維、ヘルシーな脂質を自然食品から摂取する地中海式ダイエットに徹する。
  • 超加工食品を避けて、どうしても間食が必要な場合は、ナッツか野菜スティック&フムスを食べる。
  • 12:12のインターミッテント・ファスティングを実践し、就寝の3時間前までに食事を終える。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Scarlett Keddie Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。