クリスマスは健康、フィットネス、栄養管理のゴールを遠ざける? いやいや、そんなことはない。美味しい飲みものとスイーツでカロリーを必要以上に摂ってしまうことはあっても、それで絶対体重が増えるとは限らない。
まず、食生活を変えたあとの体重増加は、ほぼ確実に一時的(体重には“セットポイント”があるから)。そして、“0か100かのアプローチ”を取らなければ、クリスマスと年末年始を全力で楽しみながらも体重を維持できる。
フィットネス帝国を築いたセレブトレーナーのジリアン・マイケルズによると、年末年始だからといってファッドダイエット(一時的に流行るだけのダイエット方法)に手を出したり、ケーキやパイやチョコレートも避けたりする必要は一切ない。イギリス版ウィメンズヘルスからマイケルズ流のマインドフルなアプローチをご紹介。これで年末年始を思う存分楽しもう。
1.“チートデイ”のコンセプトに乗せられない
マイケルズいわく、ホリデーシーズンに“チートデイ”や“クリーンデイ”を設けると、体重が急速に増えてしまう。
なぜ? チートデイを設けると「多くの人が『食べるべきではない日に食べてしまったから、もうなにをしても意味がない』と考えるか、『今週はルールを完璧に守ったから、ご褒美として近所のファストフードを食べに行こう』となりますから」
「クリスマスイブやクリスマス、会社の忘年会、大晦日といった特別な日は、少しくらい自分に好きなものを食べさせてあげましょう」
「その分は、ワークアウトの回数を増やしたり、いつものピラティス、ヨガ、筋トレの最後に10分間のHIITをしたりすることで相殺できます。だから私のフィットネスアプリには、いつでも、どこでも、何分でもできるワークアウトがいっぱい。塵も積もれば山となりますからね」
2.“80:20のアプローチ”を取る
マイケルズは“80:20のアプローチ”を取っている。このアプローチでは、食事の80%が「ヘルシーフード」。マイケルズのヘルシーフードには、栄養価の高いサーモンやベリーなどが含まれる。
マイケルズいわく残りの20%は、それほどヘルシーでなくてもOK。代表例はポップコーン、ポテトチップス、アルコール。「ご褒美は毎日あげてくださいね」とマイケルズ。「自分から好きなものを奪ったり、極端な食事制限をしたりするのは逆効果です」
「パスタが食べたいときは、全粒パスタを使いましょう。可能であればオーガニックのパスタを選び、バランスのよい食生活を目指してください」。炭水化物という食品群を完全にカットして、自由を奪われた感じがするよりずっとマシ。
3.その日その日ではなくて、1週間の平均を見る
パイやチョコレートといった高脂質・高糖質のデザートを食べるたびに自分自身を責めていれば、あっという間に失望感でいっぱいになる。
1週間のミールプランにデザートを楽しむだけの余裕を持たせて、その日1日ではなく1週間の平均摂取カロリーを管理しよう。
「1日1日を節度ある範囲内で過ごし、1週間の中でバランスを取りましょう」とマイケルズ。「少し食べすぎた日があっても、翌日の食事を少し軽めにすればいいですよ」
4.HIITをする
高強度インターバルトレーニング(通称HIIT)には、おびただしい数のメリットがある。心肺機能を向上させて、短時間で大量のカロリーを燃やすHIITはマイケルもイチ押しのワークアウト。
「HIITでは体が新しい負荷に早く適応しようと頑張るので、体がより早く、よりフィットになります」とマイケルズ。「運動強度が高ければ高いほどカロリーの消費量は増えるので、体重が減りやすくなり、代謝も上がります」
器具がほとんど(あるいはまったく)要らないのもHIITのメリット。レジスタンスバンドがあれば、もう完璧。炭水化物たっぷりのビュッフェに行く前の20分で、ひと汗流して。
こういうときのために、マイケルズのアプリにもHIITがある。必要なのは軽めのダンベルだけ。
5.“スナックフード”と“ヘルシーフード”を混同しない
マイケルズによると、チップスやポップコーンはスナックフードの代表例。オーガニックタイプでもヘルシーフードとは呼べないので、毎日の定番メニューにするのはNG。80:20アプローチの20%のほうに入れておこう。
6.お酒を飲みすぎない
80:20アプローチを取るマイケルズは、20%の中でグラスワインを飲むこともある。でも、「なんでも“やりすぎ”は禁物です。10杯ではなく1~2杯にとどめて、1日の許容カロリー摂取量内に抑えましょう」
「体重維持モードのときは、控えめに飲んでもOK。赤ワイン、ウイスキー、黒ビールは心臓の健康によく、アルツハイマー病の発症に関連するアミロイド斑を取り除くといわれています。ただ、週4~6杯に抑えることだけは忘れないようにしてください」
7.飲むなら賢く
「アルコールは日頃から控えていて、1週間で5杯以上は飲みません」とマイケルズ。「お酒の種類も選んでいて、ワイン、ウォッカ・ライム、ライムを添えたテキーラのロック、そうでなければウイスキーをストレートで飲みます。ジュースや甘い炭酸飲料を混ぜることは絶対にありません。砂糖とカロリーが大量に含まれていて、いいことは何もないですからね」
マイケルズには、飲みすぎを防ぐための戦略もある。
「会議や仕事の電話を早朝に入れています。そうすると、二日酔いになるわけにいかないので、飲みすぎが防ぎやすくなるんです」
8.いつものワークアウトに5~10分をプラスする
日照時間が短いうえに、楽しいイベントが盛りだくさんの12月にワークアウトの回数を増やすのは大変。
だからマイケルズは、いつものワークアウトに5~10分プラスする戦略を勧めている。これならワークアウトの回数を増やさなくても、カロリー収支をゼロに近づけて不必要な体重増加を防げる。
9.水分補給で水滞とむくみを撃退
「むくみと水滞(体内の水の巡りが悪くなり、滞っている状態)の要因は主に、アルコール、塩分、単純糖質(精白小麦粉と砂糖)の3つです」とマイケルズ。「その3つを減らしたうえでたっぷりと水を飲めば、体から余分な液体が出ていきます」
「水を飲めば飲むほど、体に古い水が溜まりにくくなりますよ。カリウムが入った電解質のサプリメントも、余分な水滞を防ぐのに役立ちます」
10.間食はマインドフルに
容赦ないことで有名なマイケルズにとって、マインドレスな間食は絶対受け入れられないもの。ホリデーシーズンの体重増加を防ぎたいなら、なおさらNG。
「いつも小腹が空いているのは、たぶん加工穀物や精製糖ばかり食べているから」とマイケルズ。
「賢く食べれば、つまり、3つの主要栄養素を摂取して、全粒穀物、フルーツ、野菜、良質な脂質、クリーンなタンパク質をバランスよく食べていれば、2~3時間おきに食べて、夜はファスティング(睡眠時間を含めて少なくとも12時間)という食生活が続けられるはずなんです」とマイケルズ。「そうでないときは、主要栄養素のバランスとカロリーを見直しましょう」
間食の量に気を配れば、新年を爽やかに迎えられる。
11.たまにはジムで楽をする
毎日やる気満々の人などいない。マイケルズのようなフィットネスクイーンにも、モチベーションが低い日はある。でも、そんな日のマイケルズは、白旗を上げる代わりに少し意外な行動に出る。
「そういう日はジムでグダグダしてもいい、楽をしてもいいことにします。時間もせいぜい20分。自分に寛容になれば、恐怖やプレッシャーを感じずに済みますからね。ジムに着いて意外と気分が乗ってきたら、少し自分を追い込んだり、時間を長めにしたりします」
あまり気が乗らないときは、それでいい! そういう日は、のんびりとした強度の低いワークアウトも検討してみて。
12.極端なことはしない
一部の食品群を丸ごと排除するタイプのダイエットでは急速に体重が減るといわれているけれど、マイケルズは断固反対派。
「私たちの細胞(高分子)はタンパク質、脂質、糖質、そして核酸でできています。この3つの主要栄養素が1つでも不足すれば、細胞が飢えてしまう。主要栄養素は、私たちの健康とウェルビーイングを守るうえで重要な役割を果たしています」
食事を厳しく制限すると、喪失感から大食いに走ってしまうこともある。さまざまな食品がテーブルに並ぶ季節は「何事も控えめに」を合言葉に楽しもう。
13.音楽でモチベーションを高める
ランニング、ブリスクウォーキング、自重のHIITセッションといったワークアウトのモチベーションが湧かないときは、音楽を聴いてみて。
「私はヒップホップとEDMを好んで使っています」とマイケルズ。「アフロジャック、デヴィッド・ゲッタ、トリトナール、カニエ・ウェスト、ジェイ・Z、2チェインズ、リル・ウェイン、カーディ・B、ニッキー・ミナージュ」を聴くと、頭がワークアウトモードになるのだとか。
早速このプレイリストを準備しなくちゃ!
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Morgan Fargo Translation: Ai Igamoto