濡れ感のあるルックやまとめ髪など、さまざまなスタイルに活躍するヘアバーム。スタイリング剤の定番として男女ともに人気だけれど、まだ手を出せていない人もいるのでは? そこで今回は、初心者さんにおすすめしたいヘアバームを編集部がピックアップ。選び方や使い方のコツも合わせてチェックしてみて。
ヘアバームって何? オイルやワックスとの違い
そもそもヘアバームって何? と思っている人のために、まずは簡単なおさらいを。ヘアバームは、ワックスとオイルの中間のような半固形状のテクスチャー。ミツロウやシアバターなどの植物油脂を主成分として作られているため、体温でとろけてオイル状になる。
ワックスのセット力とオイルのツヤ感を兼ね備えた仕上がりが特徴で、トレンドのウェットヘアにもぴったり。自然由来の成分を使用していたり、配合成分がシンプルだったりすることから、髪だけでなく手や唇、ボディの保湿に使えるものが多いのも人気の秘密。
ヘアバームの選び方ってどうすればいいの?
理想のヘアバームに出合うためには、以下のポイントを意識してみて。
質感は髪型やスタイルで使い分け
主成分が油分なので、ヘアバームは基本的に重めに仕上がる傾向にある。でも、製品によってその配合量や質感の処方はさまざま。髪型や仕上がりの好みに合わせて選んでみて。
ショートやボブスタイルをタイトにまとめたいなら、重めのバームをセレクト。広がりやすい髪をきちんと収めたいときにも、油分の配合量が多いものが活躍する。
髪がぺたっとしやすい猫っ毛の人、髪に動きをつけたいとき、パーマヘアやロングヘアには、油分が比較的少なめのバームがおすすめ。油分が多いと髪が重くなるため、動きが出にくくなってしまう。スタイリング自体が苦手な人や初心者にも、不自然な仕上がりを防ぐために軽めのバームを推したい。配合成分だけでなく、やわらかな質感かどうかにもご注目を。迷ったらまずは軽めを選ぶのが無難と言える。
シンプルな成分構成なら、髪以外にも使えるものが多い
界面活性剤やシリコーンなどを含まず、ほぼ保湿成分のみでつくられているヘアバームも。そういったものは髪だけでなく手や唇、ボディに使うことができるマルチバームとして販売されることも多い。アイテム数のミニマム化につながるのはもちろん、ヘアセットの後に手を洗う必要もなく便利。“一石二鳥”を狙うなら、マルチバームをチェックしてみて。
敏感肌は、自然由来の成分をチェック
オーガニック原料などが配合されていることも多いヘアバーム。なんとなくよさそうな印象を持つ人も多い自然由来の成分だけれど、少量で肌に強い作用をもたらすものもあるため、人によっては負担になる可能性も。敏感肌の人は、使用前にパッチテストを行おう。
特に、スキンケア効果や香りづけを目的として配合される精油は要注意。好みの香りかどうかとともに、肌との相性も確認するとよい。
プチプラからサロン専売まで。おすすめのヘアバーム10選
N. ナチュラルバーム
天然由来成分のみで作られたマルチユースタイプのバーム。適量を手のひらにとって伸ばし、オイル状にしてから髪にもみ込むようになじませるのがおすすめ。マンダリンオレンジ&ベルガモットの爽やかな柑橘系の香り。
スティーブンノル ディファイニング バーム
ほどよいツヤ感とセット力を備えたバームワックス。パリッと固まりすぎず、ナチュラルからウェットな質感まで自由自在。UVカット成分を配合しているから、日中の紫外線ダメージからも髪を守れる。
ダイアンボヌール ヘアバーム ゼラニウム&ラベンダーの香り
シアバター・ゴールデンホホバオイル・オーガニックサンフラワーオイル・ミツロウと、油性の成分をふんだんに配合。100%天然由来成分を使用し、全身の保湿バームとして使える。リラックス感を演出するゼラニウム&ラベンダーの香りはフレグランス代わりにも。
モイ バーム ウォークインフォレスト
ウェットな束感と動きをつくれるのに、べたつかない使用感が魅力のマルチバーム。シア脂やミツロウをベースに、多彩なボタニカルオイルを配合することでツヤとうるおいが続く。アロマティックウッディの香りに浸りながら、ラフな動きと濡れ感を楽しんで。
ザ・プロダクト ヘアワックス
ヘアバームのパイオニアとして、多くの人に愛される名品。全部で6つとかなりシンプルな配合成分でありながら、髪や体にうるおいとツヤをもたらす。オーガニック認証を受けた原料を必要最低限のみ使用することで、環境への負荷も最小限に。定番のタンジェリンのほか、ダマスクローズやネロリの香りも展開中。
ジョンマスターオーガニック ナチュラルバームヘアワックス
マンゴー種子脂・ブドウ種子油・プルケネチアボルビリス種子油(すべて保湿)など、植物の恵みをたっぷり詰め込んだスタイリングバーム。使うほどに毛先までうるおし、スタイリングしやすいなめらかな髪へ。べったりしにくいので、アウトバストリートメントにプラスしてもOK。
ボタニスト ボタニカルヘアバーム
ハンドクリームとしても使えるヘアバーム。カカオ脂・シア脂・アストロカリウムムルムル種子脂・アーモンド油・ヤシ油を保湿成分として配合し、スタイリングしながらダメージヘアを集中補修。まとめ髪や、ぱさつく髪のうるおい補給に。
ミルボン ジェミールフラン メルティバターバーム
スタイリング剤・トリートメント・ハンドクリームとして使えるミルボンのバームは、ネーミング通りのとろけるようなテクスチャーが持ち味。モリンガバターが髪のまとまりをキープして、うるおいに満ちた髪が長続き。シリーズ共通のピオニーの香りにも注目を。
カネル ヘアバーム
天然由来のバターを3種(シアバター・ムルムルバター・クプアスバター)配合し、毛先や手肌にツヤとうるおいをプラス。べたつかずにサッと仕上がるから、朝のスタイリングにも大活躍。香りはすっきりとした柑橘系だから、カップルや家族で使いたい人にも◎。
SOIBALM
毎日使いたくなる仕上がりを目指した、自然由来成分100%のオーガニックマルチバーム。配合成分はシア脂・ホホバ種子油・ミツロウ・シア脂油・ラベンダー油のみ。べたつきにくいつけ心地で、髪や体をなめらかなうるおいで包み込む。ラベンダーの香りで安らぎのひとときを過ごして。
イソップ バイオレットリーフ ヘアーバーム
乾燥によるごわつきや扱いにくさに悩んでいるなら、イソップのヘアバームを試してみては? うるおいを与えるココアシードバターとナッツオイルを配合し、髪を柔らかく整えながらスタイリング。シルキーな質感のバームが、髪にナチュラルなツヤをもたらす。
ヘアバームは、髪の内側からつけるのがコツ!
ヘアバームを使うときは、まず髪の内側につけるのがポイント。髪の表面からつけ始めるとべったりとしてしまい、ボリュームが出にくいだけでなく垢抜けない印象に。
バームを適量取ったら手のひらでよく伸ばし、耳の後ろあたりに手を入れて後頭部側へとすべらせ、襟足に揉みこんで。次に耳上から同様になじませ、最後にもみあげ部分になじませる。髪の表面をなでるのではなく、いずれも手ぐしを通すようなイメージで手をすべらせるのがコツ。
手に余ったバームは、適度な束を作るように前髪になじませて。最後の微調整も手に残ったバームで行うことで、不自然な重さや束感、ぺたっと感を回避しやすくなる。
まとめ
ブームを超えてもはや定番化したスタイリング剤のひとつ、ヘアバーム。ひとつあればヘアアレンジの幅が広がるだけでなく、手やボディのうるおいケアもできて便利。なりたい仕上がりや好みで選んで、もっとヘアスタイリングを楽しもう。
text : Miyuki Arai