Human leg, Elbow, Shoe, Joint, Knee, Wrist, Thigh, Comfort, Fashion, Sitting, pinterest

気を付けていれば、恐がらなくても大丈夫!

激しいワークアウトの後に得られる達成感と強烈なエンドルフィン効果には侮れないものがある。でも体に無理をさせ過ぎると、恐ろしい結果になりかねないかも……。

アメリカのパラリンピック選手エイミー・パーディも、危うい経験をした一人。昨年のスノーボードシーズン中、トレーニングを精力的に行っていた彼女は、懸垂でかなり無理をした後の筋肉の痛みと腫れに気付いた。

「ひどい症状ではなかったから、病院に行くのをやめるところだった」とインスタグラムに綴ったエイミー。「寝て直すことにでもしていたら、重度の腎不全か翌朝ショック状態に陥っていた可能性が高いわ」

彼女が患っていたのは横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)。横紋筋が壊れて、筋肉細胞内の成分が血中に流れ込み、腎臓にダメージを与えるという病気だ。

「横紋筋融解症が怖いのは、一度始まったらそれを止めるために医師に出来ることは何もなく、どれだけ進行するかも分からないということ。医師に出来るのは、症状を緩和するために継続的な静脈内輸血で体をサポートすること。でも筋肉は腫れて壊れ続け、腎臓は膨大な量の毒素をフィルターにかけ続けなければならない」

幸いなことに、彼女の腎臓は見事に持ちこたえたという。

instagramView full post on Instagram

「これはとても恐ろしい病気。どうか自分の体に注意を払ってあげて」とエイミーは続ける。「筋肉を使い過ぎたなら、筋肉が痛んで腫れているようなら、私のようにそれがほんの少しだとしても、緊急治療室へ行くのをためらわないで。それであなたの命が救われるかもしれない」

横紋筋融解症にはこの他にも、濃く赤っぽい尿、尿量の減少、そして全身の脱力感などが挙げられる。

クイーンズランド大学のロブ・エレイ医師は、10年以上前は横紋筋融解症は非常に稀な病気で、マラソンランナーや陸軍のトレーニングキャンプに関連するものが多かったと言う。しかし、クロスフィットなどの高強度な筋力トレーニングの人気の高まりによって、この症例は著しい増加を見せているそう。

エレイ医師によれば、横紋筋融解症は命取りになりかねない一方で、既存の疾患がなければ、静脈内輸血と休養といった治療で普通は良好な経過をたどるものだという。しかし、アンフェタミン(うつ病治療などに使われる中枢神経興奮剤)、アルコール、極端な気温、脱水状態、感染症によって悪化する可能性もあるそう。

https://www.womenshealth.com.au/article/health/symptoms-of-rhabdomyolysis-after-intense-exercise

Text:Women’s Health Australia  Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images