おりものシートを使っているけれど、やめたほうがいいの? そんなお悩みがある人に向けて、今回はおりものシートの正しい使い方、選び方、注意点について、内科医の桐村里紗先生に教えてもらった。おりものケアにおすすめアイテムもあわせてチェックしてみて。
(以下「」内桐村先生)
【目次】
- そもそもおりものって?
- おりものシートの使用タイミングは?
- おりものシートの正しい使い方、選び方
- 使用をやめた方がいい時は? おりものシートを使う際の注意点
- おりものシートが肌に合わない時の対処法
- おりものケアにおすすめのアイテム
- まとめ
そもそもおりものって?
「女性の女性の腟(ちつ)や子宮腟部などの性器から分泌される、血液以外の分泌物のことを『おりもの』といいます。医学的には『帯下(たいげ)』。ホルモン分泌活動がさかんな、性成熟期の女性には、適度なおりものの分泌があります。膣を洗浄し、雑菌の繁殖を防ぎ、常在細菌(デーデルライン桿菌という乳酸菌の一種)を育成し、膣内環境を整えるために分泌されています。また排卵期には精子の侵入を助けるため分泌物が増え、とくに妊娠時には増量します」
おりものの量とにおい
「おりものの量とにおいには個人差があります。健康なおりものは、乳酸菌が増えるため、ちょっと酸っぱいにおいがします。普段のおりものの臭いや量、色から変化して、悪臭や量の増加、色の変化などがあれば、なんらかの疾患が原因となっていることが多く、『病的帯下』と呼ばれます。以下の懸念がある場合は、婦人科に相談しましょう」
病的帯下の原因
・感染症
性活動期の女性では、性感染症としてトリコモナス、カンジダ、クラミジア、パピローマウイルス 免疫力の低下などでは、大腸菌、連鎖球菌、カンジダ菌
・萎縮性腟炎
閉経後の女性で膣分泌物が低下することによる
・基質的異常
子宮腟部びらん、子宮内膜炎、子宮頸管ポリープ、子宮粘膜下筋腫、子宮頸がん・子宮体がん・腟がんなどの悪性腫瘍
おりものシートの使用タイミングは?
「とくに分泌が増えるのは、排卵期。精子の侵入をサポートするために量が増え、卵の白身のような質感に。排卵後は粘性のある質感になります。月経終了後は、いったん量が減り、排卵期にかけてまた増加します。個人差はありますが、月経量の多い排卵期前後、また月経の懸念のある月経開始前には使用しておくと安心感があるでしょう」
おりものシートの正しい使い方、選び方
「ムレやかぶれ、においの原因になるため、おりものシートは1日中つけっぱなしにせず、汚れたら取り換えましょう。多い日には、朝・昼・夕と1日3回は取り換えるのが目安。多い日は吸水量が多いワイドタイプ、アウターに響かせたくない時には、Tバック用タイプなど、目的に応じて使い分けもできます。においが気になる場合は、天然香料でにおいをカバーするタイプや銀イオンによって消臭するタイプも。ただし、においや量が変化したらごまかさずに、婦人科で検査をしてもらいましょう」
使用をやめた方がいい時は? おりものシートを使う際の注意点
「外陰部の肌にかぶれやかゆみがある際は、化学繊維を使ったものは使用を控えましょう。肌に優しい無着色のオーガニックコットン100%のタイプを選び、汚れたらこまめに取り換えて。1日中つけっぱなしはNG。使い捨てではなく、オーガニックコットンの布ライナーや吸水ショーツもおすすめです」
おりものシートが肌に合わない時の対処法
「天然素材でないものを使用していた時には、天然素材で無着色のものに変えて肌負担を軽減しましょう。濡れたらすぐに取り換えて、ムレを防いで。かゆみやかぶれが生じたら、婦人科で外用薬を処方したもらった方が長引きません。我慢して放置せず、相談してみましょう」
おりものケアにおすすめのアイテム
オーガニックコットン100%のおりものシート
ノーマルおりもの専用 パンティライナー/ナトラケア
肌に触れる部分は、オーガニックコットン100%の「ナトラケア」のおりものシート。柔らかく、ムレを感じにくい、やさしい肌触りがGOOD。使い捨てのおりものシートを使う場合は、こちらがおすすめ!
布ナプキンライナー
リトル布ナプキン/メイド イン アース
純オーガニックコットン100%のリトル布ナプキン。おりもの用として普段使いもできるほか、生理の軽い日にもおすすめ。リボンでショーツに固定できるので、ずれる心配がないのもうれしい。
冷え取りライナー/レメディーガーデン
レメディーガーデンのおりもの用布ライナーは、肌面はシルク100%ニットで柔らかく伸縮性があり、肌触りはとてもなめらか。シルク面を肌に当てることで冷えを改善し、体を整える「冷え取り」を布ナプキンに取り入れたアイテム。防水布は入っていないので、普段の日に使用して。
吸水ショーツ
種類が豊富で、ショーツの代わりに履くだけの吸水ショーツは、月経時でなくおりもの対策にも便利。多層構造で吸水を前提としており、ムレずに臭いにくい工夫が施されている。
Sport0/ピリオド
「ピリオド」の究極のはき心地を追求した「Sport0」というライン。その名の通り「何も身につけていないかのようなゼロ感覚」。お尻に優しくフィットし、履き心地抜群。どんな人にも合う、SからXLサイズまでの4サイズの展開。「ピリオド」のアイテムは、速乾機能、抗菌防臭の素材を使っているから機能面もばっちり。
吸水量:最大20ml
お手入れ方法:水洗いした後、洗濯機で洗濯する。
デイタイム ブラックレース/ムーンパンツ
サラサラとして薄いのが特徴の「ムーンパンツ」の吸水ショーツ。「デイタイム ブラックレース」は、バック全体がレースというセクシーなデザイン。圧迫感なく、ふわりとした優しい履き心地。
吸水量:10~15ml
お手入れ方法:アルカリ水に15分ほどつけた後に洗濯機で洗濯する。
まとめ
蒸れるとかぶれやにおいの原因になるため、おりものシートは1日中つけっぱなしにせず、汚れたら取り換えよう。多い日には、朝・昼・夕と1日3回は取り換えるのが目安。おりものシート以外にも、吸水ショーツや布ナプキンライナーなどの代替品もあるので、試してみて!
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルスケア」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」、また世界の最新ヘルストレンド情報などを様々なメディアで発信、プロダクト監修を行なっている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。他、「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の科学』(光文社新書)、『腸と森の「土」を育てる〜微生物が育てる人と環境』(光文社新書)ほか多数。
tenrai株式会社:https://tenrai.co/
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。