チーズバーガー、フィレミニヨン、ボロネーゼ。お肉と乳製品たっぷりの料理を出されたら、長年ヴィーガンのアリアナ・グランデは有名な歌詞を応用するはず。「Thank you, next(ありがとう、はい次)」

2013年に植物ベースの食生活を開始したポップ歌手のアリアナは、ビルボードチャートを駆け上がり、マルチプラチナムのヒット曲を次々と発表し、グラミー賞、MTVビデオミュージックアワード、ピープルズ・チョイス・アワードを獲得してきた。しかも、これは序章に過ぎない。

アリアナのファンかどうかは別として、彼女が超パワフルなのは誰もが認めざるを得ない事実。そのパワーの源は、植物性食品を中心とした食生活。実際彼女は動物愛護の精神を大事にしており、ヘルシーな食生活に“とことん”こだわっている。

歌ったり踊ったりで多忙な日々を元気に過ごせる秘訣とは? アリアナの1日の食卓を覗いてみよう。その内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

きっかけはドキュメンタリー映画『フォークス・オーバー・ナイブズ~いのちを救う食卓革命』

「アメリカでは、ほとんどの人がお肉を食べなきゃタンパク質が摂れないと思っている」と『V magazine』誌に語ったアリアナ。「タンパク質! タンパク質! タンパク質! 乳製品に入っているのは? カルシウム、カルシウム、カルシウム」

でもアリアナは、2013年にドキュメンタリー映画『フォークス・オーバー・ナイブズ~いのちを救う食卓革命』を観てから考え方を改めた。もともと動物好きなこともあり、ヴィーガンになることを決意した彼女は、ツイッターでこう述べた。「小さい頃からオーガニックの食生活を送ってきたし、お肉は最小限に抑えてきたけれど、今日から私は100%ヴィーガンよ! おめでたい日ね」。そのツイートの末尾には動物の絵文字とハートがいっぱい。

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健康はもちろん、動物への配慮も大きなモチベーションだった。『The Mirror』紙に対しては「人よりも動物が好き、冗談抜きで」と語っている。「でも、自然食品を中心とした植物ベースの食生活を送っていれば、寿命が延びて、もっとハッピーな人になれると心から信じている。外食は楽じゃない。でも、そこでは間違いない物(野菜、フルーツ、サラダ)だけ食べて、家に帰ってから他の物を食べるようにしている」

イタリア人家系でもイタリア料理はほとんど食べない

アリアナはイタリア系アメリカ人で、お肉とチーズを大量に食べて育った。「私の家族には素晴らしい歴史があるの」と『The Mirror』紙に語った彼女。「ブルックリンで生まれた母は、フロリダに引っ越してから私を生んだ。風変りで楽しい家族。ヴィーガンだからイタリア料理はあまり食べないけれど、お肉とチーズで育てられた。みんなが一生かけて食べるくらいの量を食べたわ」。これからは野菜で充分。


でも日本食は好き

2011年、アリアナはQ&Aセッションの中でファンに質問を投げかけた。「私は大の日本食好き! あなたは?」

専属トレーナーのハーレー・パステルナークが2015年の『Glamour』誌に語ったところによると、アリアナはいまも変わらず日本食の大ファン。「アリアナは大根、ハスの実、あずきを好んで食べています。日本の長寿食みたいですね」


ベリーも大好き

アリアナは、ツイッターでイチゴ好きであることも公言している。「物心がついたころから、1日5個はイチゴを食べてきた。大好きだから!」

インスタグラムに食べ物の写真をアップするタイプではないけれど、ブルーベリーの巨大なパックの写真だけは載せている。

スナックはナッツとココナッツウォーター

お腹が空いたときのためにスナックを持ち歩いているアリアナは、アーモンドとカシューナッツをポリポリするのが大好き。「ヘルシーだし、1日中元気でいられる!」と『Shape』誌に語っている。

お気に入りの飲み物はココナッツウォーターで、「ボトルを常に携帯している」

ワークアウトもバランス重視

植物ベースの食生活と充分な水分補給に加えて、運動もアリアナのライフスタイルを構成する重要な要素の1つ。

『Popsugar』誌によると、トレーナーのパステルナークはアリアナのトレーニングにユニークな手法を取り入れている。「彼女には毎日の歩数目標を与えています。ダンスのステップも、映画を観ながらランニングマシンをのんびりと歩いた数もカウントされます。1日1万2千歩ですよ。彼女がじっとしているところなんて想像できません」。もはや1日1万歩じゃ足りないか……。

スムージーのファンでもある

アリアナはさまざまな方法で食生活をレベルアップさせてきた。パステルナークも「彼女はずっと健康的な食生活を送ってきました。いまも非常によくやっています」と『Popsugar』誌で絶賛している。「ここ最近は、もう少しバランスの良い食生活を心がけるようアドバイスすると同時に、たまには食べ物で自分を甘やかしたり、お祝いしたりしてもいいんだよ、と伝えています」

「だいぶ食材の幅が広がりました。僕の著書『Body Reset Diet』にあるスムージー(ホワイトスムージー、レッドスムージー、グリーンスムージー)もしょっちゅう作っているようですね」

植物ベースの食生活は体重ではなく気持ちのため

『E Online』によると、アリアナがヴィーガンに転向したのは決して痩せるためじゃない。

「自分の面倒をちゃんと見てなかったの。体に悪い物ばかり選んでいたわ。口に入れる物は、体のために使われなくちゃ意味がない。私がこんなに痩せたのは、ジャンクフードばかり食べていたから。だから食生活を劇的に変えて、毎日の運動も始めたの。その結果、全体的にヘルシーな自分になれたわ」

「以前の私が嫌いだったわけじゃないけれど、いまの私の方がヘルシー。食べる量は変わっていない。食べる物が変わっただけ」

ヴィーガンになったことで持病も改善したという。「血糖値が安定しやすくなったのよ。これまでずっと低血糖と闘ってきたけれど、食生活を変えてから症状が改善したの」

ヴィーガンの食生活で明らかに人生が変わった

アリアナはヴィーガンになってからの気持ちをツイッターでファンに明かした。「植物ベースの食生活は、私の人生を変えた最高にハッピーでヘルシーな決断。あなたもどう? 罪のない動物の命を守ろうよ」

それ以来アリアナは、食生活に関する話をしていない。でも、相変わらずヘルシーで元気な姿を見る限り、植物ベースの食生活が機能していると言ってよさそう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Jennifer Nied Translation: Ai Igamoto