日々アップデートされるトレンドの波を追っていると、実際に試してみる価値のあるものから、メリットのないトレンドを選別するのは難しい。『3-2-8メソッド』は、どうだろう? 健康オタクの私は、オタクだからこそ、どんなフィットネス ブームでも、よく調べもせずに鵜呑みにするほうではないけれど、2億を超える再生回数には興味がそそられた。TikTokユーザーから高い人気を得た3-2-8メソッドが、その誇大広告に見合うかどうかについては、ぜひ続きを読んで、あなた自身で判断してみて。

3-2-8メソッドとは?

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

英国在住の公認理学療法士 兼 ピラティスインストラクターのナタリー・ローズによってはじめられた『3-2-8メソッド』は、Fit Tok(Tik TokでバズったFitness)の1つ。

その中身を見てみると、正確なワークアウトを行うための特定のルーティンというよりは、フィットネスの構造といった方がしっくりくるかも。

3-2-8メソッドは3つのパートに分かれていて、1週間かけて行う。その内訳は、週3日は筋トレ週2回ピラティスあるいはバー(バレエ、ヨガ、ピラティスを合わせたエクササイズ)、そして毎日、1日平均8,000歩のウォーキングだ。

正確なワークアウトメニューは決まっていないので、自分のレベルや目標に合わせて調整できる。また、休息日も考慮するようにとのこと(ここ重要)

週3回 筋トレ

woman working out with weights while exercising in home
Thomas Barwick//Getty Images

ナタリーによると、筋トレは、ウォームアップとクールダウンを含めて、15分から40分を目安に行い、4〜6週間ごとに徐々に強度を上げていく(使用するウェイトの重さや回数を増やす)ことが効果的。また、全身1日、上半身1日、下半身1日に分けると良いとのこと。

筋トレのマジックは、代謝がアップ(つまり、トレーニングの数時間後、数日後にもカロリーが消費されたり、スキンケア効果も倍増するなど)し、体が強くなり、自分に自信が持てるようになること。しかも続ければ、そのマジックは0時を告げるベルの音が鳴ったあとも、消えることはない。

ちなみに、筋トレが初心者の人は、ゆっくり始めよう。理想はパーソナルトレーナーについてもらうのがベター。

週2日のピラティスまたはバー

young woman taking exercise in her living room
Halfpoint Images//Getty Images

週2日のピラティスやバーは、積極的な回復日(激しい筋トレの次の日など)や月経周期の日に行うのがおすすめされている。これには、激しい運動から回復させるために、 体を落ち着かせる目的があるから。モビリティや柔軟性も含めて10分から40分を目安に、こちらも自分のレベルに合わせて調整することが推奨されている。

ピラティスやバーは、体幹の強さ、柔軟性、心と体のつながりを重視した、低負荷のワークアウトとナタリーは言うけれど、専門家からは、ピラティスやバーでのトレーニングは通常、筋トレとしてカウントされると指摘されている。ナタリーの言うところの、回復のための運動という目的を遂行するのであれば、ストレッチをメインに行うプログラムを選ぶようにしてみて。

1日平均8,000歩

young female asian stretching and relaxing at village park home
Me 3645 Studio//Getty Images

ウォーキングでやりがちなのが、ダラダラ歩き。ナタリーが、おすすめしているのは、パワーウォーキングだ。

パワーウォーキングは、散歩以上ジョギング以下いった感じで、噛み砕いて言えば、姿勢の良い速歩きといったところ。シニア世代が、公園で腕を大きめに振って、歩幅広めでいつもよりも足早に歩いているのを見かけたことはないだろうか? まさに、あれがパワーウォーキング。

ナタリーによると、10分から30分、早足で歩くと、この方法だけで、30分で4,000歩は簡単に歩けるとのこと。

スマホをスクロールしながら歩いている人、背筋を伸ばして上を向いて歩いてこう。

厚生労働省によると、日本人女性の1日の平均歩数は 7.000歩弱。だから、8,000歩は、まずまず普通に生活していれば、無理のない数字であるようだ。

一方で、私のような在宅ワーカーは、この歩数を達成するのが結構難所になるかも。個人的な話をすると、毎朝家の周りを3周することがルーティンの私でも、その歩数は1日4,000歩が限界。

しかし、テクノロジーの進歩のおかげで、そんな問題も簡単に解決できるようになった。在宅ワーカーに人気のトレッドミルに投資してみてはいかがだろう。値段は張るけど、屋外を歩く時間がない(あるいは天候に恵まれない)と感じている人には、1日の歩数を達成するための重要なツールになるはず。私は家が狭すぎて、トレッドミルは置けないので、自宅に併設されているジム(ラッキー)のランニングマシーンを活用。Eメールに返信したり、仕事の電話を受けたり、はたまた、Netflixの最新作を見たりして、なんとか目標達成。

3-2-8メソッドはどんな人におすすめ?

woman looking over shoulder under question mark
Klaus Vedfelt//Getty Images

3-2-8メソッドの一番のメリットは、構造がしっかりしているので、ワークアウトの習慣化がしやすいということ。

ある日、ジムに行ってウェイトリフティングをする気が起きなかったら、代わりに自宅で、ピラティスのYou Tubeを見るなど自由度は高いけれど、完全に思いつきや気の赴くままにやるのではなく、毎週どのようにワークアウトをすべきかの指針を与えてくれるのは◎。

また、3-2-8メソッドは決まったものではないので、常に変えてチャレンジすることができ、ワークアウトの飽きを防ぐことができる。オーバートレーニング(私はこれに陥りやすい)や燃え尽き症候群になることなく、継続しやすい。

一方で、どのような筋トレやピラティスをすればいいのかというガイダンスが明確にあるわけではないので、自分で掘り下げていく必要はあるかも。なので、「どんな動きがあるのか分からない〜」という全くの筋トレやピラティス初心者の人は、何から初めていいのか困る。

まとめると、3-2-8メソッドは、筋トレやピラティスの動きにどんなものがあるのか知っている人(経験者が好ましい)で、それをどのようなルーティンでしていけばいいのか模索にしている人におすすめ。あわよくば、これがあなたの持続可能なフィットネスルーティンになるかも!

Headshot of 桑子 麻衣子
桑子 麻衣子
ライター

1986年横浜生まれ。2013年よりシンガポール在住。幼少期よりクラシックバレエの練習に励みバレリーナになることを目指していたが、思春期に恋愛に走ってしまう。ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーの経験を活かし、現在は国内外のウェルネスやフィットネスなど健康周りの情報を中心に発信するライターとして活動。根っからの健康オタク。
Instagram: @mic_kwk