世界最⾼峰のアスリートたちとともに、挑戦を続けている「ナイキ」。この夏の最⼤のスポーツの祭典に向けたプロジェクト、“NIKE ON AIR”の発表イベントがパリにて開催された。

発表イベントには、セリーナ・ウィリアムズ選手や中山楓奈選手など、世界最⾼峰のアスリートが集結。この夏、さまざまな競技に出場予定のアスリートたちが着用するアイテムが発表された。シューズの核となるのはナイキの最も汎⽤性に優れたクッショニング プラットフォームである「ナイキ エア」。今回は、この発表内容と、アスリートたちのインタビューをお届けする。

アスリートにアドバンテージをもたらすナイキ エアとは?

エアは、ナイキで最も革命的で汎用性が高く、幅広く使われているクッショニング プラットフォーム。1978 年にテイルウインドのミッドソールに採用されて以来、ナイキはランニングだけでなく、バスケットボールからキッズ用まで、あらゆるカテゴリーのシューズにエアを採用し、年齢、サイズ、目標にかかわらず、多くのアスリートのためにエアの新たな活用方法を追求し続けている。この夏の大会に向けて発表された一部をご紹介する。

a group of shoes

(写真左から)

フットボール:ナイキ 2024 エア ズーム マーキュリアル

サッカー選手からの「スパイクが自分の体の一部として自由自在に動くときに最高のパフォーマンスが発揮できる」という声。それを受けて生まれたのが、より快適かつ足なじみの良さにこだわったという2024 マーキュリアル。フライニットアッパーの素材は5 層から3 層にしてアッパーの厚みを30%近く減らすことで足なじみを高め、これまでのナイキフットボールのフライニットを全面に使用したアッパーの中でも最も軽く薄いものに仕上がっている。

バスケットボール:ナイキ G.T. ハッスル 3

アスリートのエネルギーリターンを⾼め、適切な重量を実現し、全体的な快適性を⾼めることを⽬的とした「G.T. ハッスル 3」。ナイキスポーツ研究所(NSRL)では、アスリートがG.T. ハッスル 3を着⽤すると、G.T. ハッスル 2を着⽤して同じ量の運動をする場合よりも酸素消費量が少なくなることを確認できているという。

100m~400m走:ナイキ マックスフライ 2

ナイキ エアならではの弾むようなエネルギーリターンを活かし、よりフラットな接地面で安定した走りを実現したモデル。大胆な斜めのラインは足の内側をサポートするベースとなり、新しいマックスフライ 2 のさらなる安定化に貢献し、アスリートが着地時の力を存分に活用することを可能にしつつ、トラックにおけるカーブでの安定性を高めている。

長距離(レース):ナイキ アルファフライ 3

スーパーシューズであるアルファフライを進化させ、さまざまなマラソン選手に対応するシューズを生み出した。いままでのシリーズのなかで、最も軽く、足のどの部分で着地してもスムーズな足運びができるようにデザインされたのが特徴。エリウド・キプチョゲなどのアスリートからのアドバイスをもとに、ナイキのデザイナーはアルファフライのミッドソールとヒールのフォームをランナーが必要とする部分以外は削ぎ落とし、前足部のエア ズーム ユニットに負荷を集中させたそう。

ランニング:ナイキ ペガサス 41
ナイキ ペガサス イージーオン

幅広い層のランナーに愛されているランニングシューズ「ペガサス」シリーズもアップデート。新作となる「ナイキ ペガサス 41」のポイントは、エア ズーム ユニットとシリーズで初めて搭載されたリアクトX フォーム。今までのリアクトフォームと比較してエネルギーリターンが13%以上向上し、ミッドソールの炭素排出を43%以上削減。ナイキ エア ズームと組み合わせることで、ペガサスシリーズを愛用するランナーが求める反発性とクッション性に優れた走りを提供してくれる。

ペガサスシリーズから出ているペガサス イージーオンは、あらゆる能力を持つアスリートのためにデザインされ、折りたたみ可能なヒールとトグル・レーシング・システムを採用し、アスリートが簡単にシューズを履いたり脱いだりできるようになっている。

 

このようにしてアスリートの声から生まれたシューズが、この夏トラックやコート、フィールドで見られる予定だ。

アスリートに寄り添うナイキの想いとは

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a person in a white coat

アスリートに寄り添って製品開発を続けるナイキの狙いについて、プロダクト&ブランド担当プレジデントで、女性のエンパワメントを牽引するハイディ・オニール - コンシューマー・プロダクト・ブランド部門プレジデント(写真左)、グローバル・ウィメンズ・スポーツ・マーケティング担当VPで、アスリート契約やサポート役を担っているターニャ・ヴィズダック(写真右)に話を聞いた。

ハイディ:「4 年ごとのスポーツの祭典は、人々がもっともスポーツやアスリートに目を向ける瞬間です。そこはスポーツのパワーを感じてもらう、素晴らしい機会だと思っています。ナイキとして大切にしたいのは、スポーツの未来を描くこととアスリートの苦悩や勝利を祝福すること。今回はナイキ エアの未来をしっかり伝えたい。そして今後も、アスリートと一緒に成長し続け、コンピュータデザインや AI を取り入れた、驚くようなコラボレーションをしていきたいですね」

ターニャ:「私たちは常にアスリートのサポートをしています。最近は、スポーツだけでなく、ライフスタイルまでサポートして欲しいと言われます。例えばメンタルヘルスや日々の健康、母であれば母胎をサポートすること、おしゃれであること。いままでにないユニークのチャレンジですが、ブランドとしては女性の全体をサポートできる存在でいたいです」

ナイキはまた、女性アスリートの意見を取り入れるために女性アスリートのシンクタンク(女性の動向調査レポート)を継続しており、今年で4年目になるという。それは、進化と挑戦できる環境のために、毎年女性のアスリートのグループをつくり、意見を聞くコミュニティのようだ。

ハイディ:「プロダクトだけでなく、コミュニティとしてどういうことをしたいか、なにを私たちに期待しているかをしっかりヒアリングします。ときには、過去のグループと会う時間を設けることもあります。彼女たちは、自分たちの意見を聞いてくれて嬉しいといってくれていて、関係はすごく深まっていると思っています」

ターニャ:「シンクタンクはいつもアスリートの声を聞こうということで始めています。そこでわかったことは、女性アスリートの多くはスポーツの平等性に強い関心を持っているということ。だからこそ、プロダクトだけではなく、アスリートの声やメッセージもしっかり伝えていきたいですね」

競技だけでなく、スポーツの平等性に対しても向きあう女性アスリートたち

スポーツの平等性に関心を持っているという女性アスリートたちは、どのようなことを感じているのだろう。3人のアスリートに話を聞いた。

ディナ・アッシャー=スミス(イギリス|陸上)

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Nike

英国記録保持者でもある陸上短距離選手のディナ・アッシャー=スミス選手は、スポーツをアスリートだけのものではなく、いろんな人に楽しんでほしいと話す。

「アスリートだけでなく、もっと多くの女性のみなさんにスポーツを楽しんでほしいと思います。忙しかったり、体の問題があったりして、なかなか一歩が踏み出せないかもしれませんが、ぜひ進化のためにトライしてみてほしいです。運動というと、まず体と心の健康を思いつくけれど、自分が楽しいと感じられることがとても大事だと思っています。無理をしないで体の声を聞いてくださいね」

中山楓奈選手(日本 | スケートボード)

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2020年東京大会から新競技になったスケートボードのストリート女子競技で銅メダルを獲得した中山楓奈選手。男性が多い競技ではあるものの、女性アスリートの人口も増えつつあるという。

「スケートボードを続けていてよかったことは、日本各地、海外に友達がいることです。どこにいても心強いです。最近は徐々にスケートボードの女性人口が増えてきているのですが、私がはじめたころは周りがほとんど男性でした。スケートパークで滑るときなどは、やはり友達が多いと楽しいし、継続にもつながると思うので、もっと女性とスケートボードとの印象を強くして、たくさんの女性が始めてくれたらいいなと思います」

クロエ・キム選手(アメリカ | スノーボード)

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スノーボードのアメリカ代表のクロエ・キム選手は、韓国系アメリカ人。一時は韓国語を話せることさえも隠していたけれど、文化の違いを感じたり差別を受けた“当事者”として、オープンに声をあげることを選択したという。

「スノーボードを始めたときは、勝ちたいということだけを思っていました。でも最近は、韓国系アメリカ人のアスリートとして、いろいろな人に刺激を与えられることが喜びになっています。なぜなら、私が小さい頃は尊敬するアジア系のアメリカ人がいなくて、ほとんどが白人の選手だったからです。それで孤独なこともありました。例えば、友達の家に遊びに行った時、みんなの家には、当たり前のように食器洗浄機があって、食べたお皿などをシンクに戻すだけ。私の家は手洗いをしていたので、自分の家庭との違いを感じる出来事などがありました。でもそのようなカルチャーの違いで恥ずかしく思う必要はないということを、競技や自分の生き方を通して伝えられたらうれしいです」

競技のことだけでなく、人生の気づきを与えてくれる彼女たちは、この夏の大会でもパワフルな姿を見せてくれるだろう。ウィメンズヘルスは女性アスリートを見守り、応援していく。


問い合わせ先

ナイキ カスタマーサービス 0120-6453-77
「ナイキ」公式サイト

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。