ランニングは問題解決をラクにするので、行き詰まっているときは走りに行こう。スコットランドのアバディーン大学の心理学講師リンデン・マイルズが行った2つの研究結果を見る限り、脳は前進運動を未来と結び付けている。ランニングをすると脳が先のことを考えられるようになり、クリエイティブな思考が引き出されるそう。「体が前進することで、未来に関する思考がより流動的かつ明確になるのかもしれません」とマイルズ。次のアドバイスに従って、脳と前進運動のつながりを最大限に生かしてほしい。

1.下準備をする

米スプリングフィールドカレッジのスポーツ運動心理学教授、ジュディ・ファン・ラールテによれば、走る前に1分ほど時間を割いてランニング中に考えたい問題を明確にしておくと、幸先の良いスタートが切れる。

2.ルートとタイミングを選ぶ

解決策は、頭が冴えているときに走り慣れたルートを走ると見つかりやすい。「方向を気にしていては、思考を自由にさまよわせることができませんから」とファン・ラールテ教授。

3.無理をしない

問題を解決したいときはのんびり走ろう。目標のペースやタイムを設定すると、そちらに意識がいってしまう。ファン・ラールテ教授によると、熟考を開始するのは走りのリズムを掴んでからにするといい。

4.友達と走る

ランニングパートナーが新たな視点をくれることもある。「クリエイティブな解決策が欲しいときは、他の人の意見が役に立ちます」とファン・ラールテ教授。「友達には、ゆっくり走りながら相談したいことがある旨を事前に伝えておきましょう」

5.考えすぎない

とはいえ、不安になるようなことを考えるのは最初の数分だけにして。臨床心理士のキース・カウフマンによれば、考えすぎると体と神経が緊張するので疲れるのが早くなり、持久力が低下する。

6.難題に取り組む

「難しいことを考えていると、心拍数が上がって汗が出てくることがありますよね」とファン・ラールテ教授。「でも、走っているときは心拍数の上昇も発汗もランニングのせいにできるので、いつもより精神的にリラックスした状態で難しい問題に取り組めます」

※この記事は、イギリス版『Runners World』から翻訳されました。

Text: Amanda Tust Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。