“お尻のエクササイズ”を探す人は毎月2400人。そのうちの約800人は、お尻を“大きくするため”のエクササイズを探していて、たぶん普段のメニューにヒップスラストかスクワットを取り入れている。どちらも鉄板のエクササイズと言えるけれど、ウィメンズヘルス編集部には「どっちのほうがいいのか」という質問がしょっちゅう送られてくる。

最初に言っておくけれど、“ベスト”なエクササイズは人によって違うので1つじゃない。でも、先月、臀筋肥大に対するヒップスラストとスクワットの効果を比較した初のランダム化比較試験の結果が発表された。イギリス版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

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この試験ではトレーニングを積んでいない男女が2つのグループに分けられて、片方のグループがヒップスラスト、もう片方のグループがスクワットを重点的に行った。9週間後、研究チームは磁気共鳴画像(MRI)による筋肉厚測定と筋電図(EMG)による筋活動測定(筋肉が発する電気インパルスを記録する検査)を実施した。

その結果、どちらのエクササイズも同じくらい筋肉を成長させることが分かった。つまり、目的が臀筋肥大で、2つのエクササイズのいずれかが嫌いな人は、嫌いじゃないほうをしていればいいということ。これはうれしい。

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でも、ストレングス&コンディショニングコーチのアンディ・ヴィンセントによると「ヒップスラストとスクワットは動作のパターンが違うので、両方取り入れるのが理想的」。分かりやすく言うと、ヒップスラストとスクワットでは体の動かし方が違ってくるので、両方やれば、そのぶん日常生活が楽になるということだ。

とはいえ「自分の好き嫌いでどちらか片方をやらなくても、それで結果が大きく変わることはありません」とヴィンセント。「正しいフォームで負荷とボリュームを徐々に増やし、そろそろフォームが崩れてしまうというところまで自分を追い込んでいれば、どちらのエクササイズからも同等の筋成長が期待できます」

ただ、今回の試験結果を見ると、臀筋のアクティベーションには僅差でヒップスラスト、大腿四頭筋と内転筋の強化には僅差でスクワットのほうがよさそうなので、ワークアウトの目的次第で入れ替えるのはアリかもしれない。

でも、ただ楽しむためだけにワークアウトをしているのなら、どちらかに別れを告げても臀筋は弱くならないので大丈夫。あなたのジム友達にも教えてあげて。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Bridie Wilkins Translation: Ai Igamoto

Lettermark
Bridie Wilkins

Bridie is Fitness Editor at Women's Health UK. She spends her days sweating over new workouts, fitness launches and the best home gym kit so you have all that you need to get fit done. Her work has been published in Stylist, Glamour, Cosmopolitan and more. She’s also a part-time yoga teacher with a habit of nodding off mid savasana (not when she’s teaching, promise).

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。