間違えばヒップアップ効果なし! 自重スクワットの正しいやり方
深く腰を下ろすためのシンプルなトリックも。
この先ずっとエクササイズが1つしかできないとしたら、スクワットを選ぶべき。飽きないようにする方法も難易度を上げる方法も無限にあるし、プレートを付けてバーベルを上げると最高にパワフルな気分になれるから。でも、ヘビーリフティングが好きだからといって、シンプルな自重スクワットを甘く見ないで。「ウエイトやレジスタンスバンドを使わないのは初心者だけ」と思うかもしれないけれど、そんなことは絶対ない。「自重スクワットは過小評価されています」と話すのは、米国のウエイトリフティングUSAWレベル2保持者で女性向けコーチング&パーソナルトレーニングサービス『StrongHER Girls』設立者のサル・ナクラウィ。今回はアメリカ版ウィメンズヘルスより、お尻に効果的なスクワットをご紹介。
“コンパウンド”とは、自重スクワットが複数の筋肉群を同時に動かすという意味。実際にスクワットでは大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋、股関節、ふくらはぎ、内ももが熱くなる一方で、体幹も使われる。“実用的”とは、実生活に役立つということ。「人間は、歩けるようになったその日からスクワットをしています。日常生活の中でスクワットをする機会は多いですよ」とナクラウィ。
よって自重スクワットの正しいHOW-TOを学べば、立つのも座るのも、床から何かを持ち上げるのも楽になる。
初心者からベテランまで、自重スクワットは万人のフィットネスの向上に大いに役立つ。このガイドを参考に自分のフォームをチェックして、メリットや難易度の上げ方を理解しよう。
自重スクワットのメリット
ソファから立ち上がるのが楽になるだけじゃない。自重スクワットを続けていれば、ケガをしにくい強い体が手に入る。
ナクラウィによると、自重スクワットでは複数の主要な筋肉群が使われるため、全身(特に脚、背中、腹筋)に筋肉がつく。
複数の筋肉を鍛えることで、代謝が良くなったり、カロリーの消費量が増えたりといったうれしい副作用もある(テンポよくやれば心拍数が上がり、ちょっとした有酸素運動にもなる)。
また、自重スクワットをすれば、バランスやコーディネーションが良くなるばかりか、股関節、足首、ヒザの可動域も広くなるので、普段から体が動きやすくなる。何をするにもパワフルかつ柔軟でいたい人には良いニュース。
自重スクワットの正しいやり方
もちろん、こういったスクワットの恩恵は、正しいフォームをマスターしてこそ受けられる。
【HOW-TO】
足を腰幅に開いて立ち、つま先をやや外に向け、腕を体の横に下ろす。
上体を立て、体幹と臀筋を締めたままヒザを曲げ、お尻を引いて、太ももが床と少なくとも平行になるまで下げる。
かかとを床に押し付けて体を押し上げ、スタートポジションに戻る。
自重スクワットにありがちなミス
簡単そうに見えるかもしれないけれど、ナクラウィいわく以下のミスは避けないと効果半減!
体幹を使っていない。体幹を使わないと、腰に不必要な負荷がかかる。
かかとを上げている。両足をピッタリ床につけないと、バランスとアラインメントが崩れてしまう。体を押し上げる際も、かかとでしっかり踏ん張った方が、ふくらはぎ、ハムストリングス、臀筋を使いやすい。
ヒザが内側に倒れている。ヒザが内側に倒れると、股関節と足首に余分な負荷がかかるため、ケガのリスクが高くなる。臀筋もうまく使われないので、せっかくの努力が台無しに。
フォームのポイント
自重スクワット中は、このキーポイントを頭の中で繰り返そう。
始める前にブレイシング。ナクラウィによると、スクワットをする前に、息を吸って体幹を締めておく“ブレイシング”をするのがポイント。そうすれば「腹くう内に力が入るので、背骨を守りやすくなります」
ヒザを押し出す。「ヒザが内側に倒れるのを防ぐには、お尻を下げるときも上げるときも、外側に押し出すことを意識しましょう。股関節が開いたままになり、正しい姿勢がキープできます」とナクラウィ。
体重をかかとに乗せる。ナクラウィによると、つま先に体重が乗ってしまうのは足首が硬いから。スクワット中は、かかとで床を押すことを意識して。また、プレーにかかとを乗せたり、かかとの高いウエイトリフティング用シューズを履いたりすると、正しいフォームでお尻を深く下ろしやすい。
・モディフィケーションとプログレッション(難易度の上げ下げ)
自重スクワットはフィットネスレベルは問わないエクササイズ。でも、最大限の効果を引き出したいなら、難易度を上げ下げしてみて。
・モディフィケーション(難易度を下げる)
初心者を含め、スタンダードな自重スクワットに手こずっている人は、以下の方法で難易度を下げてみよう。
箱か椅子を使う。後ろに倒れるのが怖い人にはピッタリのオプション。「これで可動域が広くなります。尻もちをつく心配がない分、安心感もあります」とナクラウィ。
サスペンションスクワットにトライする。ナクラウィによると、TRXのようなサスペンショントレーナーのハンドルにつかまれば、自重がコントロールしやすくなる。これも安心・安全なフォームの身に付け方。
・プログレッション(難易度を上げる)
基本的な自重スクワットをマスターしたら、ウエイトやレジスタンスバンドで物理的な抵抗を加えてみよう。器具なしで難易度を一気に上げる方法もある。
スタンスを変える。通常のスクワットが物足りなくなってきたら、スタンスを狭くしてみて。ナクラウィいわく逆にスタンスを広くして相撲スクワットにすれば、内ももが熱くなる。
筋肉が緊張している時間を増やす。自重スクワットのテンポを変えるだけで、驚くほど難易度が上がる。ナクラウィのオススメは、3秒かけて体を下ろし、一番下で1秒止まり、3秒かけて体を上げるスクワット。緊張下にある時間が長ければ長いほど、筋肉は早く疲れる。
片脚でやってみる。自重スクワットを本気で難しくしたいなら、スプリットスクワット、後ろ脚を上げたスプリットスクワット、そしてピストルスクワットにトライして。こういった体の片側だけを使うエクササイズでは、軸足に大きな負荷がかかって大変な分、見返りが非常に大きい。
結論
自重スクワットは初心者向けのエクササイズに見えるかもしれないけれど、正しいフォームで行いさえすれば、フィットネスレベルを問わず万人に効果をもたらす。そして、スタンスやテンポを変えれば、ウエイトやレジスタンスバンドを使わなくても難易度が上げられる。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Lauren Del Turco, CPT Translation: Ai Igamoto
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