モデル業からフィットネス界のカリスマへ。超人気オンラインサロンのオーナーとして成功を遂げ、自身のライフスタイルウェアブランド「Schellin」とは別に、オリジナルフィットネスグッズなどの物販も始めるという栗原ジャスティーンさん。並々ならぬ彼女の機動力はどこで培われたのか? モデルと起業家、二足の草鞋を履く彼女の半生に迫る。

マッチョなモデルはダメ? 自分の体を受け入れてくれない葛藤

小さいころから体を動かすことが好き。学生時代はテニスに没頭し、テニス強化選手として育成チームに所属するほどの実力を持っていたという栗原さん。プロを目指してテニスに明け暮れる日々、その甲斐もありランキングも順調に伸びていったという。中学に入学すると、モデルエージェンシーからスカウトの声がかかった。そこで、テニスを続けながら、モデル業も同時に始めることを決めた。

栗原ジャスティーン
栗原ジャスティーン

「スポーツ選手とモデルの両立は本当に難しかったですね。まず、テニスを良くする体型とモデルをする体型は真逆で、そのギャップに苦しんでいました。テニスは屋外が基本なので、日焼けはしてしまうし、ケガをすることも多い。でもその分だけ成果に繋がるから頑張りたい。だけど、モデルはそれがマイナスになってしまうんです。そもそも、体型のこと以外にも、大事なCMの仕事が入ってるときに限ってテニスの試合が重なってしまうこともあって。テニスは試合に出ないとランキングがどんどん下がってしまうんです。体型のこと、スケジュールのこと、いろいろとうまくいかないことが増えてきて、葛藤していた時代でした」

高校に入学するタイミングでテニスは強化選手としてではなく、部活に切り替え、モデル一本に絞った栗原さん。本気でモデル業をするうえで、大きな壁となったのは、バネのある筋肉質な体を華奢なモデル体型にすること。

栗原ジャスティーン

「オーディションで最終選考まで残っても、筋肉質な脚が理由で落とされてしまうこともありました。当時のモデルは、日焼けもダメ、体も細くなければ許されなかった時代。いままで培ってきた動ける体、この筋肉をなんで落とさなきゃダメなんだって、モデルを選んだ割には、まだ心に葛藤が残っていて。それでも、“痩せなければいけない”って思い直して、とにかくすぐ成果の出そうな“○○だけで”のような極端なダイエットに手を出してました。でも、それをやっても効果が出ないんですよ。絶対に痩せるって謳っているのに(笑)。だから、痩せないのは食べ過ぎている自分のせいだ、と思い込んで、どんどん追い込んでしまいました。だけど、よくよく考えてみたら、それは、ダイエットプログラムのせいなんですよ。10代の私には知識がなく、その本質を見抜けなかったんです」

過度な食事制限により、摂食障害に。日本での活動を休止する

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間違ったダイエットのやり方によって体を壊してしまった栗原さんは、いったん日本でのモデル業をリセットし、しばらくの間、拠点を海外に移した。最初の渡航先である香港では、イギリス人が多い場所だったせいか、通い始めたトレーニングジムが英国流と香港のスタイルを経験できる内容だったそう。そこで出合ったのが、瞑想やヨガなどマインドフルネスな体験だ。半年間、香港に滞在した後、そのままロサンゼルスへ。そこで栗原さんに大きな転機が訪れた。

「とにかく、モデルも含め、美しい女性がめちゃくちゃ鍛えてるんですよ。体型に対しての価値観が日本とはまったく違うんです。驚きはそれだけじゃなくて、ジムのトレーナーの方たちの知識の幅広さ。トレーニングメソッドだけでなく、食事に関してもいろいろと詳しかったんです。そこで私は吹っ切れたというか、きちんと運動して、きちんと食べて、ボリュームをつけようと思ったんです。ロサンゼルスには、自分がお手本にしたいロールモデルのような女性がたくさんいました。だから、私も目指すところを決めたんです。私は、健全な体と心を手に入れて、日本に帰り、そのお手本になるって」

体を壊す、見せかけのダイエットからの脱却。振り切った20代の始まり

運動は、体を作るだけではなく、心も作ってくれる。体を気遣うことで食への関心も高まり、行動力が生まれ、そして、幸福感を得られるようになる。そう確信した栗原さんは自分の意識を変えてくれたロサンゼルスの女性たちのように、今度は自分がその立場になり、誰かの人生を変える存在になると決意した。その頃から、コミュニティを作りたいと考え始めたそう。構想・準備期間は7年を費やした。

栗原ジャスティーン

トレーニングの基礎を学び直し、自分の体で“良いもの”を見極められるよう様々なトレーニングや食事法などを試してきた。同時に、日本での知名度を上げる努力も惜しまずやってきた。その甲斐あって、昨年末に無事ローンチしたオンラインサロンは大きな反響を呼ぶ。目標としていた人数の10倍以上、1000人を超える申し込みが殺到したのだ。

100人集客目標のつもりで立ち上げたコミュニティが1000人規模の大型サロンへ

「ここまでくるのに、何が一番大変だったと言えば、自分の体で体験して結果を出すことでした。時間がかかりますからね。でも本当にやってよかった。経験してきたからこそ、私の言葉には信ぴょう性が生まれたし、ダイエットの本質を自分ごととして話せるようになったので」

栗原ジャスティーン

サロンでは、ダイエット、ボディメイク、新しいことのチャレンジなど、ポジティブ、ネガテイブ問わず、様々な目的意識を持った人が参加している。そんな彼女たちへのメッセージとして一番大切にしていることが栗原さんにはある。

ヘルシーな体と心。女性が目指す選択肢はひとつじゃない

「私のサロンで大事にしているのは、体と心、両方からのアプローチなんです。心を置いていってしまうと、トレーニングに依存して、やせ細って、これじゃダメ、あの人の方が綺麗っていう状態になり、失敗していってしまうんです。かといって、心だけ鍛えるというのも難しいですよね。だから両方必要なんです。体を動かせば心がハッピーになる。その“多幸感”を繰り返して受け入れていくと、いつの間にか運動が習慣になる。サロンでは、そんな風にして、体と心を同時に作っていくことを軸に置いてます」

栗原ジャスティーン

「Schellin Fit」の掲示板には、

“運動を始めて気持ちが明るくなり、旦那さんの態度も変わってきた!”

“夫婦喧嘩が減って、子どもの笑顔が増えた!”“

“やる気が出てきて資格を取る目標を作って勉強を始めた”

など、はつらつとしたコメントが軒を連ねる。

「そういうコメントを見ると、大変だけど、本当に始めてよかったって思いますね。結局、体って、そのままでいいんですよ。体にコンプレックス抱えていても、それは体が問題なのではなく、心に問題があると思うんです。私の考えですけど、体は動かすためにあると思うんです。じっと座っているためにできているわけじゃない。なのに、大人になると“運動”が特別なことになって動かさないでいる時間の方が多いじゃないですか。そこに体と心のギャップが出てしまうんじゃないかな、って。本来は、生活の中に運動があるのが普通なんです。それを戻してほしいっていう気持ちがあります。これは、毎日、四六時中、運動しろとかそういうことじゃないんです。生活の一部として、運動を入れようねって。サロンのみんなは忙しい人が多いので、短く効果があるメニューを組むなど、工夫もしています。10分ちょっとでも、体を動かし始めれば、マインドもすごく変わるんですよ。ぜひコミュニティでその変化を体感して欲しいです」

栗原ジャスティーン
コミュニティのブランドから生まれたフィットネスグッズ(10月9日 19時より受注開始)も人気の様子。ヨガマット¥6,600、タンブラー¥3,850、Complete Set(ヨガマット、タンブラー、タオル、メッセージカード付き)¥11,000 バンド/私物

生活の中に、運動習慣を! 「NEW LIFE NEW ME」は“新しい私”が見つかる!

栗原ジャスティーン

11月5〜7日に開催するオンラインイベント「NEW LIFE NEW ME」。11月7日に出演する栗原さんのセッションでは、彼女のオンラインコミュニティの全貌が分かるような内容を、2時間に渡ってまるっとお届け! “運動は苦じゃなくて、ライフスタイルの中に運動を入れるってことがこんなにも楽しいことなんだっていうのを一人でも多くの人に感じてもらいたい”

栗原ジャスティーン

そんな栗原さんのメッセージがギュッと詰まったフィットネスライブを是非体感して!

詳しくはこちら

Headshot of Chie Arakawa
Chie Arakawa
ウィメンズヘルス・シニアエディター

タレント・アスリートインタビュー・スポーツファッション・ウェルネス記事などを担当。女性誌FRaUでファッション・スポーツ・ダイエットなどの編集キャリアを積み、その後スポーツライフスタイルマガジンonyourmarkのプロデューサーとして在籍後、2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。