目まぐるしく変化し続ける現代。さらに2020年には新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界中が混乱した状態が続いている。世界中の人々が不安を抱える今、「マインドフルネス」や「瞑想」という言葉は、よりいっそう身近になっているのではないだろうか。わたしたち人間はどうすればこの試練を乗り越え、平和な世界を実現するができるのか。「その答えは自分自身の内側にある」と、瞑想家の佐々木依里さんは話す。そこで今回は佐々木さんに、瞑想との出合いや“内の世界”についてお話を伺った。

幼い日の疑問が、瞑想と出合うきっかけに

瞑想

佐々木さんが瞑想と出合ったのは11歳。仲のよい幼馴染の死をきっかけに、『命ってどう続いていくんだろう』『人間の魂は、死んだらどこに行ってしまうのだろう』と考えるようになる。

「幼馴染の死に直面し、さまざまなことを考え始めていたころ、カウンセリングを学んでいた7つ上の姉から『チベット死者の書』という本をもらいました。この本は人はどこから来て、どこへいくのか、死生観にまつわることが書かれた経典。同時に、チベット瞑想にも出合いました。私は幼い頃、自分の気持ちを言葉で表現する方法が分からず、いら立ちを感じたり、感情をうまく伝えられない子でした。人と話すよりも自然と言葉のない会話をしている方が好きで、自然との世界を楽しんでいました。なので、瞑想をして自分の内側をもっと知っていくって楽しいなと、感じたんです」

そこから瞑想に没頭していく佐々木さん。しかし、ある事件が瞑想を佐々木さんの心に閉じ込めてしまう。

「某新興宗教の事件が世の中を騒がせている時期に、瞑想が社会的にいいものなのかどうかとても悩みました。とはいえ、自分にとっては必要なものだと確信していたので、公には瞑想のことは話さず、一人で瞑想を行うことに。ひっそりと心の勉強をし続けました」

高校卒業後、佐々木さんは瞑想を継続しつつ、写真の道へ。心や愛、光、平和を、写真で表現したいと考え、写真の専門学校に入学する。

「専門学校を卒業後、グアムのウエディングフォトグラファーになったのですが、半年で辞めて旅に出ることに。ある時期、メキシコに2年間住んでいたのですが、そこでメキシコの貧富の差を目の当たりにしました。自分は世界を平和にしたいと思って生きてきたのに、目の前の社会問題にはなにもできない。『私が世界にできることってなんだろう』と、自分の無力さを痛感しました」

瞑想

海外での体験から、より「地球の素晴らしさを伝えたい」という気持ちを強固にした佐々木さん。帰国後は表現の幅を広げ、モデルの世界に足を踏み入れる。環境問題にもずっと興味があったという。

「地球は自分そのものであることをどうしたら伝えられるか考えました。そこで、旅番組に出て、地球愛と自分らしさを発信していこうと決意。いくつかの旅番組に出演しました。さらに2015年からは『エシカルトリップ』という、環境に配慮した旅を決行。ローインパクトでも旅ができることを体現しようと考えました」

コロナをきっかけに、想い描いていた世界が現実に

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1700キロを横断したエシカルトリップの同年、佐々木さんに環境省のアンバサダーとして白羽の矢が立つ。いっそう環境活動に力を入れているさなか、あるきっかけで瞑想を自己から開放することになる。

「今まで、瞑想は自分だけのものだったけど、『今の自分なら、私の体験を通して瞑想の魅力をみんなに伝えられるかも』と思いました。そこで初めて、瞑想をしている姿をSNSにアップしたんです。そうしたら、そのころまだ少ないフォロワー数にも関わらず、100件の通知があったんです。『私にも教えてほしい』『瞑想に興味がある』って。『あ、これ時代が変ったのかも知れない』って感じたんです」

瞑想

多くの人が瞑想を求めてることを知った佐々木さんは、そこから自分のためだけではなく、みんなに瞑想をシェアしようと決意する。

「目に見えているものがガタガタと崩れている時代に、多くの人に自分の内側を信じる力を訓練してほしいと思ったんです。それでも始めは知り合いにしか教えていなかったのですが、2019年から一般の方にも公開するようになりました」

さらに変化があったのは、2020年の新型コロナウイルスの流行だという。

「2019年時点でもみんなの意識が変わってきている認識はありましたが、コロナ禍になって、内側を見つめる必要性が全員にできてしまった。自分に意識が向いている人が増え、瞑想を自然と受け入れるようになったと感じています。完全に世の中の意識レベルは変わりましたね」

瞑想で出合う自分の“内の世界”

さまざまな人が今、必要としている瞑想。瞑想をすることによって見える世界とは?

瞑想は、自分の内側を見つめる唯一の方法です。自分を知って、掘り下げる時、瞑想は大きな助けになります世の中には、自分を感情を無視している人がとても多いです。自分の心の声をしっかり聞いて、自分のことを理解し、自分を認めることで初めて、人はリラックスすることができるのです。まずみんなにセルフラブを実践してほしいですね。自分を優先に考え、自分を傷つけている・我慢している心理を解いてあげてください。それに気が付き、自分を導く力を養っていけば、どんな困難に直面してもあなたは大丈夫。世界中の人がそうなっていけば、世の中はガラッと変わり、平和になっていくと信じています」

佐々木さんの瞑想の世界を体験できるイベントが開催

ニューライフニューミー

ウィメンズヘルスでは佐々木さんの『佐々木依里のメディテーションジャーニー』連載を隔週で行っているが、なんと今回、ライブバージョンでお届け。

「ジャーナリングと呼吸法、慈悲の瞑想法などをお伝えするセッションになっています。瞑想をこれから取り入れたい人、より世界を深めていきたい人、みなさんの役に立つ内容になっていますので、ぜひ参加してください」

今回の内容は、『New Life New Me』だけでしか体験できない特別プログラムとなっている。答えを教えず、気づきを与える90分。きっとレッスン後には、心が満たされているはず。新月の日に、新たな世界に足を踏み入れてみては?

イベントの詳細はこちらから

Photo: Risako Sueyosh Text: Kaoru Sawa

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。