仕事や家事に子育てなど、せわしなく過ぎていく毎日。昨今は世界全体が未曾有のウイルスに脅かされ、感じたことのない不安をみんなが抱えて生きている。そんな私たちが、より心地よく生きていくにはどうすればいいのだろうか? そんな疑問を抱えている人たちが行き着く場所の一つに、アーユルヴェーダがある。「アーユルヴェーダは、いわば自分自身の取扱説明書。自分の人生を苦しめているものはなにかを知り、自分を最大限に輝かしてくれるものです」と話すのは、『MOTHER』主宰で、アーユルヴェーダ&ヨガのインストラクターであり、管理栄養士の資格も持つ岡清華さん。そこで今回はアーユルヴェーダと肩ひじ張らない生き方について、岡さんにお話を伺った。


“食”で苦しむ人々の手助けになりたい

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アーユルヴェーダのイメージが強い岡さんだが、実はその入り口は“食”からだったという。

「15歳のとき、当時お付き合いをしていた彼に『ちょっと痩せたら』と言われたことがきっかけでした。私はもともと中肉中背だったのですが、彼の言葉を聞いて『もっともっと痩せたい』と思い、ダイエットを決意。摂取カロリーを極限まで減らし、油や糖質を取らないうえに毎朝走るという、今考えると無茶なダイエット方法でした。そして努力の結果、10キロくらい痩せて、体脂肪が9%くらいになったんですが、今度は不調が出始める。月経が止まり、ヒザに痛みを感じるなど、体に支障が出てきてしまったんです」

さらにそのころ、友人が摂食障害になったり、祖父母が糖尿病や認知症になったりと、“食にまつわる不調”を目の当たりにする機会が多かったという。

「摂食障害で吐いている友達に『吐くのはよくないよ』と言っても、なにがだめなのか説明できない。“食事“とは“人を良くする事と書きますよね。しかし、食べ物で体は作られているのに、食で体がよくなるどころか悪くなっているところを見て、疑問を持ち始めました。ネットで調べてみても、答えになるような内容に対してまるで情報が出てこない。『食によって人を変えたい』という、半ば憤りと悔しさから、栄養学を学ぶことを決意しました」

アーユルヴェーダとの運命的な出合い

高校時代のちょっとした経験から食に興味を持ち、大学で栄養学を学んだ岡さん。しかし、栄養学を学べば学ぶほど、疑問は深まっていく。

「栄養士の国家資格の勉強をするなかで、『同じモノを食べていても太る人、太らない人がいるのはなぜだろう?』など、栄養学では解決できない個体差の壁にぶつかりました。さらに、『これを食べれば体にいい』とわかっているけど、実際は『カップ麺を食べちゃう』人が多い。理論上理解できていても実践できないのであれば意味がなくて、それを解決する方法を学ぶ必要がある、と感じました」

岡清華

岡さんは管理栄養士の資格を取得後、本格的に芸能活動の道へ。自身の疑問を探求しながら、発信していくことを決意する。

「国家試験勉強中に疑問がフツフツと沸いていました。しかし、そのころはまだなにを学べばいいかわからなくて、当てもなくインターネットで『体質 食 違い』とか『心 体 繋がり 食』とかを調べていました。そんなある日、『アーユルヴェーダ』というワードが出てきて、『これだ!』と思ったんです。そこで出会ったのが、人生を変えるきっかけを与えてくれたアーユルヴェーダの師匠、マイラリューイン師匠。『これなら食のその先、人の健康と食を知ることができるのではないか⁉』と、大学卒業後すぐに師匠が住んでいた ハワイ(カウアイ島) へ1カ月単身、アーユルヴェーダを学びに行きました」

アーユルヴェーダは「自分自身の取扱説明書」

人間は5000年前から健康や人間関係の不調を抱えており、この不調を解決するためにもたらされたものがアーユルヴェーダといわれているそう。一生涯、人間が人生を楽しみ切るためにあるのがアーユルヴェーダだと、岡さんは話す。

「アーユルヴェーダは、自分がどんな悩みを持っていて、どんなふうに変わりたくて、なにがそうできない原因になっているのか、『自分の人生の妨げはなにか』を紐解くもの。まさに、『自分自身の取扱説明書』だと私は考えています。実は人間は、ポテンシャルの1割くらいしか使えてないなんて言われているんです。本当は、人間ってこんなものじゃない。朝起きてから夜寝るまで、自分がなにを選択したらいい方向にいって、なにを選択したら悪くなるのか。自分をより本来の状態、いわばニュートラルに戻して、自分を最大限に輝かしてくれる方法を知ることができるのがアーユルヴェーダなのです」

岡清華

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アーユルヴェーダに興味を持つ人は多いが、なにから始めればいいのかわからない人も多い。そんな人には、まずデトックスから始めてほしいという。

「アーユルヴェーダ的視点でいうと、自分が興味のあるところから入ることがいいと思います。結果、行き着く場所は一緒なので、入り口にこだわりすぎる必要はないんです。しいていえば、まずタンスクレーパー(舌磨き)から始めてみるといいかもしれません。舌の上には舌コケという代謝毒素が溜まりますが、それを毎朝こそぎ落とし、体から毒素を出すという習慣を作ると、あらゆる変化や快適さをすぐに感じていただけるはずですよ。具体的には、 味覚が研ぎ澄まされ、より食べ物をおいしく感じ、満足感が得られたりします。満足感が得られると食べるものが変わり、ライフスタイルが変わって、人生が変わっていきますよ」

そんな岡さんが日々ニュートラルでハッピーでいるために心がけていることとは?

「頑張りすぎたり、無理した結果、 自分のテンションが落ちてたり、コンディションがよくない状態に行きつきますが、それは人生においての『チャンスを逃している』と思うので、いつでも肩ひじ張らず、力が入っていない状態で自分らしくありのままでいることを心がけています。100年後も同じペースで走れるかどうか、そんな視点をもったうえで、今日を過ごしています」

世の中に疑問を持つ多くの人が、最後に辿り着く場所

岡清華

そんな岡さんの活動の一つに、アーユルヴェーダのオンラインスクールがある。スクールには、さまざまな食事法やダイエット法、健康法、美容法などを試した結果、岡さんの伝えるアーユルヴェーダに辿り着く、という人がとても多いという。

「共に学んでいただいている皆様は、私と同じく世の中に対する疑問や違和感を感じている方も多く 『散々いろんなものを試したけど、どこに答えがあるの?』という方が多いです。様々なものを試した中で、『もうこの先に答えはないのではないか』という、崖を見た人の駆け込み寺的な存在ですね」

11月に開催される『New Life New Me』で、岡さんのレッスンを体験!

ミキタナカ

岡さんのオンライン講座を体験できるイベント『New Life New Me』が、11月に開催される。今回のイベントでは、アーユルヴェーダ的な視点から、月の満ち欠けにフォーカスを当てながらライフスタイルの選択の方法を岡さんがレクチャーしてくれる。

「アーユルヴェーダの観点から、食事法についても軽くお話しさせていただきます。アーユルヴェーダをこれから取り入れたいと考えている人にも分かりやすい内容にしていきたいと思ってます」

イベントは11月5日、蠍座の新月からスタートされるが、アーユルヴェーダの視点からみた新月のおすすめの過ごし方は?

「月の満ち欠けと女性は、とても深い関わりがあります。女性は新月と満月にかなり影響を受けやすいんです。とくに新月は無理をするよりも、自分に優しくしてあげることが大切。自分をしっかり整え、ゆったりと過ごすことがおすすめです」

これまでの生活を一新したい、習慣をつくりたい、その始まりとなる体験ができるのが『New Life New Me』。ぜひこの機会に、新しいことを始めてみては?

イベントの詳細はこちらから

Photo: Risako Sueyosh Text: Kaoru Sawa

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。