Tシャツやノースリーブなど、肌を露出する機会が多くなるこれからの季節。そこで気になるのが、プヨプヨした太い二の腕。冬は長袖でごまかせるものの、真夏ではそうはいかない。今年の夏こそは、キュッと引き締まった二の腕を手に入れたい! そこで今回は、二の腕が痩せる効果的な筋トレとマッサージ方法、おすすめアイテムをご紹介する。
二の腕が太くなる原因とは
パーソナルトレーナー・健康運動指導士の池田佐和子さんに、女性の二の腕が太くなる原因について伺った。「二の腕が太くなる原因は、日々のちょっとした癖が影響している可能性があります。悪い癖の1つとして挙げられるのが、ヒジを曲げてバックを持つこと。右腕がずっと曲がっている状態のため、二の腕を形成する上腕二頭筋に力が加わり続けます。さらに、重たいバッグだと負荷もかかり、筋肉が発達してしまいます」
上腕二頭筋は、力こぶを見せたときにボコッと出るたくましい筋肉。誰もがやっている”ヒジ掛け持ち”の影響で、無意識に上腕二頭筋を鍛えていることになる。勝手に鍛えられ太くなっている上腕二頭筋と、二の腕下部のたるんだプヨプヨが相まって、腕が太く見えてしまう。やりがちな”ヒジ掛け持ち”は、直すよう心がけて。
参考記事: 【ながらエクササイズ】バッグを持つあの姿勢が悪影響!? 体形を崩す癖をケア!<二の腕編 >
二の腕を引き締める方法と頻度とは?
認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストであるタイラー・スプロールとフィットネスジム『Equinox』でパーソナルトレーナーをしているステファニーが、二の腕を引き締めるための方法とトレーニングをする頻度について解説してくれた。
「二の腕に脂肪をつけないためのもっとも効率的な方法は、1日に100〜200kcal程度を目安に、摂取カロリーを減らすことです」とスプロール。
ステファニーは「二の腕を引き締めるためには、体脂肪を全体的に減らすことだけでなく、上腕の筋トレをすることがとても重要です。筋トレをすればするほど脂肪は燃え、続ければ続けるほど筋肉がつきます。その結果体脂肪が減り、体だけでなく二の腕もキュッと引き締まりますよ。おすすめの頻度は、上半身の筋トレを週に2回です。いつもの全身エクササイズに、腕の筋トレメニューを入れるのが理想です」という。細く引き締まった二の腕を手に入れるためには、日々の筋トレが最も大切で効果的ということ。
参考記事: 二の腕の肉を落とすために知っておくべき6のコト
徹底的に二の腕を引き締める方法って? ダンベルで簡単上腕筋トレ
腕を構成する筋肉とは?
上腕の前面にある筋肉から見ていこう。
上腕二頭筋: “二頭筋”とも呼ぶ。ヒジを曲げたり、荷物を持ち上げたりするときに使われる筋肉。
上腕筋: 二頭筋の下にある。上腕二頭筋と骨を結ぶ重要な部分。上腕二頭筋を鍛えると、上腕筋も同時に刺激を受ける。
烏口腕筋(うこうわんきん): 肩の近くにあり、腕を体に近づける動作で使う。肩関節の動きをスムーズにさせる役割もある。
次に、上腕の背面にある筋肉を見ていこう。
上腕三頭筋: “三頭筋”とも呼ぶ。上腕の裏側にある筋肉で、前腕を伸ばすときに使う。
ヒジ筋: 前腕を回したり、ヒジを伸ばしたりするときに使う小さな筋肉。
参考記事: 徹底的に二の腕を引き締める方法って? ダンベルで簡単上腕筋トレ
トレーニング方法
ここでは、上腕二頭筋と上腕三頭筋に効果的なエクササイズをご紹介。とくに上腕三頭筋を鍛えられれば、二の腕がより引き締まる。
上腕二頭筋を鍛える筋トレ
上腕には複数の筋肉があるため、それぞれの筋肉をトレーニングする必要がある。そこでウィメンズヘルスがおすすめする筋トレメニューをご紹介。いつものメニューに以下のエクササイズを加えれば、上腕二頭筋が簡単に鍛えられる。
所要時間: 15分
必要な器具: 初心者/中級者は2~4kgのダンベル、上級者は5kgのダンベル
やり方: それぞれ1セットを3~4回繰り返す。セットの間で休憩をして。
1.バイセップカール
①足を腰幅に開いて立ち、体の横でダンベルを持つ。
②手のひらを前に向け、背筋を伸ばして胸を張る。
③上腕は固定させたままヒジを曲げ、ダンベルを肩の方へ上げる。
④ダンベルをゆっくり下ろし、スタートポジションに戻る。
2.ハンマーカール
①足を腰幅に開いて立ち、体の横でダンベルを持つ。
②手のひらを内側に向け、背筋を伸ばして胸を張る。
③上腕を固定させたままヒジを曲げ、ダンベルを肩の方へ巻き上げる。
④ダンベルをゆっくり下ろし、スタートポジションに戻る。
3.ワイド・バイセップカール
①足を腰幅に開いて立ち、両手にダンベルを持つ。
②ヒジは体の脇にくっつけ、前腕を45度外に開く。
③上腕は固定させたままヒジを曲げ、ダンベルを肩の方へ上げる。
④ダンベルをゆっくり下ろし、スタートポジションに戻る。
4.クロスボディ・オルタネイティヴ・バイセップカール
①足を腰幅に開いて立ち、体の横でダンベルを持つ。
②手のひらを太ももの前面に当て、背筋を伸ばして胸を張る。
③ヒジは体の脇につけたまま、右手に持ったダンベルを左の肩へ当てる。
④スタートポジションに戻る。反対側も同じように繰り返す。
5.アイソメトリック・バイセップホールド
①足を腰幅に開いて立ち、体の横でダンベルを持つ。
②手のひらを内側に向け、背筋を伸ばして胸を張る。
③上腕を固定し手のひらは上に向け、ヒジを90度に曲げる。
④この状態を30秒キープし、スタートポジションに戻る。この1セットを繰り返す。
6.ベントオーバーロウ
①足を肩幅に開いて立ち、両手にダンベルを持つ。
②ヒザは軽く曲げ、上体を前に倒し、胸を床の方へ近づける。
③手のひらは内側に向け、両腕を肩から下にまっすぐ伸ばす。
④体幹はしっかり締め、肩甲骨を寄せながら、ダンベルを肋骨の方へ引き上げる。
⑤この状態をキープしてからダンベルを下ろし、スタートポジションに戻る。
7.シングルレッグロウ
①左手にダンベルを持ち、手のひらは内側に向け、左脚を後ろで浮かせた状態のままキープ。
②上体は前に倒し、左腕を肩から下にまっすぐ伸ばす。
③ダンベルをあばら骨の方へ引き上げる。
④この状態をキープしつつダンベルをゆっくり下ろし、スタートポジションに戻る。左右を入れ替えて繰り返す。
8.リバースフライ
①両手にダンベルを持つ。足を腰幅に開いて立ち、ヒザは軽く曲げる。
②上体は前に倒し、手のひらを内側に向ける。
③両腕を後ろで組み、まっすぐ伸ばす。
④腕を左右に振り上げて、肩甲骨を寄せる。スタートポジションに戻る。
9.グッドモーニング
①足を肩幅に開いて立ち、体の後ろでダンベルを1つ持つ。
②背中は丸めずヒザを軽く曲げたまま、上体を前に倒す。
③5秒キープし、スタートポジションに戻る。
10.シングルアーム・リアデルトレイズ
①左手にダンベルを持ち、上体を前に倒す。
②右手を右太ももに乗せてバランスをとる。
③左腕を肩から下にまっすぐ伸ばし、手のひらを内側に向ける。
④上体を固定したまま、左腕を背中の10cmくらい上まで持ち上げる。
⑤この状態を保ってから、ゆっくりスタートポジションに戻る。左右を入れ替えて繰り返す。
11.ゴムバンドトレーニング
モデルでフィットネストレーナーのエミ・レナータさんが、引き締まった二の腕をキープするために行っているトレーニングをご紹介。
やり方: 片方につき10回ずつがベスト。もしきつければ最初は5回ずつでも良い。できる方は15回ずつ試してみて。
①90度に回した手を背中の中央に置き、下側の手を上げないよう直角にキープ。
②もう片方の手は上げる。
③上げた腕は少し後ろに倒すと効果的。耳より後ろに上げるよう意識して。
12.【7分動画】なわとびエクササイズ
脚が太くならずに二の腕を鍛えられる7分間のなわとびエクササイズを、フィットネストレーナーであるマリジョゼがご紹介。やり方はYouTubeをチェック!
参考記事: 背中と二の腕を同時に鍛えられる! 「10種類のエクササイズ」
【ゴムバンド 筋トレ】の効果とやり方とおすすめアイテム。お尻や腹筋、二の腕、太ももに効かせるには?
上腕三頭筋を鍛える筋トレ
プヨプヨの悩みを解消! 上腕三頭筋を鍛えるトレーニング方法をご紹介。
所要時間: 15分
必要な器具: マット・ダンベル
やり方: 1セットを8〜10回を繰り返す。セットの間で休憩をして。
13.ダンベルフロアプレス
①ヒザを曲げてあおむけになり、足裏を床につける。
②両手に1つずつダンベルを持ち、腕を胸の位置に固定したら、真上に伸ばす。
③このとき、手のひらは内側を向いているように。
④腕を曲げながら、上腕三頭筋が床につくまでサイドに下ろす。
⑤ヒジは、体に対して45度の角度を保つこと。ゆっくりとスタートポジションに戻る。
14.シングルアーム・ダンベルフロアプレス
①ヒザを曲げてあおむけになり、足裏を床につける。
②左手でダンベルを持ち、左腕を真上に伸ばす。このとき、手のひらは顔に対して外側を向いているように。
③腕をゆっくり曲げながら、上腕三頭筋が床につくまでサイドに下ろしていく。
④ヒジは体に対して45度の角度を保つこと。ゆっくりとスタートポジションに戻る。
15.アルタネイティング・ダンベルフロアプレス
①ヒザを曲げてあおむけになり、足裏を床につける。
②両手に1つずつダンベルを持ち、腕を胸の位置に固定したら、真上に伸ばす。このとき、手のひらは内側を向いているように。
③左腕をゆっくり曲げながら、上腕三頭筋が床につくまでサイドに下ろす。
④二の腕は、体に対して45度の角度をキープさせる。ゆっくりとスタートポジションに戻ったら、右腕でリピート。
16.プッシュアップ
①両手を肩幅に開いて床につき、脚は後方に伸ばして腰幅に開く。このとき、頭からかかとまでが一直線になるよう意識して。
②体幹を締めながらヒジを曲げ、体が床につきそうな位置まで下ろしていく。
③ヒジは、体に対して45度の角度を保つこと。
④体を押し上げて、スタートポジションに戻る。
17.クローズグリップ・プッシュアップ
①プッシュアップの姿勢になり、手の位置を、体の外側ではなく、胸の真下に固定する。
②体をゆっくりと下ろしていき、ヒジは閉じて後方を向いているように。
③上腕三頭筋は、なるべく体に近づけて。
④体を押し上げスタートポジションに戻る。
18.ハンドリリース・プッシュアップ
①両手を肩幅に開いて床につき、脚は後方に伸ばして腰幅に開く。このとき、頭からかかとまでが一直線になるように意識して。
②体幹を締めながらヒジを曲げていき、体が床につくまで下ろす。
③両手を床から数cmほど上げて体を休ませよう。
④体を押し上げスタートポジションに戻る。
19.ライイング・オーバーヘッド・トライセップス・エクステンション
①ヒザを曲げてあおむけになり、足裏を床につける。
②両手に1つずつダンベルを持ち、肩の高さから真上に腕を伸ばす。
③ヒジをゆっくり曲げ、ダンベルをこめかみの位置まで下ろす。
④この姿勢をキープし、ダンベルを頭の上から持ち上げる。
20.シングルアーム・トライセップス・キックバック
①ヒザを曲げ、少し前かがみの姿勢で立つ。
②両手に1つずつダンベルを持ち、両ヒジを曲げて両サイドにダンベルを固定。
③片方のダンベルを後方に動かし、上腕三頭筋を引き締めながら、腕を一直線に伸ばす。
④スタートポジションに戻ったら、反対側の腕でリピート。
21.ダンベル・トライセップス・キックバック
①ヒザを曲げ、45度の角度になるよう前かがみの姿勢で立つ。
②両手に1つずつダンベルを持つ。
③ヒジを90度に曲げて、胸の位置にダンベルを持ってくる。
④上腕三頭筋を引き締めながら、ダンベルを後方に動かし、腕をまっすぐ伸ばす。スタートポジションに戻る。
22.オーバーヘッド・トライセップス・エクステンション
①脚を腰幅に開いて立ち、両手に1つずつダンベルを持つ。
②頭上に持ち上げ、腕をまっすぐに伸ばす。
③上腕は耳横で固定しダンベル同士をくっつけたら、ヒジを曲げてダンベルを頭の後ろに下ろす。
④この姿勢をキープさせたまま、腕を伸ばしてスタートポジションに戻る。
23.トライセップス・ディップス
①ヒザを曲げ、足裏を床につけて座る。
②ダンベルを2つお尻の後ろに置き、両方の手のひらをダンベルの上に固定。このとき、手の甲は自分の方を向いているように。
③腕をまっすぐに伸ばし、お尻を床から浮かせる。
④腕を曲げ、お尻が床につくまで体を下ろす。
⑤体を押し上げスタートポジションに戻る。
参考記事: これでようやく引き締まった二の腕が手に入る! 11種類の上腕三頭筋エクササイズ
筋トレ前後におすすめストレッチ&マッサージ
・ダイナミックストレッチ
筋トレで成果を出したいなら、ウォーミングアップとして可動域を広げる6つのダイナミックなストレッチを取り入れよう。
所要時間: 5分
必要な器具: なし
やり方: それぞれ決められた数を行い、間隔を空けずに次のストレッチに進もう。
1.前横斜めのヒップロック
①マットに両ヒザをつけ、左ヒザは90度に立てる。
②足裏はしっかり床につける。左脚のヒザも90度に曲げる。
③前のヒザは深く曲げ、体を前後に5~6回揺らす。
④左脚を斜め前、真横、斜め後ろに動かしていく。
⑤それぞれの位置で体を前後に5~6回揺らす。左右の脚を入れ替えて繰り返す。
2.四つん這いのヒップロック
①四つん這いになり、右脚は横に伸ばす。
②お尻を後ろに引いて下げ、左足のかかとにつける。お尻を前に押し出し、頭からヒザを一直線に。左右それぞれ10回ずつ。
3.関節回し
①四つん這い になり、右脚を少し浮かせる。
②右ヒザを右ヒジに近づけ、上(腰の高さまで)、外(内ももが床と平行になるまで)、後ろ(大腿四頭筋が床と平行になるまで)へとゆっくり回す。スタートポジションに戻り、左右それぞれ10回ずつ。
4.針の糸通し
①四つん這いになり、右手を左腕の下に通して右肩を床につける。
②この動きを繰り返し、右腕を天井に向かって伸ばし目線は天井に。左右それぞれ10回ずつ。
5.インチワームからのランナーズランジ+ローテーション
①マットの上に立ち、体を前に倒す。手を前に歩かせて、プランクのポジションへ。
②右脚を右手の外に持ってきてランジ。
③右足の内側で右ヒジを床にタッチする。
④上半身を右に回し、右腕を天井に向かって伸ばす。スタートポジションに戻り、左右それぞれ10回ずつ行う。
6.ラテラルランジからのニードライブ
①立った姿勢から右脚を横に出し、お尻を後ろに引いて、右ヒザが90度になるまで体を下げる。
②重心を左脚に移しつつ、右ヒザを腰の高さまで上げる。スタートポジションに戻り、左右それぞれ10回ずつ行う。
・筋膜リリースを使ったマッサージ方法
トレーニングに励みすぎて、筋肉痛になってしまうと翌日のパフォーマンスが下がってしまう。そのため、トレーニング後にしっかりケアをすることが大切。そこで編集部おすすめ、筋膜リリースでのマッサージ方法をご紹介。
【ストレッチボールズでほぐす】
ストレッチボールズは、手のひらサイズのボールが2つ付いている。
2つのボール部分を二の腕に当てると、両側から掴むようにほぐしてくれる。さらに骨に沿わせるように当て、体重をかけると指圧を受けているかのように気持ち良い。
【スクウィーザーでほぐす】
車輪が2つ付いたタイプのスクウィーザー。トレーニングで張った筋肉をよくほぐし、トリガーポイントを集中ケアできる。持ち手があるため、しっかりほぐせるのもポイント。
参考記事: 5分でできる! ワークアウト前のダイナミックストレッチ
【なわとびエクササイズ7分動画】有酸素と無酸素を組み合わせた二の腕引き締めワークアウト
まとめ
日頃の癖を直したり筋トレを継続させたりすれば、スッキリした二の腕が手に入るはず。無理のないトレーニングメニューから始めてみて。コツコツ続けて、夏までに二の腕を引き締めよう!
アイテム
主にSNS周りを担当。オーガニック・ヘルシーフード・K-POPなどのリサーチ力が持ち味。オーガニックワイン、ヴィーガンフードなどのキーワードから、土壌を始めとする環境問題などにも興味を持ち、記事へとつなげている。 2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。