「プランク」は、パーソナルトレーナーやヨガインストラクターに愛されているエクササイズ。定期的に行うボディウェイト・エクササイズにプランクを取り入れるメリットはたくさんある。

上半身や体幹の強化につながるだけでなく、自宅にジム用の器具がなくてもできるなど、プランクのメリットは多岐にわたる。さらに、プランクには無数のバリエーションが存在する。

プランクの知識をより深めたい人は、正しいプランクのテクニックやバリエーションを把握して、レベルアップを目指そう。逆に、“プランク”という言葉に拒否反応を起こしている人にも、有益な情報を以下に紹介するので、ぜひ読み進めてみてほしい。

1. プランクは複数の筋肉群を使うエクササイズ

エクササイズの中でも、特にプランクの価値は非常に高い。体幹から臀部、背中、大腿四頭筋、肩、上腕二頭筋、上腕三頭筋など、体の中でも最も大きな筋肉群を鍛えることができる。

パーソナルトレーナーでオリジム(Origym)の共同設立者でもあるルーク・ヒューズは、次のように語る。「プランクが人気なのは、多くの人々が重視する主な体幹の筋肉をほとんどカバーしているからです」

「プランクを行うことによって、腹斜筋、臀部、背中、腹直筋、腹横筋の筋力を向上させることができます。また、複数の筋肉を同時に鍛えることができる複合エクササイズにもなります」

体幹を鍛えようと思って腹筋運動をしていた人は、少しペースを落としてみよう。プランクは、腹横筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋を鍛えることができる、まさに腹筋の強い味方。ここで解剖学をおさらいしておくと、これらの筋肉は、体幹の深部にある筋肉と、背中とお腹の横に走っている筋肉のこと。

    2. プランクは筋力アップにもコンディショニングにもなる

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    筋力トレーニングは、筋肉に負荷をかけて疲労させることを基本としている(俗に言う「ストレイン」)。この疲労によって筋肉組織に小さな裂け目ができ、それが治ると新しい筋肉組織ができて、代謝率が上がる。これは、筋肉組織が静止状態の脂肪組織よりも多くのカロリーを消費するため。つまり、筋肉が多ければ多いほど、何もしなくてもカロリーが消費されるということになる。

    スタティック・プランク(ハイ・プランク、フォアアーム・プランク、サイド・プランクなど)は、好きなだけ時間をかけて体に負荷をかけることができるので、筋力アップに最適。

    それだけでなく、簡単な有酸素運動になるという点も、プランクの大きな利点のひとつ。プランクジャックや、プランクコマンドー、プランク・ポップスクワットなどは、心拍数を上げ、筋肉の持久力を高めることができる。

    それぞれのワークアウトの目的に合ったスタイルを選んで、体を動かしてみよう。

    3. プランクは特別な器具が要らない

    プランクのバリエーションの大半は器具を必要とせず、自分の体重を安定させて行うというところに難しさがある。

    ダンベルを使うプランクもあるが、大半は床との接触点を変えることで行う。

    例えば、一般的にエントリーポイントとして最も優れているのは、両手と両膝をついて床との接触点を4つ作って行うハイ・プランク。いっぽう、サイド・プランクは、そこから2つの接触点をなくすため、一気に難易度が上がる。

    また、器具を使わないプランクでは、例えばプランクにヒップ・ディップスを組み合わせるなど、体幹に負荷をかける動きを加えることで、さらに効果を上げることができる。どのような動きを加えたとしても、体幹をできるだけ安定させることが重要だ。

    大変なエクササイズだけれど、効果は抜群。

    4. 広いスペースがなくてもできる

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    プランクは広いスペースがなくてもできるのが大きな特徴。自分の身長分のスペースがあれば十分だけれど、飛び跳ねたり動き回ったりするような有酸素運動をする場合は、もう少しだけ周りにスペースを作ろう。プランクは、いつでもどこでもできるのがポイント。

    5. 難易度を自由に選べる

    プランクは簡単な動きなので、自分のスキルレベルやフィットネス能力に合わせて、難易度を上げたり下げたりすることができる。

    preview for Cardio and Core Workout | WH 4-Week Home HIIT Plan

    ヒューズは、「プランクは多様なレベルに対応するため、通常のプランクを続けるのが苦手な人は、膝を下ろしたり、エクササイズの時間を短くしたりすることもできます。また、逆にプランクが簡単すぎると思ったら、バリエーション(サイド・プランクなど)を加えたり、ウェイトを付けたりして、プランクをアップグレードすることもできます」とアドバイスする。

    慣れないうちは、両手と両膝を床につけて行うなど、よりシンプルな方法がおすすめ。両手と両膝を床につけてプランクをし、その状態に慣れてきたら、つま先立ちになる。また、もっとキツいトレーニングがしたいという人は、プランクと、ポップアップ・スクワットやレネゲード・ロウなどを組み合わせてみよう。

    6. プランクは、成果や上達を確認するのに最適なエクササイズ

    フィットネスの成果を記録することは、頑張るための大きな原動力となる。前月や前週にできなかったことができるようになると自信がつくし、達成感にもつながる。プランクは、自分がどのレベルにいるのか、そしてどれだけ上達しているのかを確認するのに最適なエクササイズ。

    フィット・テストのように、経過時間や実行した回数で進捗を把握することができる。以下がその例。

    • タイマーをセットして、ハイ・プランクやフォアアーム・プランクをどれだけ長く続けられるか試す。その時間を記録し、1週間ごとにレベルを上げていく。
    • 有酸素運動をベースにしたプランクのバリエーションを選び、30秒以内に(正しいフォームで)何回できるか、もしくは疲れるまで何回できるかを確認します。体力がついてきたら、この回数を増やしていく。

    7. プランクは腹筋に比べて首への負担が少ない

    腹筋やクランチによる首の痛みは、特にデスクワークで猫背になっている人にとってはつらい。しかし、プランクは首に負担をかけずに、これらのエクササイズと同様に体幹を鍛えることができるため、肩こりや首の痛みに悩んでいる方にもおすすめ。

    8. プランクは姿勢の改善に役立つ

    シンプルな「プランク」で得られる8つの効果
    LaylaBird//Getty Images

    プランクで体の前後の筋肉を鍛えれば、立っているときも座っているときも、よりよい姿勢を保つことができる。また、首や肩の筋肉を鍛えることで、胸が前に出て、猫背を防ぐことができる。

    さらに、その効果はワークアウトやデスクワークだけにとどまらない。パーソナルトレーナーのウィルソン・ピンホは、「プランクは、予期せぬ力が加わったとき、たとえばつまずいたり、立っている時に電車が揺れたりした場合に、体が対応できるようにしてくれます」と語る。

    プランクを定期的にワークアウトに取り入れる準備ができたら、早速トライしてみよう!

    Photo: PixDeluxe, Courtesy of Oriqym via Instagram Translation: Masayo Fukaya From Women's Health

    Headshot of Morgan Fargo
    Morgan Fargo

    Morgan Fargo is a freelance beauty and wellness editor. Her CV includes Women's Health Magazine UK (and sister publication Women's Health Australia), Stylist Magazine and more.