ダイエットの難しい下半身。今回は、経絡リンパマッサージの第一人者で、70冊以上の書籍を上梓する渡辺佳子先生に、美脚作りにぴったりのストレッチ+マッサージ方法を伺った。本気で脚痩せしたい方は、ぜひ取り入れてみて!

〈目次〉

脚が太くなる原因とは?

むくみ

「長期的なむくみが原因で、脚が太くなることは大いにあります。脚のむくみは筋肉のコリなど、筋肉が収縮し、硬くなってしまうことが一因です。まずはリンパマッサージで血流を促進し、リンパの流れを促しましょう。それからストレッチで筋肉の柔軟性を高めて、硬くなった部分、全身の流れ、リンパの流れをよくすることが重要です」(渡辺佳子先生・「」内以下同)

骨盤の歪み

「下半身太りの原因として“骨盤の歪み”という話を聞くことも多いと思いますが、歪みの程度は、個人差があります。本当に歪んでしまった方もいるかもしれませんが、生まれつきシンメトリーな人はほぼいないと言われています。今の身体のバランスが良いか悪いかは、症状がでているかどうかが一つの判断基準になります。つまり、歪みがあったとしても、今のバランスが良い状態である方もいるということです。

歪みを骨の問題と考える前に、まずは硬くなっている身体、筋肉を自分でケアしてみるのも一つの方法だと思います。人は老化すると筋肉が硬くなり、身体が思うように動かなくなります。長時間座りっぱなしで、デスクワークが続いている方の中には、急な運動やストレッチで、腰が痛くなった・膝がつらい・ひどい筋肉痛・関節部分が痛い、といった経験をした人もいるのでは? これは筋肉が縮み、硬くなってきているサインかもしれません。筋肉が硬く縮んだ状態で急なストレッチをすることは、実は危険な行為でもあります。

まずは、筋肉をあたため、マッサージ+ストレッチで柔軟性を高め、身体が動きやすい状態をつくりましょう。そうすると、自然と歪みも改善されていきます。 もし、マッサージ+ストレッチをしても効果が出ない場合は、深部の筋肉が硬くなっている可能性があります。セルフケアでも長期的に行えば改善できる可能性はありますが、気になる方は早めに専門家へ相談してみるのも良いと思います」

鼠径部(そけいぶ)のつまり

「テレワークが増え、外を歩く時間が少なくなった方も増えていると思います。しかし、歩行は体にとって大事な動作のひとつ。全身の筋肉に刺激を与え、血液の流れ、リンパの流れに良い影響を与えることができます。筋肉は動かさないと凝り固まり、その周りのリンパや血液の流れが滞ります。 特にリンパは心臓のようなポンプがないため、筋肉を動かさないと流れが滞ってしまいます。

脚の付け根(鼠径部)には、鼠径リンパ節というものがあり、下半身からのリンパ液が集まります。テレワークなどで脚の付け根が曲がった状態が続くと鼠径部を圧迫し、脚のむくみ、鼠径部の冷え、さらにはひどい生理痛、生理不順の原因に。また、座りっぱなしの姿勢が、骨盤の歪みを引き起こしてしまう可能性もあります」

ストレッチはなぜ脚痩せに効果的なのか

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Kathrin Ziegler//Getty Images

「現在、多くの方がパソコンを使って業務を行っていることでしょう。何時間も同じ姿勢で過ごすことは、持続的な筋緊張、筋収縮の状態にあります。

そうすると、血行が悪くなり筋肉も硬くなって、関節の可動域も小さくなります。筋肉が硬くなると、リンパ液やリンパ管の働きも悪くなります。リンパの流れが悪くなると、老廃物や余分な水分を排出しにくくなり、脂肪組織の周りに老廃物が溜まり、むくみやコリの原因になります。結果、代謝が悪くなり脂肪燃焼効果も低下してしまうのです。

持続的なストレッチには、こういった筋肉の緊張に働きかけ、血行の改善や、むくみの緩和、代謝アップなど、停滞したさまざまな状態に働きかけることができます」

効果的に脚痩せするためのコツ

脚全体のストレッチをバランス良く

「ストレッチはとても大切です。でも、正直なところ、ストレッチだけ行っていても痩せることは難しいでしょう。ストレッチの目的はあくまでも、筋肉の柔軟性を高めること。スリムになるのは、その継続の結果、筋肉の状態が良くなり、全身の代謝が良くなった結果から得られることです」

ストレッチ+リンパマッサージでさらに効率的に脚やせ

「おすすめは、ストレッチの前もしくは後にリンパマッサージを組み合わせることです。リンパの循環を改善し、むくみもケア。皮下脂肪の減少に働きかけることができ、ダイエット効果につながります。ストレッチの前にリンパマッサージを行えばストレッチ効果を高めることができ、後に行うと疲労物質が溜まりにくくなります。

ちなみに、体が温まっているお風呂あがりに行うと特に効果的です。また、なるべく心身がリラックスできる時間帯に行いましょう。そして、何よりも毎日続けることが大切です。朝晩で行えば、さらなる効果が期待できますよ!」

下半身のむくみを改善して、キレイな美脚に導く簡単リンパストレッチ

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fotostorm//Getty Images

「このストレッチには、筋肉の緊張を緩和させる作用があります。毎晩のリンパマッサージ+ストレッチで筋肉を丁寧にほぐすことで、血液やリンパの流れを促し、脚の疲労も和げて、代謝も促進。さらに睡眠の質も高めることができます。デスクワークによる座りっぱなしや、接客業の立ちっぱなし、営業職などによる外回り、ヒールによる脚の疲れ、運動不足など、日常的な負担を和らげることができますよ」


STEP.1 脚全体のリンパマッサージ

脚痩せストレッチ

①床に座り、片方の足は膝を立て、もう片方の足は膝を曲げる。

②立てた脚の足首から脚の付け根に向かって、1分間さする。

③左右の足を変えて、同じように1分間さする。

STEP.2 脚全体のストレッチ

脚痩せストレッチ 脚やせ

①床に座り、片方の足はまっすぐ伸ばし、もう片方の脚は膝を曲げる。

②背筋を伸ばして、伸ばした脚のつま先を両手でつかむ。

③つま先を引っ張りながら上体を倒し、15秒キープ。

④左右の脚を変えて同様に行う。

※腰を曲げすぎたり猫背になってしまうと、効果が半減するので注意。

STEP.3 ふくらはぎからヒップまでのストレッチ

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①腰に手をあて、まっすぐ背筋を伸ばした姿勢で立つ。

②胸を張ったまま、足を前後に大きく開く。

③後ろ足のかかとが浮かないように、前足に体重を乗せ15秒キープ。

④左右の脚を変えて、同じように行う。

※お尻を引き上げるような感覚で行うと効果的。

※つま先よりも前に膝が出ると、膝を痛めやすいので注意。

STEP.4  太もものリンパマッサージ

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①座って片方の脚を伸ばし、片方の脚は曲げる。伸ばしたほうの脚の太ももの内側に両手を当てて、鼠径部に向かってさする。

②左右脚を変えて同様に行う。

STEP.5 太ももの内側ストレッチ

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①あおむけに寝て、片足は脚を伸ばしたまま、もう片方の脚は股関節を90度に曲げ外側に開き15秒キープ。

②左右脚を変えて同様に行う。

※姿勢をまっすぐに保ち、腰が反らないように注意。

※曲げた脚がうまく開かない(伸びない)場合は、膝に軽く手を当てて少し斜め上に押す。

STEP.6 骨盤のストレッチ

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①あおむけに寝て股関節を90度に曲げ、足裏をマットにつける。

②膝をそろえたまま、脚を右側に倒す。このときに、できるだけ頭、肩、腰が床から離れないようにする。

③ゆっくり呼吸しながらそのまま15秒キープ。

④反対側も同様に行う。

※楽にできるようになったら反対側の手で膝の外側を抑えて行う。

STEP.7 脚全体のリンパマッサージ

最後にSTEP.1 脚全体のリンパマッサージを繰り返す。

ストレッチのポイントと注意点

「ストレッチの効果が1回で感じられない場合は、15秒のストレッチを複数回行ってください。また1回のストレッチを長時間行うと、伸ばしている間、筋肉への血流が低下するため、15秒以上続けるのは控えましょう」

まとめ

下半身の流れが良くなることで筋肉が動き、さらに歩くことで全身の血液やリンパの流 れも良くなり、むくみ、冷えといった日々の悩みも改善へ。日々の習慣を見直し、簡単に始められるストレッチ+マッサージを取り入れ、足首がキュッと引き締まった、メリハリ美脚を手に入れて!

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教えてくれた人

渡辺 佳子/銀座ナチュラルタイム総院長・経絡リンパマッサージ協会代表理事

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経絡リンパマッサージの第一人者。鍼・灸・按摩マッサージ指圧師の資格とそのプロを養成する教員資格を持ち、教員養成科の講師も務める。現在、TVやラジオ、雑誌など多くのメディアでの監修を手がけるほか、業界発展の為、講習会やスクールなどにも力を入れている。また自らの臨床経験から、健康や医療、予防医学の大切さ美容やダイエットなどといった身近なテーマを通じて、一般の女性、ママやベビー、または専門家まで幅広く多くの人に伝えることをライフワークにしている。

公式サイト

監修サポート

永井政道/銀座ナチュラルタイム本院院長

柔道整復師、鍼灸マッサージ師の国家資格、教員資格を持ち、銀座で25年続く会員制の治療院の院長。教員、スポーツトレーナーとしても活躍中。

Photo:NTHD YUYA model:NTHD AIMI Text:NAOMI TANAKA

Headshot of Kanna Konishi
Kanna Konishi
ウィメンズヘルス・副編集長

編集者として多くのメディアに携わったのち現職。健康オタク歴20年、趣味は"毒出し"で、体と心と部屋を効率よく整え、環境にもいい健康法を探るのがライフワーク。チアリーダー経験あり、勝手に人を応援しがち。仕事では「心から推せるものしか紹介したくない!」と目を血走らせ、常に情熱大陸に上陸中。 

Instagram: @editor_kanna_purico