「『食事制限してもおなかぽっこり』、『やせても太ももだけはムッチリ』。そんな人に共通しているのが、じつは股関節の硬さ。やせにくい人は、必ずといっても股関節がガチガチです。つまり、股関節がスムーズに動けばやせやすくなるということです」と話すのは、『脚を動かすだけで下半身から即やせ! 股関節ムーブ』の著者、mieyさん。今回は、股関節まわりの筋肉の状態を整えるメソッド「股関節ムーブ」のやり方をご紹介!

目次

股関節ムーブとは?

股関節ムーブは、脚をゆらゆら6方向に動かすことで、股関節を全方位から効率的に刺激するメソッド。股関節まわりには、ボディラインの引き締めに必要な筋肉がたくさんあり、これらをストレッチでほぐしながら、同時に筋トレもできるのがポイントである。筋肉が活動しやすい状態に整うので、おなかや脚がスッキリする。

股関節ムーブで変わること

インナーの筋肉が鍛えられ、下半身引き締め&燃焼ボディに!

6方向に動かすことで、股関節が柔軟になり、可動域がアップ。股関節まわりのインナーマッスルが刺激されて、おなかや脚が内側からキュキュッとスリムに。また、おなかやお尻の大きな筋肉を動かして鍛える効果も。エネルギー消費量も上がり、燃焼ボディへ変わっていく。

②骨盤や背骨が整い、やせる姿勢をキープできる!

股関節まわりの筋肉が動くようになると、ボディラインの崩れを招く筋肉のアンバランスも解消。股関節とつながっている骨盤や背骨の状態が安定し、ゆがみが改善され、痩せやすい美姿勢をキープできる。

股関節の位置と役割

股関節は骨盤と、太ももの骨である大腿骨をつなぐ、人間の体で最も大きな関節。ビキニラインのちょうど真ん中あたりにあり、上半身の重さを支えるのと同時に、足で地面を踏んだときに帰ってくる反発も受け止めている。

体を安定させるのに重要な関節だけれど、股関節の役割はむしろ動くこと。関節や骨の中には、体を安定させるためのもの(可動域が狭い)と、体を動かすためのもの(可動域が広い)の2種類がある。そのうち股関節は体を動かすための関節。股関節が動かないと、近くにある腰椎やひざ関節など、本来は安定性を担当する関節が動くので、腰痛やひざ痛のトラブルが発生する。

さらに、股関節が動かないことで、股関節まわりのお尻や裏ももなどの筋肉が怠けるのも問題。代わりに前ももの負荷が増え、筋肉のバランスも崩れてしまう。筋肉のバランスが悪くなると、ムダな脂肪がついたり、必要以上に筋肉が張るなど、ボディラインが崩れていくため、股関節を動かすのは重要である。

股関節の説明

股関節のサビつきチェック

ぽっこり下腹や下半身太りは、股関節が硬く、6方向に動かせていない股関節の「サビつき」が原因。動いてチェックしてみよう。

テスト
テスト

股関節ムーブを行うときのPOINT

軸足の親指に体重を乗せてお尻を締める

軸足の親指と内くるぶしに体重をかけ、お尻を締めるのが基本の姿勢。椅子や壁につかまると体が安定する。

体幹は真っすぐキープ

背骨や骨盤など、支点となるべき場所は動いてしまうと、股関節の可動域は縮小。体幹を真っ直ぐキープすることが、インナーマッスルのトレーニングに役立つ。

股関節ムーブのやり方

ここからは股関節ムーブの動きを一部ご紹介!

股関節の詰まりを取る、セルフひざ倒し

左右各20秒キープ×2セット

股関節の動きを邪魔する外桃のハリを改善。内旋、内転の動きをスムーズにする。

股関節

両ひざを立てて座り、手を後ろにつく。

股関節

①右ひざを倒して左足で押さえる

右ひざを内側に倒し、左足を右ひざに乗せて押さえる。床につかなくてもOK。息を吐きながら行い、20秒キープする。

股関節ムーブ

②左ひざを倒して右足で押さえる

左右の足を変え、同様に倒して20秒キープする。やりにくいと感じた側は、20秒ほど追加するのがおすすめ。

お尻を浮かせない
お尻が浮いていると、ほぐし効果ゼロ。お尻を床につけたまま倒せるギリギリでキープして。

裏ももをほぐす、天井キック

左右各20秒キープ×2セット

猫背の人は裏ももが硬くなりがち。裏ももがほぐれると下腹がヘコみやすくなる!

股関節ムーブ

①左脚を上げて裏ももを両手で支える

あお向けになる。腰と床の間は手のひら1枚分空けておくこと。左脚を上げ、裏ももを両手で支えながら左ひざを曲げる。

あお向け

②ひざを伸ばしてかかとでけり出す

息を吐きながら、左ひざを伸ばす。裏ももが硬い人はひざが曲がってもOK。かかとで天井をけり出すイメージで20秒キープする。

肩を上げない
肩が上がりやすい人は、①を行う前に肩を外回しにぐるりと1周して下げてみて。

タオルを使うとさらにほぐれる
足先にタオルをかけ、両はじを手でつかんでトライ。さらに太ももが伸びる。

下腹がべっこりヘコむ、ニーアップ

左右各15回

脚を引き上げて、股関節を「屈曲」させる。この動きをするには、背骨から大腿骨へと伸びるインナーマッスル・大腰筋が必要。ここが衰えると、代わりに腰を丸めて脚を上げるクセがつき、猫背&下腹ぽっこりが進行する。腰を丸めずに、下腹の力で脚を90度以上上げるのが理想。

股関節ムーブ

①右足のつま先を立てる

椅子の背や壁に左手を添えて立ち、右足かかとを軽く浮かせる。体重は左脚で支える。息を吸ってスタンバイ。

股関節ムーブ

②股関節とひざを曲げて脚を上げる

息を吐きながらゆっくりと右脚を上げ、①に戻る、呼吸とともに15回繰り返す。

上体を倒さない
股関節が硬いと腰を丸めがち。上げ下げはゆっくりでいいので、腰を丸めず体幹を真っ直ぐキープ!

つま先からそっと上げ下げ

つま先を立ててスッと脚を上げ、下げるときもつま先を床につけること。足裏全面をドンッと落とさないように注意。

下腹と内ももを引き締め! カエル足キック

8回×2セット

パンツの上に乗ってしまう下腹を退治! 下腹と内ももを同時に引き締めるエクササイズ。

カエル脚

①あお向けになり、カエル足をつくる

あお向けになりひざを立てる。息を吐いて骨盤を後傾させ、腰と床のすき間をつぶす。脚を上げ、左右のかかとをつけてひざを外に広げ、脚でひし形を描く。息を吸ってスタンバイ。

ひざ

②ひざをピーンと伸ばす

息を吐きながら内ももに力を込めて、ひざを伸ばす。このとき、かかとはつけたまま、脚をそろえる。①~②を8回繰り返して。

あごを上げたり腰を反ったりしない
腰は床につけておくこと。あごが上がると腰も反りやすくなるので注意。
脚をそろえたまま下す

②でけり出した後、「脚を下す」動きを追加。下腹がプルプルするほど負荷がアップ!

まとめ

股関節まわりの筋肉の状態を整えるメソッド「股関節ムーブ」。股関節を動かすことで筋肉バランスが整い、日常生活でも筋肉や関節が正しく使えるようになる! ぜひトライしてみて。

□お話を伺ったのは……

miey(ミー)さん

ミー

ピラティストレーナー。バニトレプロデューサー。韓国生まれ。2016年に第一子を出産。産後太りを解消しようとダイエットに励み、11kgの減量に成功。しかし体重は減っても、下半身が思うように細くならず、ボディメイクに試行錯誤する中で体作りに興味が湧き、ピラティストレーナーの資格を取得。その後ボディメイクの知識を深めるために解剖学を学び、筋肉や骨格の仕組みに沿ったメソッドを確立する。初の著書『“がんばり筋"をほぐせばおなかも脚も細くなる! 』(学研プラス)は6万部を超える大ヒットに。

現在はスタジオで指導を行うほか、フィットネスウエアのプロデュースや商品開発に携わるなど、幅広く活躍中。

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Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。