腟は映画の『ハルク』みたい。普段は温厚で柔らかいけれど、怒らせたくはない存在。
腟を怒らせる行為は無数にある。でも、腟の機嫌を取って、気に入られるのは意外と簡単。それでは早速、その方法をアメリカ版ウィメンズヘルスからチェックしよう。
1.コンドームを使う
米メイヨークリニック・ヘルスシステムの産婦人科医、ギョクハン・アニル医学博士によると、コンドームは性感染症を確実に防ぐ唯一の手段。
そして、科学専門誌『PLoS One』に掲載された2013年の論文によると、コンドームには腟内のpH値を安定させる役割もあるので、コンドームを使えばセックスをしても腟内の善玉菌が善玉菌のままでいられる。
腟内の善玉菌はカンジダ症、性感染症、細菌性腟炎を食い止める重要な菌。だから、やっぱりセックスにはコンドームを使うべき。
2.産婦人科を遠ざけない
特段の症状や妊娠の可能性がない人に産婦人科の内診が勧められることは少ない(3年に1度はパップテストが勧められる)。でも、米イェール大学臨床産婦人科学・生殖科学教授のメアリー・ジェーン・ミンキン医学博士によると、産婦人科を訪ねる理由が必ずしも検査である必要はない。「年に1度の内診は、女性の健康全般について話し合う重要な機会です」
パップテストのタイミングで産婦人科医に行けばいいと決めるのは、医師と相談してから。既往歴や家族歴を含むリスクファクターによっては、より頻繁な内診とパップテストが必要になることも。
年に1度の内診を自ら希望して受けてもいい。その時間を避妊・妊活の相談や、性感染症の検査に充てるのは賢明なこと。
3.潤滑ゼリーを使う
ベッドに行っても腟が濡れないことはある。ミンキン博士によると、腟が乾くのは抗ヒスタミン剤、抗うつ剤、低用量ピルといった薬のせいかもしれないし、妊娠や閉経によるホルモン変動のせいかもしれない。
いずれにせよ、そのままでは腟の痛みや擦り傷が生じてしまうので、腟が乾いているときは、その事実をパートナーに伝えて潤滑ゼリーを使ってもらおう。ミンキン博士いわく潤滑ゼリーは、セックスを盛り上げるためにも使える。
4.コットン素材の下着を履く(もしくはノーパンにする)
腟はコットン素材を好むので、ほとんどの下着のクロッチ部分にはコットンシートが貼ってある。
下着選びで重要なのは通気性。アニル医師によると、コットンは空気を取り込み、水分を吸収する優秀な素材。
ミンキン博士いわく家ではノーパンになり、腟に空気を吸わせてあげてもいい。でも、ジムへ行くときは絶対に下着を履いて、細菌だらけの器具と腟の間に1枚余分に壁を作ろう。
5.腟洗浄は直ちにやめる
ちまたでいわれている通り、“腟は自動洗浄機能付きのオーブン”。腟には自分で自分をキレイにする能力がある。「腟には善玉菌が仲良く暮らしています」とアニル医師。「そこに新しい化学物質を加えても、その調和を乱すだけです」
産婦人科学専門誌『Obstetrics & Gynecology』に掲載された2013年の論文によると、腟洗浄器の使用は感染症、骨盤内炎症性疾患、性感染症のリスクを高める。とにかく絶対に使わないで。
6.サイクリング中も気を遣う
サイクリングスタジオで腟の健康が脅かされることもある。しょっちゅう漕いでいる人は、サイクリング中に外陰部のしびれ、痛み、うずき(悪い意味で)を感じるかも。
性医学専門誌『The Journal of Sexual Medicine』掲載の研究結果も、このような症状がサイクリングをする人の大多数に見られることを示している。サイクリングが好きな人はパッド付きのショートパンツを履いて、腟が痛くなりにくいフォームを身に付けよう。
7.抗生物質を飲みすぎない
「抗生物質を必要以上に使っていると、腟の健康状態が著しく低下します」とアニル医師。抗生物質は悪玉菌と善玉菌の両方をやっつけてしまうため、腟内フローラ(細菌の集まり)のバランスが悪くなり、カンジダ症や感染症のリスクが高まる。
もちろん、感染症の治療のために抗生物質を飲む必要があるのなら、ちゃんと飲むべき。アニル医師いわく大事なのは、本当に必要なときだけ飲むこと。
8.トイレで拭くときと同様、セックスも後ろから前に
ミンキン博士によると、アナルセックスから腟セックスに移るのは、コンドームを取り替えるかキレイにしてから。アナルから腟に移ると多種多様の細菌が腟に入り込み、感染症のリスクが高まる。
9.デリケートゾーンに香り付きのボディソープを使わない
ミンキン博士いわく、癒やし効果の高い香り付きのボディソープもデリケートゾーンには不適切。
アニル医師によると、ほかの部位と違って二重の保護層のない腟はデリケート。ボディソープやバス用品に含まれる化学物質で乾いてしまうことがある。
腟をキレイに保ちたいなら、お湯で洗い流すだけでいい。ボディソープで洗わないと気持ち悪いという人は、ミンキン医師がいうように、低刺激の無香料タイプ使うべき。
10.ケーゲル体操をする
アニル医師の話では、ケーゲル体操で骨盤底筋が強くなると骨盤臓器にかかる負担が減り、膀胱と腸の機能が改善するだけでなく、オーガズムも強くなる。
アニル医師いわく、骨盤底筋を5秒締めて緩めてを1日10回、計3セット行えば1日3分のケーゲル体操になる。これなら忙しい人にもできそう。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Amber Brenza and Ashley Oerman Translation: Ai Igamoto